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部屋

真夜中にあの子の
家の前に来て
あの子にだけ気づいて貰えるように
窓ガラスに小石を投げるんだ

割れないほどのやさしさで
カチッ、カチッ、
結局部屋は暗いままカーテンも開かれず

ぼくは
小石を手にいっぱい持つと
人気のない場所で
空に向かって
一気にばらまいた

あの小石は満天の星空に紛れていった

いったい幾つ綺麗な星になったことか