マガジンのカバー画像

Dr.ムックの2分で学ぶ解剖学

28
運営しているクリエイター

2023年2月の記事一覧

【小殿筋と中殿筋】間に分け入り支配する神経は?

【小殿筋と中殿筋】間に分け入り支配する神経は?

小殿筋と中殿筋の解剖を解説してみます。
小殿筋と中殿筋は、殿部の比較的浅層にある筋です。

大殿筋を取り除くとその下に中殿筋、さらにその下に小殿筋を確認できます。
小殿筋も中殿筋も、形は扇形をしています。
それぞれ起始停止を見ていきましょう。

小殿筋は、腸骨の拡張した部分、腸骨翼の上外側面から起始します。
このように起始した小殿筋の筋線維は下外側方向へ収束し、大転子前外側面の幅広い線状の面に停止

もっとみる
【肺間膜】呼吸運動にはゆとりが必要!?

【肺間膜】呼吸運動にはゆとりが必要!?

肺間膜の解剖について解説します。

肺の縦郭側を向いた内側の面、縦隔面といわれる面を見てみます。

ここに肺門がありますね。
そして、そこから胸膜のヒダが下方にのびています。
これを肺間膜といいます。

解剖学で『間膜』というと、上皮性の漿膜の二重膜のことを指します。
このヒダの部分では、胸膜が二重になっていますよね。
だから『肺間膜』。
このように、肺間膜は胸膜の垂れ下がりです。
例えるなら、着

もっとみる
【固有背筋】これこそ真の(深の)背筋である!

【固有背筋】これこそ真の(深の)背筋である!

固有背筋の解剖について、その概要を解説してみます。

固有背筋は、その名の通り、背中の領域、背部に固有な筋たちです。
どういうことか。

実は、この辺りの背部の浅い層の筋というのは、本来背中の筋ではなくて、腕の筋、上肢の筋なんですね。

で、より深いところ、深部にあるこれらの筋こそが、背部オリジナルの筋、固有背筋なんです。
もともと上肢の筋である、例えば広背筋や菱形筋などが脊髄神経の前枝に支配され

もっとみる
【胃の静脈】Henleの胃結腸静脈幹をご存知?

【胃の静脈】Henleの胃結腸静脈幹をご存知?

胃の静脈の解剖について、解説してみます。

まず大事なポイントの一つは、『胃の静脈はすべて門脈に還流する』ということですね。
胃の”動脈”が、小弯側と大弯側、そして右左で2×2の4本ありますが、”静脈”についても同じです。
小弯側、大弯側、右、左で4本あります。

まずは、右胃静脈から見てみましょう。
右胃静脈はこのように走って門脈に入ります。

今度は、左胃静脈を見てみましょう。
左胃静脈は、腹

もっとみる