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花のかたまりに

老いた老女を見つめる

きっとかつては美しかったであろう

失われた美
失われた花

しかし咲き誇ることは
やめたとしても

遠慮なく笑う口から溢れるように
輝く銀歯が

乙女だったころは遠慮して
言えなかったことを

はっきりと言える
ことばが

その老女が年を経て勝ち得た
本当の美なのだ

花は
まだまだ咲いているのだ
人生という花のかたまりにいるのだから

四季に終わりがないように

咲く花にも終わりはない