見出し画像

効果的な1on1のススメ

1on1ってなんだ?

1on1ミーティングは、一般的には、「上司と部下との面談」のことで、定期的に行われることが特徴です。企業によってミーティングの長さや頻度は異なりますが、1回30分~1時間程度、週1回~月1回の頻度で行われていることが多いようです。

面談者は、多くの場合「直属の上司」が担いますが、部門長やメンター(職場の先輩)、経営者という例もあります。もともと、米国シリコンバレーの企業が、社内のコミュニケーション不足の解消にむけて取り組み始めたことがきっかけと言われています。

1on1ミーティングと評価面談との違いは?

評価面談

<内容>
「業務の進捗や成果」(現在の仕事)。進捗や目標を達成するための具体的なプロセスを相談したり、結果を振り返っての評価をして給与に反映する査定や考査をします。

<方向>
上司から部下に対して一方通行

1on1ミーティング

<内容>
話の話題は「部下が相談したいことすべて」となります。場のねらいは、部下育成や支援に置かれています。評価は現在の時間軸で話たのと比べ、過去や未来についても話します。プライベートな話から最近の学びや興味関心ごとのシェアまでその内容は幅広くなります。

<方向>
双方向で対話

1on1のテーマ例

1on1で話す内容に困ったら、こんな内容をテーマにしてみましょう!
1on1を実施する側の方は、下記のようなテーマをそのまま投げかけるのではなく、なるべくオープンクエスチョンにして問いを投げると良いでしょう。
また、相手の心が開かなそうだな?と思う時は、先に自己開示をすると効果的です。

  • プライベートな話題

    • 週末に何をしているか?

    • 趣味は何か?

    • 家族とどう過ごしているか?

  • 健康状態について

    • 体調で気になることは?

    • 私生活は乱れていないか?

    • ストレスを感じていないか?

    • 人間関係で悩みはないか?

  • モチベーション

    • 仕事でポジティブな感情を抱く瞬間はあるか?

    • 何にやりがいを持てているか?

  • エンゲージメント

    • 会社に対する要望はないか?

    • ゆくゆくこの会社でやりたいことにはどんなことがあるか?

  • 業務進捗

    • 今の業務に不満はないか?

    • 何か業務を進める上で問題や課題は?

    • 会社やチームで改善すべき点は?

  • 目標

    • できるようになりたいことは?

    • やってみたいことは?

    • 解決したい、克服したいことは?

  • 会社の方針について

    • ビジョン / ミッションについてどう思うか?

    • 方針についてどう感じるか?

    • わかりにくい、腑に落ちない点はないか?

1on1がもたらす、3つのいいこと

1on1を実施して効果のある良いことは、主には3つです。

  1. 「想定外」のトラブルが減る

  2. 心理的安全性が高まる

  3. 伝え方 / 受け取り方がわかる

「想定外」のトラブルが減る

まず、定期的にコミュニケーションをとることによって、「聞いてなかった」「突然そんな・・」という「予想外」が減ります。何を話すか決まっていない場だからこそ、話した方が良さそうなことや相談するかしないか迷うようなことを持ち込むことができるのです。もし1on1の場がなければ、「わざわざ自分からミーティングを設定しない」こともあるでしょう。

心理的安全性が高まる

どんなに合わない人間でも、どんなに仲が悪い同士でも、一定数コミュニケーション力を担保していると徐々に仲良くなってきたり、心を許すようになります。コミュニケーションの質も大事ですが、その前に量を確保することは大切です。
1on1コミュニケーションを通じて相手のことをよくしり、また従業員側も「自分のことを知ってくれている相手」と感じることで心理的安全性は高まります。

伝え方がわかる

人はそれぞれ価値観が違います。目標や数字の話をしてテンションが上がる人もいれば下がる人もいます。また、それは価値観だけではなく受取手のの状況やタイミングによっても変わります。
相手の価値観やコンディションをよく知ることで「どうやって伝えたら相手に伝わるか」がわかります。
いずれにしても、信頼関係で大切なのは**「自分のことを理解してもらっている」**という安心感でしょう。1on1は相互理解を促します。

いい時間にするために① - オープンクエスチョン

「今日は何を話しますか?」「最近どうですか?」「元気ですか?」そんなオープンクエスチョンからスタートすることが重要です。
「はい」「いいえ」では答えられない質問をすることで、頭の中で思いや考えを整理したり、直近の仕事を振り返るような時間になります。
つまり、質問を受けた側が「え〜どうだったかな〜〜」と思考を巡らせる時間が、1on1においてとても価値のある時間なのです。
質問する側は意識的にこの時間を設けてあげるようにしましょう。

いい時間にするために② - アドバイスや批判をしない

せっかく思考を巡らせ思いを語ってくれたのに対して、「〇〇したら?」「それは違うんじゃない?」など、短絡的なアドバイスや相手の考えを否定するようなリアクションは避けましょう。それをした瞬間に信頼関係は崩れ、本音が話せなくなります。
どんな意見や考えだとしても、相手を理解し、まずは受け止める。
話の聞き手が「どう思うか?」ではなく、話し手が「何を話したいか?」が重要なのである。
内容を聞いたら、要約してオウム返しをしてもいいし、相手が伝えたい内容を言葉を変えて代弁してもいい。「もう少し詳しく教えてもらえますか?」など、さらに質問を投げかけるのも効果的です。

いい時間にするために③ - アジェンダを用意しない

通常、会議は相談するか 、決議をするか、など目的はその時によって違い、目的に合わせてアジェンダを準備します。
一方で1on1は目的が”相互理解””対話”です。
1on1を実施したのちに、話した内容について別途会議を実施する分には構いませんが、1on1でスタートしてそのまま会議のような形に流れ込むのは避けましょう。

最後に

1on1を受ける従業員の方へ

「上司に呼び出された・・」とネガティブな感情を抱かずに、「なんでも話せる場」として気軽に参加しましょう。上司からの問いに答えることで、考えを巡らせることがとてもとても重要です

1on1を実施する側の方へ

気軽に話せる雰囲気作りを重視しながら、対話を楽しみましょう。メンバーがどのような相手なのかを理解することに集中します。また、良い1on1を実施するために、自分自身が良い1on1を受けることが大切ですから、意図的にそういう機会を作るようにしましょう。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?