見出し画像

吃音から考えるはたらく環境の考え方


この記事は「SOU-MU部アドベントカレンダー2023」の投稿になります!
「はたらく」×「吃音症」について思っていることをつづります!

ちょこっと自己紹介

1996年生まれ、今年27歳の社会人です。
長野県に生まれ、大学進学に伴い上京、去年まで東京の建設系の企業で財務経理をしていました。少し期間が空き今年の3月京都へ移住し、現在は京都のWebデザイン会社のバックオフィスとして弊社スタッフのはたらくをデザインするべく日々奮闘しています。

SOU-MU NIGHTには今年の10月に京都のQUESTIONさんで行われた回に初参戦し、以降Slackを中心にコミュニケーションを取らせてもらっています!
(月1ペースでQUESTIONさんをコワーキングスペースとして働いているので、機会がありましたら是非お話しましょう~)


吃音(きつおん)って何?

私を構成する一つの要素として吃音症(きつおんしょう)があります。
吃音症とは、言葉が頭に浮かんでいるものの発語がしづらい症状で、
主に3パターンに分けられます。
①「わ、わ、わ、わたしは」と言葉を繰り返し発語する連発。②「わーーーたしは」と言葉を伸ばす伸発。③「……………わたしは」と言葉が出づらい難発。日常的に症状が出る人、特定の場面に多く症状が出る人、①だけの人、①と③が組み合わさった人などかなり個人差があります。
そして、症状の大小はあれど現在日本に100人に1人が吃音症と言われています。「小学校にいたあの子もしかして吃音症だった?」と思う人もいるのではないでしょうか!

私は基本的に連発と難発で、今でも日常的に症状が出ることがあります。最近になって症状は「そこまで重くない」と思えるくらいに落ち着いてきましたが、これまでの人生は非常に難しいものでした。
学習発表会や全校集会での発表、部活での挨拶や練習メニューの共有、卒論発表などで人前に立った際には、予期不安と事後の疲労感で押し潰されそうでした…。(本当あの時の自分よくやった)
幸い周りに吃音をいじったりからかったりする人はいなかったのですが、自分の中で周りの人と違うことへの劣等感と、その場面を想像して感じる予期不安に悩む毎日でした。

はたらく環境をととのえる

前述の通り、最近になって吃音症の受け入れ方が変わってきたことで、心理的負担は楽になり、症状自体も落ち着いてきました。
(自分なりの吃音症への考え方や受け入れ方については後日別記事で執筆出来たらと思います)
その要因の一つとして、環境があると思います。

新卒入社した会社は、良くも悪くも伝統が確立されており、
「先人がこうやってきたからこう」文化が強く根付いていました。それは会社に安定性をもたらしていて、業績はとても好調で、正直お給料も「こんないいんすか?」な額をもらっていました。(家賃補助も95%会社負担というどえらい好待遇)
しかし、吃音症という周りとは違う要素を持つ僕には合わない部分があったり、自分のキャリアを考えた際に第2新卒のうちでの退職を決意しました。

現在の会社ではミッションに「はたらくをデザインする」を掲げていることもあり、働き方と組織づくりに注力しており、それにアンテナを張っている社員も多くいます。
吃音症でコミュニケーションが周りと比べて少し下手な私にとっては、Slackベースのコミュニケーション、リモート制度、フリーアドレス等の今や基本的となっている働き方だけでも大いに救われている部分があります。それは単に「話す機会が少なくて助かる」ということでなく、「コミュニケーションの選択肢が広いことによる心理的安全性」が大きいです。話せる時には話したらいいし、難しい時にはテキストで伝えればいい。はたまたリモートの方が話しやすかったらそうすればいい。この選択肢こそが疎外感を生まずにパフォーマンスを発揮できる要因だと考えています。
また、私が言葉に詰まる時でも安心できる対応をしてくれるメンバーが多いことも大変救われています。
(僕が望むような対応をしてくれない人ももちろんいます。ただそれはその人に配慮がないわけじゃなく、僕自身が望む対応をその人に伝えていないからなだけなんです。吃音症を持っている僕でも、他の吃音当事者の方を傷つけてしまう対応をしてしまう可能性があるように、個人が望む対応は人それぞれ違います。それを吃音症ではない人に一瞬で理解して対応しろという方が無茶な話な話だと思います。適切に説明すれば分かってくれるのであれば、適切に説明するということは当事者側の義務だと考えています。)

制度と人。この二点から成る「環境」は多様な人が一つの組織で働くうえで最も重要で、かつ常にアップデートすべき点だと考えています。

ただ、守ってもらえる環境の整備より、パフォーマンスを最大限発揮できる環境の整備。これは環境をつくる上で非常に重要な考え方じゃないかなと思います。
個人が抱えている課題から環境づくりを考える上では、その人を守る制度をつくるのではなく、その人が最大限パフォーマンスを発揮できる環境をつくることを目的にすることで、疎外感を生まなかったり、間接的に効果を得ることができる人が出てきたり、個人・組織両面での課題解決に繋がると思っています!

(京都寒くなってきたな~
 組織的温かさに加えて身体的暖かさも考えなくては。。。)


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?