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1000日チャレンジ 542日目 練馬美術館「日本の中のマネ展」(1)福田美蘭『帽子を被った男性から見た草上の二人』

ゴールまで458日

★BMI:23.9

◎練馬美術館で開催中の「日本の中のマネ―出会い、120年のイメージ―」展を観てきたので、概要や感想を記録しておきたい。
◆日本の中のマネ ―出会い、120年のイメージ―
◆2022.09.04(日)~ 2022.11.03(木)
◆(以下、公式web siteより引用)『19世紀フランスを代表する画家エドゥアール・マネ(1832‐83)の日本における受容について考察する展覧会です。
 画家で美術批評家の石井柏亭は、マネの《草上の昼食》(1863年、オルセー美術館、パリ)にインスピレーションを得て、《草上の小憩》(1904・明治37年、東京国立近代美術館)と題された作品を手掛けました。彼以外にも山脇信徳や安井曾太郎、山本鼎、村山槐多、小磯良平らの作品に、マネからの影響が見受けられます。それは模写であったり、筆触の類似性、そして構図やモチーフの借用であったりと様々です。また、マネへの理解をとりわけ強く主張したのは、批評家であったとも言えます。先述の石井や医師で詩人、小説家、美術批評家の顔を持つ木下杢太郎は、批評家としての発言の中で、マネを理解することこそが西洋近代絵画を受容する上で不可欠であると主張しています。
 しかしながら、我が国における洋画黎明期の美術家や批評家たちに見られるマネからの影響については、断片的に指摘されることはあってもまとまった形で示されたことはありません。明治から昭和初期までに見られる作品や批評を通して、日本における「マネとの出会い」について振り返ります。
 そして、この出会いから現代にかけて、マネの理解はどのように変化したのでしょうか。私たちはすでに西洋近代美術史の文脈に則り、マネについて認識しているとは言え、欧米の人々、または明治の人々と同じ眼でマネ作品を見ているというわけではありません。そこで、現代の日本におけるマネ・イメージを探るにあたり、美術家の森村泰昌や福田美蘭の作品から、それぞれの独自の視点で展開するマネ解釈を紹介します。
 本展では、日本に所在する17点のマネの油彩画(パステル画を含む)のうち7点のマネ作品を中心に、印象派や日本近代洋画、そして資料などの約100点を通して、明治から現代にかけての日本におけるマネ・イメージに迫ります。』

美術館前の看板

福田美蘭『帽子を被った男性から見た草上の二人』(看板にも使用されているメインビジュアルの作品);1963年生まれの現代美術家・福田美蘭の作品。1992年(高松市美術館所蔵)
★マネの「草上の朝食」に出てくる向かって右側の男性の視点で描いた作品。その視点の面白さに加えて、マネのタッチをかなり忠実に再現した描写が素晴らしい。しばらく絵の前でじっくり隅々まで見てしまった。原画とはよく似ているが、おそらく外側から見ているマネの視点とこの絵の登場人物の視点との違いは、両者の絵の存在の意味自体を変換する意図があったのだろう。
(参考)

マネ「草上の朝食」(オルセー美術館所蔵)


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