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1000日チャレンジ 955日目 「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(若い読者のための科学史)CHAPTER 35 Where Did We Come From?

ゴールまで45日

★BMI:22.8

「A LITTLE HISTORY OF SCIENCE」(Bynum, William著;Yale University Press;2012年)を原著で読み進める(全40章)

◎CHAPTER 35 Where Did We Come From?
★主な内容
ヒトはチンパンジー、ゴリラ、オランウータンなどとともにヒト科に分類され大型類人猿ともよばれる。1699年、チンパンジーの解剖を行ったイギリス の解剖学者エドワード・タイソン(1651-1708 )は、チンパンジーがヒトとその他の動物をつなぐ(その間の)存在だと考えた。その頃には、何万年も前からヒトが地球上に存在していたことを示す石器類が発見されるようになっていた。1856年にドイツの洞窟でネアンデルタール人の骨の化石が発見される。ダーウィンの友人であったトマス・ヘンリー・ハクスリー( 1825-1895)は、これを現生人類と同じ種として分類した。ネアンデルタール人の位置づけについては、その後も論争は続くが、ダーウィンはヒトも他の動物同様に進化した結果として存在し、系統樹の一つを形成していると考えた。オックスフォード大の人類学者E・B・タイラー(1832-1917)は、人類の社会文化的進化を各地の現存人類に残存するしきたりなどを比較することで論じた。20世紀に入ると、ダーウィンが予測していたようにアフリカから多数の類人猿の化石が発見されるようになる。1974年にエチオピアで発見された「ルーシー」とよばれるアウストラロピテクスの化石は、約300~400万年前のものと考えられ、直立歩行していたと考えられている。現在では、ネアンデルタール人は5万年ほど前のヨーロッパで現生人類と今日存じていた時期があり、その遺伝子の一部は現生人類にも受け継がれていることがわかっている。

★単語
the animal kingdom
;動物界、fossilise;化石化する、fearsome;恐ろしい、ものすごい、bury;埋める、depiction;描写、表現、descended;~の子孫、triumph;勝利、subsequently;その後に、archaeologist;考古学者、migration;移住、hominine;ヒト亜科、ancestry;祖先

★フレーズ
missing link
;失われた環(進化の過程において、生物の系統の欠けた部分に想定される未発見の化石生物)、the tree of life;生命の樹、系統樹、full of drama;ドラマに満ちている

※トマス・ヘンリー・ハクスリー;Thomas Henry Huxley(1825―1895);「イギリスの動物学者。ロンドンで医学を修めたが、もともと物理学に関心があったために、生体機能の物理・化学的側面を扱う生理学に興味をもった。生計をたてるために海軍の軍医となり、ラトルスネーク号でオーストラリア方面に航海し(1846~1850)、とくにクダクラゲ類について優れた研究を行った。帰国後、王立鉱山学校教授となり、化石の研究や生理学、比較解剖学に従事。王立学会員となり、1883年から同会長を務めた。腔腸(こうちょう)動物の内・外胚葉(はいよう)が、高等動物の内・外胚葉と相同であることを示し、またオーケンLorenz Oken(1779―1851)、ゲーテらの、頭骨は脊椎(せきつい)骨の変形したものであるとする「頭骨脊椎骨説」の誤りを正した。C・R・ダーウィンとは、航海から帰国後まもなく知己となり、終生親交を結んだ。ダーウィンの『種の起原』(1859)が出版されるやただちにダーウィン説に賛同し、ダーウィン自身にかわってこの説の普及者となることを決意し、「ダーウィンのブルドッグ」とよばれた。とくに、1860年のイギリス学術協会において、ダーウィン説の反対論者であったウィルバーフォースSamuel Wilberforce(1805―1873)司教を論破したことは、その後の進化論の受容に大きな影響を与えた。しかしハクスリーは、ダーウィン説を無批判に受け入れたわけではなく、その欠陥も鋭く指摘し、またダーウィンが避けた人間の起源の問題にも言及した。主著に『自然における人間の位置』(1863)、『進化と倫理』(1893)などがある。」(小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)よろ引用)

ダーウィンの進化論がヒトの進化に及んだ時に、ここで書かれているような”社会ダーウィン主義”とも呼ばれるような、優性思想的なものを助長する方向に利用されてしまったことは大変残念なことだったと思う。


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