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昔の話

最近、世界史にちょっとハマっている。

山崎圭一さんの「一度読んだら絶対に忘れない世界史の教科書」という本を読んでいるのだ。

なぜ「ちょっと」なのかというと、この本をがっつり読み込んでいるというよりも、毎日少しずつ読んでいるからだ。

紙の本にもかかわらず、風呂場で湯船に浸かりながら読んでいる。

最初は本がシナシナにならないかと、恐る恐る読んでいたが、意外と本の耐久力が頼りになることに気がついてからは結構楽しんでいる。

慣れてくると「ボチャン」するので注意は必要だが。


世界史にハマっていると言いつつも、地域ごとの大まかな流れを追っているだけで、個々の皇帝の名前とかまでは全然覚えていない。

暗記しようとすると、高校時代の苦しい思い出が蘇ってくるので、まずは大局だけ押さえようという甘えた寸法である。

しかし昔の歴史を見ていると、人の名前を覚えることに四苦八苦していた高校時代に比べて、格段に面白く感じられる部分がたくさん湧いて出てくる。

特に面白いのは、どの国も「だいたい同じような潰れ方」をしているということだ。

人類はここ2000年の間で、幾つもの国が発生させては消してきた。

その度にあちらこちらからヤヤコシイ名前の支配者が現れるが、多くの支配者に共通している失敗の要因は大きく2つだ。


まずは、欲張っちゃうこと。


内政統治を大方完了させた支配者は、次第に「国を大きくしてやる」という欲望に駆られる。

すると自国の民を兵士として集めて、長い陸路を進ませて、敵地に遠征する。

遠征には大規模な人数と、長期間の日程が必要となる。

すると当然、それだけの移動費と食費がかかる。

だから大抵の場合、遠征が成功しても失敗しても、自国に戻った段階から財政難が始まるのだ。

そしてあろうことか、財政難を凌ぐために、疲れ切った国民たちに重税をかける。

その結果、国民の中から「いや、ふざけんなし」という奴らがゴロゴロ出てきて、結果的に打ち倒されてしまうのだ。

さらに遠征に成功したとしても、領土を広げすぎた結果「すみっこの方の統治が手薄になる」のだ。

際限なく国境を広げていくと、いずれ未知の民族たちと遭遇することになる。
そういった国境は支配者の拠点から遠く離れているので、簡単に国境を跨がれてしまう。
そこから徐々に侵入者たちの侵略を許した結果、国の崩壊に繋がってしまうのだ。

こんな風にして、「お膝元は俺の思うままだから、遠くまで支配広げちゃお」と欲張ってしまうと、結果的にカツカツになって支配者としての座を下されてしまうのだ。


そしてもう一つの要因は、後継ぎがハチャメチャなことしちゃうパターン。


世界史を眺めていると、誰からも尊敬される統治者の後に、どうしてコイツになっちまったんだというようなポンコツが後を継ぐことがある。

すると、前任者の治世が嘘だったかのような結末に陥るのだ。

もちろんそういう人たちにも評価に値する側面や、結果論的に批判の的にされてしまう場合もあるだろう。

しかし必ずしもどの代でも賢明な政治を行えるとは限らず、そこが諸行無常という世の中の流れを表しているのかもしれない。


こんな風にして、高校で授業を受けていた頃とは違った角度から世界史を知ることで、なかなか面白がることができるのだ。

ぜひ一度、皆さんにも読んでみてほしい。

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