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1年間で10個の特技が身につく『爆速スキル獲得術』

こんにちは、清水陽介(@smzyuskmental)です。


たいていのことは「20時間」で習得できる』っていう本がありましてですね。

タイトルにある通り、「たいていのことは20時間で習得できる」んですよ。

「ホントに??」って感じだと思うんですが、読むと納得する内容です。こちらの本はメンタリストDaiGoさんもオススメしている良書でございます。

で、僕もこの本にはだいぶお世話になりまして、フォーク曲げ、メンタリズム、ギター、タイピング、ヨガ、サッカーなどなど、この本のおかげでいろんな特技を持っております。

そんなわけで、色んな人に「この本いいよ〜」とおすすめしているわけなんですが、いかんせん、「読むのはめんどくさい」って声が多いんですよね。笑

まぁ「読めや」って話ではあるのですが、本では少し難しい部分もありますので、今回はこの本を超カンタンにまとめておきました。20時間で特技を身につける方法が分かります。

「なにか一芸が欲しい!」って人は、『スキルを習得する上で大事な脳の仕組み』と合わせてご覧いただくと、マッハで特技が増えます。

それでは、GO!


Section①
『1万時間の法則』のウソとホント

まず「スキルってどれくらいの時間で身につくの?」って話ですが、有名なものが『1万時間の法則』。

この法則は、『天才!成功する人々の法則』で有名なマルコム・グラッドウェルさんが提唱するもので、カンタンに言うと「どんな凡人でも、1万時間くらい集中して練習すれば、世界トップレベルのプロになれるよ」っていう法則。で、いつの間にかこれが一人歩きして「技術を身につけるには1万時間必要!」って言われたりもしてますが、元は「1万時間の努力で世界トップレベルになれる」っていう法則です。

こう聞くと、「努力すれば必ず報われる!」的な雰囲気なのですが、冷静に考えてください。1万時間を達成するには、「毎日8時間、休まず常にフルパワーで、3年半続ける」ことになります。そんなん無理です。そんな奴、人間ではありません。というか、働いてください。

で、ちょっとハードルを下げてみて、仮に「1日3時間半を本気で集中」できたとしても、1万時間に到達するにはだいたい10年ほどかかります。「そんな時間ねぇわ!」って話なわけです。


そこで最近、「本当に1万時間も必要?」ってことを学者が調べてみました。そして、この研究によると、「1万時間の法則ってデタラメだよね」ということが分かっています。

これはパレオな男でも紹介されている、ミシガン州立大学が行った研究。この研究では、「1万時間の法則」のもととなる論文と同じ内容を再現しようと、様々なジャンルのプロがどれくらい練習してきたのかを調べてみたのですが、その結果はというと、

・「プロになるには1万時間必要説」は、データによって完全否定

・2年でプロになる人もいれば、20年でプロになる人もいて、1万時間の法則で全てを説明するのには、無理がありすぎる

という感じ。つまり、「プロになるには1万時間必要ってわけではなく、その人の状況ややり方しだいで、必要な時間は変わるよね」ということが分かったわけです。もちろん、たくさん練習するに越したことはないのですが、必ずしも1万時間必要ってわけではない、というのはちょっと安心ですね。

というわけで、「”天才の1万時間の法則”はそこまで過信しなくていいよ」、という感じ。


Section②
「普通にカッケェって言われるレベル」
に到達するのに必要な時間は、〇〇時間

では、「じゃあ、実際にスキルを身につけるためには、どれくらい練習すればいいの?」って話なわけですが、ここで大事なのは、「1万時間の法則はプロ中のプロを対象にした研究だった」ということ。つまり、「その世界のトップ・オブ・ザ・トップになりたいんだったら、だいたい1万時間くらい練習しましょう」という話でした。


ところが、僕らがスキルを身に付けたい本当の理由を考えてみてください。

「料理がデキるようになりたい」
「歌が上手くなりたい」
「ギターが弾けるようになりたい」

これらをスキルと呼ぶわけですが、これらを身に付けたい理由って、ほとんどの場合、「カッコいいって言われたいから」ですよね(笑)。もっと言うと、「トップレベルの技術を身につけて世界大会に出たい!」というよりも、「友達に自慢できるくらいの、そこそこのレベルの技術を身につけたい」というのが目的ですよね。

そして、「そこそこのレベル」に到達するためなら、必要な時間はもっと少なくて済みます。つまり、「プロになるわけでなければ、1万時間もいらないよね」っていうのがポイントなわけです。


で、「じゃあ具体的に、何時間くらいやればスキルって身につくの?」って話ですが、ここで参考になるのが、このグラフ。

これは有名な「学習曲線」と呼ばれるもので、このグラフが表す意味は「練習を重ねるにつれ、時間あたりのスキルの上達スピードは鈍くなる」ということです。少し固い言い方をしたので、分かりやすく言うと、「練習を始めたばかりは悲惨だけど、少しコツを掴むと急スピードで上達し始めて、一定のラインまで到達すると、練習してもあまり成長しなくなるという感じですね。

実際にこれはいろんな研究でも証明されておりまして、要するに、練習を始めたばかりの頃は超速でスキルアップするわけです。


で、ですよ。先ほども申しました通り、僕たちの目的は「そこそこのレベルに到達すること」ですよね。そして、スキルは一定のラインに到達すると成長効率が悪くなることが分かりました。つまり、もっとも効率的にスキルを身につけたい場合、「成長効率が良い期間だけ練習すればよくね?」ということが考えられるわけです。図にすると、こんな感じですね。

要するに、この赤いラインだけ練習すれば効率がいいよね〜っていう話です。

で、著者のジョシュ・カウフマンさんが言うところによると「この超速で成長する期間って、だいたい20時間くらいだよね」とのこと。これが、「たいていのことは20時間で習得できる」の意味です。

ちなみに、「20時間ってどっから出てきた数字なの?」と思って根拠を調べましたが、科学的根拠があるってわけではないみたいです。ただ、僕も実践した感じだと、だいたい20時間っていうのはしっくり来ます。


というわけで、section②のまとめとしては、「ちょっと自慢できるレベルが目的の場合、スキルアップ効率のいい20時間くらいまで練習するのが、もっとも効率的だよね」という感じ。



Section③
20時間でスキルを身につけるための
4つのステップ

ただもちろん、20時間ひたすら練習すれば良いってわけでもなく、超速でスキルを習得するには、正しい練習方法とコツが必要になります。

そして、その正しい練習方法がなにかって話ですが、本書では以下の4つのステップ通りに進めるだけで、20時間以内にスキルが身に付いちゃうとのこと。

で、その4ステップが以下の通り。超カンタンです。


STEP①スキルの分解

まず最初にすることは、「身につけたいスキルをサブスキルに分解すること」。それも、出来る限り細かく分解すること。このSTEPが、スキル習得において最も重要な部分です。


で、なんでこれがそんなに重要なのかって話ですが、それは

「スキル」=「ちっちゃいスキルのかたまり」

だからです。


たとえば、「ギターを弾く」というスキルは、「弦を押さえる手の形」「ピックの動かし方」「フレットの行き来」「リズム感」といった小さいスキルに分解できます。この小さいスキルを「サブスキル」と言います。

そして、これらのサブスキルを一つずつ順番に練習して、無意識に出来るレベルまで持っていきます。すると、あとはそれを同時に行うだけでギターが弾けます。これが、「スキル」=「ちっちゃいスキルのかたまり」の意味です。


つまり、最速でスキルを身につけるためのコツは「スキルを細かく分解して、それを一個一個身につけていくこと」だったわけです。こう考えると、ものすごい楽ですよね。たとえば「ギターを弾けるようになる!」って考えると難しそうですが、「Cコードの押さえ方だけマスターする!」「右手の動かし方だけ絶対に覚える!」って考えると出来そうですよね。

他にも、バスケのドリブルであれば、「体の重心の置き方」「足のステップ」「緩急のある走り」「ボールを触る手の使い方」みたいな感じですね。

「二兎を追う者は一兎をも得ず」ということわざにもあるように、一気に全部やろうとするのではなく、サブスキルを一個ずつ身につけてその結果として大きなスキルにしていく、という感覚を持ちましょう。


というわけで、まず第1STEPとしては、「スキルをサブスキルに分解すること」です。



STEP②サブスキルに関して十分な知識を集める

すでにスキルが爆速で身につく感じが分かってきたと思いますが、続いてのSTEPは「個々のサブスキルに関する情報を集めること」です。これは何かと言いますと、「効率的な練習方法を探すこと」です。


具体的には

・関連する本を何冊か斜め読みして、効率的な練習法を見つける
(ex,プロのあの人は、こうやって練習したらしい)

・練習するのに必ず要るアイテムを手に入れる
(ex,テニスならラケット、ギターならギター本体とピック)

経験者にコツを聞く。
(ex,何から始めるのがオススメ? どこでつまずきやすいか?。など)

・重要なサブスキルと、そうでないサブスキルを分ける
(ex,ギターなら、「CとGは覚えた方がいいけど、Fは今はいいかな」みたいな)


などなど。要するに、「練習の戦略」を立てる感じですね。


ただ、一つ注意がありまして、それは、「集めるのに必死にならないこと」。ありがちなのが、「教材を20冊読んでから始めるぞ!」っていうパターン。もちろん効率の良い方法を探し求めることは大事なのですが、そこに時間を割くべきではありません。完璧な状態からスタートしようと教材ばかりを読むのは、単に先延ばしにすぎませんからね。

大事なのは、実際に練習しながら修正していくことです。自転車に早く乗れるようになるには、まずは乗ってみることです。同じように、ある程度やり方を決めたら、まずは実際に取り掛かってみることが重要です。


というわけで、第2STEPとしては「サブスキルについて調べ、練習の戦略を立てる」というイメージ。



STEP③集中できる環境を作る


3つ目のSTEPは「練習の邪魔になる、物理的、精神的、感情的障害をできる限り取り除くこと」


具体的には

練習するための手間を減らす
(ex,道具はセットで置いておく、やろうと思ったらすぐやれる状態)

気が散る要素を排除する
(ex,テレビを消す、携帯の電源を切る。もしくは機内モードにするなど)

感情的な障害を取り除く
(ex,気になることは紙に書き出す他人の目が気になるならカラオケに行くなど)


などなど。とにかく、練習するときは、練習だけに集中できる環境を作りましょうという話です。「気が散って集中できない!」ってのがストレスになります。


また、環境という意味でいうと、「すぐにフィードバックが返ってくる環境を作る」ということも非常に大事です。というのも、人って「自分が今どれくらい成長したかが目に見えて分かる」と、モチベーションが上がるんですよね。たとえば、スロットってボタンを押したらその瞬間に当たり外れが分かりますよね。あれは「ボタンを押すと即結果がわかる」という、素早いフィードバックが中毒性を生み出しているわけです。

では、これを逆に応用してしまえば良いわけです。つまり、「今自分がうまくできたか?できなかったか?」がすぐにフィードバックとして返ってくる状態を作れば、モチベーションが上がって練習の効率が高まるわけです。

具体的には

・回数やタイムを測定し、記録する
(1セット何秒でできたか?前回より0.1秒でも早かったか?)

練習風景をビデオで撮影し、ちょいちょいチェックする

誰かに練習を見てもらって、5分ごとに点数をつけてもらう

など。要するに、自分の練習の成果が目に見えるようにすることが、モチベーションを保つ上で非常に大事です。


というわけで、STEP3としては「練習の邪魔を排除し、すぐにフィードバックが返ってくる仕組みを準備する」という感じ。


STEP④少なくとも20時間、サブスキルを練習する

ここまできたら、あとは練習するのみです。STEP4は、「とにかく、20時間練習すること」です。さらに正確にいうと、「途中でくじけそうになっても、20時間まではやってみる」ということです。

スキルに挑戦する場合、普通は最初につまづくものですが、多くの人はそこで「ダメだ、なにもできない、センスないのかな、、」と考えて、スキルの習得を諦めます。しかし、練習時間が少し経てば、先ほどの学習曲線の通りに急成長できるわけです。だから大事なのは、「最初に出来ないからって、諦めないこと。少なくとも20時間やればできるようになると信じること」だと、カウフマンさんはおっしゃっています。


そして、あとは練習あるのみなのですが、コツもいくつかありまして、具体的には


いっときに1つのスキルに集中する
(ex,パソコンも覚えてギターも覚えてダンスも覚えて、、のようにしないこと)

あらかじめ練習時間を確保する
(ex,「時間があるとき」ではなく、あらかじめ練習をスケジュールに組み込む。)

『間隔練習』や『交互練習』などを使い、「望ましい困難」を意識する。
(ex,3時間まとめて練習するよりも、30分×6回の方が習得が早い)

「必要十分」ということを覚える。完璧を目指さないこと。
(ex,「100点満点中60点できれば合格」などと決めておく)


という感じ。この通りに練習することで、だいたいのことは10~20時間あれば身につきます。

ちなみに、実際に本書では、ウクレレ、ヨガ、囲碁などを著者が実際に20時間でやってみた体験記が書かれていて、それなりに面白いです。



まとめ

というわけで、『たいていのことは「20時間」で習得できる』の超カンタンまとめでした。

ざっくりと内容をまとめますと、

Section①『1万時間の法則』はウソ

Section②「そこそこのレベル」なら20時間あればじゅうぶん

Section③20時間でスキルを習得する4つのステップ

STEP①サブスキルに分解する

STEP②練習の戦略を立てる
 ・関連する本を何冊か斜め読み
 ・使う道具を集める
 ・経験者にアドバイスを聞く
 ・覚えるサブスキルを絞る

STEP③集中できる環境作り
 ・スマホの電源を切る。
 ・即フィードバックが返ってくる仕組みづくり

STEP④少なくとも20時間練習する
 ・最初につまづいても諦めないこと
 ・1スキルに絞る
 ・練習時間をあらかじめ確保する
 ・望ましい困難を取り入れる


という感じでした。結構長くなりましたが、この通りに練習すればたくさん特技が身につきます。

たとえば、1日45分間の練習だとしても、1ヶ月で1スキル習得できる計算です。つまり、1年で12個もスキルが身に付いちゃうということになります。12個も人に自慢できるスキルがあったら、結構な超人じゃないですか?笑

こう考えると、人生楽しいっすね。やるしかないです。


というわけで、皆さんもぜひ、20時間でスキルが身につく「爆速スキル獲得術」を試してみてください。

今回も最後までお読み頂き、ありがとうございました。


追伸:noteでは、一日1note、皆様の何かお役に立てるような心理学を投稿しております。よろしければ清水陽介をフォローください。

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参考



1記事あたり、ざっくりとリサーチに4時間、構成に30分、執筆に6時間。合計9時間ほど時間を掛けて執筆しております。 『ためになった!』という方は、サポートをいただけると、次のnoteを執筆するモチベーションになります。 気が向いた方だけで構いません。よろしくお願いします。