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【本】「まちづくり幻想 地域再生はなぜこれほど失敗するのか」(木下斉、SB新書)【地方再生】

読んだ本のレビュー
★★★★★(星5)〜★(星1)で評価


★★★★☆
まちづくり幻想は、くにづくり幻想でもあり、本書で示される処方箋は、あらゆる事業・起業に通じるものがある

最近問題になった、高知土佐の地域おこし協力隊カフェ騒動、広島県安芸高田市の無印良品出店騒動など、どんな雰囲気で、どんなパワーバランスで物事が動いていたのか、本書から想像するだけでも楽しめる


筆者をYouTubeで見かけて、その主張に賛同
そこで本書を読んでみた


「善意の事業ほど失敗する!」


裏表紙の記載がまさに的を射ている
工業団地、リゾート開発、最近気になるのはいわゆるコンパクトシティ
日本の地域再生事業で、悪意を持って金儲けだけのためにされることは少ないであろう
しかし、なぜか失敗してしまう
本書は、その失敗の原因とも言うべき「まちづくり幻想」を指摘し、それに立ち向かう方法論を示している

コロナ、リモートと言われても、結局は東京一極集中は是正されなかった
東京一極集中が問題というならば、地方自身が頑張って変えていくしか方法はない


問題は地方だけなのか?


本書自体は、地域・地方再生事業を主題としている
しかし、失敗の根底にある根本思想

・正解思考で成功事例に安易に飛びつく
・集団同調圧力、無責任体質
・杜撰な見積りコスト計算
・予算があれば成功する
・悪しき平等主義、等々

これらは、地域・地方のみならず日本の国策事業にも当てはまる
そうやって失敗したどこかの法科大学院制度もあったな…と
まちづくり幻想は、くにづくり幻想でもあるのだ

解決策


本書の示す地域・地方再生の方法論は、「正解」ではあるが、安易ではない
本書で取り上げられている宮崎駿の言葉の通り、「大事なことは、だいたい面倒くさい」のである

以上

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