おさないお手伝い

最初のお手伝いは何だった？

思わず聞きたくなる
子連れの親子

幼稚園ぐらいの子供と
ベビーカーに乗った赤ちゃん
両親は何やら荷物を
がさがさと探っている
道端で

黒いベビーカーを押すのは
幼稚園の年長の男の子
ベビーカーにいるのは
妹なのか、弟なのか
ベビーカーを押す男の子は

傍目から見て
ほんとうに初めてのお手伝いみたい

でもそれが初めてではない
証拠に両親は
任せたかのように
バックの中の何かを探っている

だぁれもいないような
一本道で

男の子はベビーカーを押して行く

おさない手が
さらにおさないものに手をかける

ゆっくり、やさしく、ていねいに

任せられた赤ちゃんの面倒を見ている
男の子は

慌てるでもなく
不安げでもなく
ただ当たり前のように

ベビーカーを押していく

「初めてのお手伝いはなんだった？」
そう聞きたい気がして

親子が歩いて行くのを見る