見出し画像

知る・学ぶ 「ナチュラルワイン」 Vol.2

今までのナチュラルワインに対する偏見を少しでも正せたら・・の思い出参加しているディオニー(株)主催の『ナチュラルワイン講座』2回目の振り返りです。
ワインの原料が100%ブドウということに焦点をあてると、その育つ環境や育て方がダイレクトに影響する。そんな当たり前のことを座学で動画を交えて学びは進みました。

知る・学ぶ 「ナチュラルワイン」Vol. 1はこちらから


シンプルで素朴だから大切なブドウ畑の環境

日本酒はお米、ビールは大麦を原料とする。どちらも穀物で保存流通ができる。そのため醸造時期を選べるし産地以外でも醸造が可能だ。味の決め手の1つとなる美味しい水が手に入る場所で醸造所をもてば、美味しいお酒やビールを作ることができる。極端な言い方をすれば製造業のような感じだ。
その点、ワインはシンプルだ。原料は基本ブドウのみ。その土地で栽培、収穫は1年に1度だけ。糖度が高く、果汁を多く含むブドウは細菌やカビがつきやすい。収穫したら、できるだけ早く醸造しなければならない。原料を保存することも他地へ移動させることもできないワインは、まさに地産地消の農作物から作るお酒。だからこそ、どういう方法でブドウを育てるかという"農業"の部分によりフォーカスされていく。

「ナチュラル・ワイン」の畑

言葉で”オーガニック”や”有機農法”はよく耳にするが、普段から自然の環境や畑が身近にないと、その仕組みや作業の大変さやこだわりがなかなか実感できない。
講座冒頭で2種類のフランスのブドウ畑の写真を、それぞれ2枚ずつ比較する。一見すると片方はとても"緑"できれいに整地されてとても整った感じ。もう一方は土が未整地で剥き出しの感じで、もう1枚の写真では葉も枯れている。
"緑"できれいに整地されてた方は化学肥料、農薬を使う畑。大型トラクターできれいに整地された土は、微生物が育ちにく、冬でも紅葉しない不自然な姿に。一度科学肥料や農薬などの科学の力を借りると、畑を取り巻く微生物の多様性が失われ、それを維持するために使い続けるしかなくなる。
もう一方はオーガニックの、自然循環に重きを置いている作り手の畑。季節感もあり、枯れるものは枯れる。その落ち葉が枯れ落ちたら微生物の養分となり循環されていく。
ワインの原料がブドウ100%となると、こういった情報を動画を交えて学と・・ワインの重要な要素のブドウの育つ環境がいかに大切かが強く印象づけられた。

ナチュラルワインにも大きく関わっていた人智学者シュタイナー!

ワインの勉強で、シュタイナーさんの名前が出てくるのに驚いた。子育て中、まだ子供たちの頭が柔らかい幼少期の教育に、「シュタイナー教育」や「モンテッソー教育」など聞いた記憶がある。

"個人の能力を最大限に引き出すことで、自分で考え、自由な生き方を選択できる大人になる"・・というような考えだったと記憶している。

そんなシュタイナーさんの考え方が元となり「農業をさまざまな生命体が共生する1つの『有機体・生命体』」と捉えて、例えば肥料を使うのではなく牛糞やカモミール、タンポポなど独自の役割を持つ"長合剤”を用意するなど
もともと備わっている土地の力を引き出し持続可能な農業の方法を模索する。ナチュラル・ワインの人々は、そんな農業を目指していることを知り
目から鱗が落ちた。

少し不便でも、未来のためになるなら、それを受け入れる

昔は、みんなシンプルな有機農法でワインを作っていたのに、科学が発達すると効率優先で生産量を増やして市場流通させていく。
そんなワインビジネスに、アンチとしてもう一度本来の"農業"としてのワイン造りに立ち帰り、有機農法で極力自然の力を使って還元していく仕組みを作っていく。
今回、画像や動画などを通してもナチュラルワインの作り手たちのこだわりや考え方に触れ、私が常々欧州に出張行くたびに強く感じる彼らの、暮らしの根底にある「少し不便でも、未来にのためになるのなら、強いて我慢をする」という考え方につながると、とても共感できた。
彼らは、まるで自分の子供たちのために庭を作っている。そんな感じを受けブドウ造りの現場の苦労や作り手の哲学を知るにあたり、今まで飲んでいた古典派ワインとの明確な違いが理解できてきた。

ブドウを育てる過程で、これだけ手間をかけて環境を育ててブドウを栽培する。そのこだわりと生産量を考えると、単純に 「ナチュラルワインは割高」とはもはや言えまい。
2回目の受講で、かなりナチュラル・ワイン沼にハマりつつある自分に気づくのであった・・・


2回目の試飲は4種。・・ラベルの写真撮るのを忘れてました(汗




この記事が参加している募集

新生活をたのしく

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?