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「エコ展」に、試作案を出してみた…

私はとあるデザイン協会に属しています。「日本インダストリアルデザイナー協会」(通称JIDA/ジダ)といいます。
国内外で工業(インダストリアル)デザインを主として活動するデザイナーが集う協会です。中でも会内古参の分科会で《環境委員会/通称マルカン》というサスティナブルデザインを研究する勉強会での活動が長く、2015年12月企画展示会で前出の第2次試案を展示しました。

この展示会「NEXT ECO DESIGN展」は、会員デザイナーと工業デザイン系学校の学生が、エコデザインについてワークショップを行い、毎年末に展示会形式で成果を発表するものです。

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個人的にも、エコデザインに関心のある有志デザイナーで自主企画展なども行い、サスティナブルにまつわるデザイン提案を数多く手がけています。ひと頃注目を集めた廃材リユース(所謂アップサイクル)や、リデザインなども手がけました。

樹脂やFPR、廃Tシャツ、廃革、廃金属、工場廃材など様々な素材や廃製品をテーマとして再生提案のデザインをしてきました。いくつもの素材を手がけた結果、環境負荷の一番低い素材は、天然木材という考えに行き着きました。

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なぜなら、樹脂であれば再分解性と焼却法、テキスタイルであれば素材の分別と再加工の効率的な仕組み、金属であれば確立した分別再生のサイクルを損なわないことなど、様々な素材に再利用のハードルがあり、製品化のレベル(所謂、事業化できる調達と商品化のバランス)を鑑みると長期な事業を維持しにくいことが折り合いがつきにくさになっています。

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本案は、工場のエネルギー消費量や、工場から出る廃素材の処分、素材木の育成がCO2の吸収を伴い温室効果ガスの低減に繋がること。木製雑貨の廃棄はデザイン的な工夫をすれば、焼却により処分や焼却熱のエネルギー利用などが見込め、素材産地の上流からユーザー利用後の下流での処分まで、トータルで持続的な製品にすることが期待できます。

昔の里山の生活サイクルは人と自然が効果的にバランスしており、特に江戸時代が高度にサスティナブル社会であることは広く知られています。

そのような経緯から木製品で現代的な道具を開発することにしますが、この年2015年に展示した提案作品は、杉特有の狂いが強く出て、形・機能性や素材の設え方に多くの問題があることを実感します。


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