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地域おこし協力隊の活動を紹介します

スナックおりんママと名乗っているが、実はスナック経営者ではない。
本業は地域おこし協力隊だ。(じゃじゃーん)


 
noteではほとんど協力隊の仕事についての説明はしてこなかったし、一度こういう記事を書いたが、このときはなかなか毒モードになっているので改めてお仕事の話をしていきたい。
 


3年間さまざまなことをやっているので長文です。わたしの協力隊の全てのお仕事をここに集約しました。
 
 


 わたしのお仕事を一言で言うと

 
喜多方市地域おこし協力隊として、熱塩加納町(あつしおかのう)の地域振興を行っている。
2016年4月17日から着任して現在3年目。任期が3年間なのであと3ヶ月(早っ!)で終了する。


 地域おこし協力隊とは?
 

地域おこし協力隊(以下:協力隊)とは総務省の制度だ。協力隊を受け入れるJOINのHPによると以下の通り
 


「地域おこし協力隊」とは、人口減少や高齢化の進行が著しい地方において、地域外の人材を積極的に受け入れ、地域協力活動を行ってもらい、その定住定着を図ることで、意欲ある都市住民のニーズに応えながら地域力の維持・強化を図っていくことを目的とした制度です。



つまり、自治体が「うちにほしいよ~」って総務省に声をかけると協力隊を雇うための予算が下りていく仕組みだ。毎年隊員の数は増えていて3年前は全国で3000人程度だったのが、現在では5000人を超えている。任期は1~3年。
 
 
わたしの場合は、自治体の(つまり市役所の一角)にデスクがあって、市役所職員と同じ空間で作業をしている。協力隊をどう活用するかは自治体に任されているので、地域によって自由が制限されてしまうケースがある。わたしは市役所の仕事を任されることはないけれど、活動には市役所の許可がいるから、然るべき書類を書いて然るべき人にお伺いを立ててから動いていく必要がある。
 
 

ミッション型とフリーミッション型

協力隊の中でも、ミッション型とフリーミッション型がある。喜多方市には多い時期で最大8人の協力隊がいて、熱塩加納町、山都町、高郷町、雄国地区、と活動エリアが分かれている。そのうちミッション型である山都町と雄国地区はそれぞれ「会津山都そばの伝統後継者になる」「雄国根まがり竹細工の伝統後継者になる」というミッションがあり、地元団体に属して活動している。一方、フリーミッション型である熱塩加納町、高郷町は前者のようなミッションが無く、自分で町の資源を発掘し自分のスキルをもとに活動につなげていく。全国のフリーミッション型の協力隊の中には、空き家のリノベーションや、地場産品を生かした商品開発、NPO法人を立ち上げたという方もいる。
 
 
 
わたしの担当する熱塩加納町にはわたしを含め二人。「町のお手伝いになるようなことがしたいよね」というのが活動のモットーで、わたしたちがぐいぐいひっぱるよりも、町の方が必要としていることの役に立ちたい。そんな思いで活動してきた。主な活動の内容は以下の通り。
 
 


3年間でどのような活動をしてきたのか
 
 


① なにほど新聞の発行
2,3ヶ月に一度、町の方向けに発行している新聞。協力隊が足を運んで取材をして感じたことや町のいいところをまとめている。農家の畑や田んぼを手伝ったこと、地元の小学校の授業に参加したこと、地元のイベント、協力隊の活動計画などなど。会津弁に衝撃を受けたとか、○○さんが冗談ばっかり言うとか、○○さん家のたくあんがおいしいとか、親近感がわく内容が多い。そして猫好きなので猫の写真をよく掲載する。この新聞で町の方が意外と知らない町の情報や魅力が分かって面白いという声をいただくことが多くなった。さらに、かつて町に住んでいた元住民の方も新聞のファンで発行されると必ずもらいにいくのだそう。市役所のHPでPDFでもダウンロードできるようになっている。ちなみになにほど新聞の「なにほど」は「とても、どんだけ」という意味。「なにほど笑った」とか「なにほどつかれた」とか、こちらではよく使われる表現。
 




 
② なじょする会の発足
月に1回、町の方何人かと集まって、町について話し合う会。「なじょするかい?(どうするかい?)」から来ている。自分の町について話す機会が減ったよねという声から始めた。途中、収穫祭~11月のさなぶり~についての計画を議題にして話し合った。
 
 
 
③ 収穫祭~11月のさなぶり~の運営
2018年11月4日(日)に開催されたイベント。「今は人があつまる機会がなくなっちゃって…」という声でつくった。構想から開催まで一年以上の期間をかけて町の方と何度も何度も話し合い、町の人が集まっておいしいものと一緒に収穫を喜び合おうということで、地元の活動団体に熱塩加納産のおそばやおもち、豚汁やずんだなどをつくっていただいた。来場者100名を予想していたら300人以上のお客様が来てくれて嬉しい悲鳴だった。来てくれた人だけでなく、一緒にイベントをつくってくれた町の人たちが嬉しそうだったのが本当に良かった。ちなみに「さなぶり」とは、田植えが終わった後に田植えを手伝った人たちで集まってご飯を食べる習わしのこと。みんなでわいわい集まってたのしくご飯を食べようという思いが込められている。


④ 移住PRパンフレットの作成
熱塩加納町の農業を中心に、町の紹介パンフレットを作成した。3年前、熱塩加納町の協力隊の着任が決まったときに担当場所を調べたら、熱塩加納村時代のウィキペディアしか検索ヒットせず、現在の熱塩加納町の情報がなかった。どんな人が住んでるか、どんな場所なのかを知ってもらうために、町を知らない外の人たち向けに作成したもの。こちらもなにほど新聞同様、紙媒体のほかに、市役所HPでPDF版をダウンロードすることも可能。わかりやすくてかわいいパンフレットだよ。ネットでこれを見つけた学者の方が、熱塩加納町にやってきたという成果がありました!よかった。


 
 
⑤ なにほどインスタグラムの開設
なにほど新聞作成時に「なにほど君」というキャラクターが爆誕したのだが、なにほど君がパペットになって熱塩加納町を紹介するというインスタグラムアカウントを開設した。ゆるいお顔と「○○です~」という口調が特徴。更新頻度は少なめだが、意外と隠れファンがいる。
 
 
⑥ 地元イベントの参加
デスクが置いてある熱塩加納総合支所産業課が主催するイベントに参加。5月と10月の黒森山登山、7月の沢登り、2月のかんじきトレッキングなど。初心者でも楽しめて、地元の山岳会の丁寧な案内がついてリピーターも多い。
 
 
 
⑦ 協力隊合同会議&協力隊合同報告展「なにほど協力隊のことがわかる会」
喜多方市の協力隊は多い時期で8人。普段は担当地区も勤務内容もバラバラだけれど、退任する前に全員合同でなにかしたい。そこで報告展を開催。1ヶ月間喜多方市役所の一角で活動紹介のパネル展示をした。期間中喜多方市のマルシェにも出店し、それぞれの担当地区の名物と伝統工芸の試食と販売を行った。喜多方に地域おこし協力隊の存在が認知されていないのもあり、良い機会だった。
 
 


 
のこり3ヶ月間でやること


さまざまな活動をしてきた協力隊生活も残り3ヶ月切っている。これからやることは大きく2つある。
 
まずはなにほど新聞の更新2回。2月と4月に発行する。残り2回。いつも通り楽しく作ろう。
 
そしてもうひとつはパンフレット第2弾の作成。以前は移住PRパンフレットだったが、今回は熱塩加納町のおいしいものとつくるひとたちを紹介する。熱塩加納町で作られる野菜や加工品、それらを作っている人たちをインタビューする。読んだ人が食べて足を運んでくれたらいいなと思う。
 
 
これらをやりきって、4月17日にわたしは胸を張って熱塩加納町での協力隊を卒業する。以上、わたしのお仕事の紹介でした。地域おこし協力隊、大変なこともあるけれど、クリエイティブなお仕事が好きな人で、今までと違う場所に住んでみたいと思っている人にはいい制度だと思う。ここに書いたのはあくまでわたしの場合なのだけど、質問があればnoteや質問箱にてなんなりと承ります。
 


 
長文でしたがここまで読んでくれてありがとうございました。

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