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3℃の水で目覚める命。”つきみいくら”ができるまで#1

「つきみいくらができるまで」シリーズスタート

こんにちは、この記事をお読みいただきありがとうございます。
このシリーズはつきみいくらがいったい、どうやってできているのかを皆さんにお伝えするものです。
つまり、つきみいくらの”向こう側”。ということになります!
ごゆっくりご覧ください~

秋は桜鱒の産卵シーズン

桜鱒は有名な魚ではありませんが、鮭の仲間です。
川で生まれ、海で育ち、再び生まれた川に産卵のために戻ってくる、という生活史があります
そして鮭や桜鱒が産卵する季節は秋で、宮崎の場合は10月ごろ産卵がピーク。
養殖している桜鱒も季節を感じ取り10月に産卵しますが、
確実に次世代につなぐために僕たちは人工授精しています。
メスから卵をとり、オスの精子を人の手で掛け合わせて授精を行い、専用のケースに卵をおさめ、稚魚の誕生を待ちます。

受精卵

極寒の中、目覚める命

すると受精した卵はゆっくりゆっくり成長をはじめ、真冬の水温が低い時期に孵化(ふか)をします。
そのときの水温は1年の中でもとても低く、ときには3℃にもなるまさに極寒の中での生命の誕生です。
生まれた稚魚は自分で一人だちして泳げるようになるまでには、もうしばらくかかります。
冷たい水の中でお腹に抱えた卵嚢(らんのう)と呼ばれる栄養の塊を少しずつ吸収しエサの食べられない時期でもすくすくと育っていきます。

孵化仔魚

冬を超え、元気に泳ぐ

少しずつ水温が上がり魚も活発に泳ぎはじめるといよいよエサを自分で食べられるようになります。
自然では水中の虫など生きたエサを食べますが、養殖では栄養管理されたエサをあげて、元気に育てます。
ただ、まだまだ魚と言えど赤ちゃんの状態なので、消化機能が強くなく1日4-6回ほどにわけて少しずつエサをあげるためとても時間と忍耐がいる作業です。
それでも魚は手を大事に育てるほど、それが成長や丈夫さとなって結果になるためまさに1日1日に積み重ねが大切です。

餌付け

つきみいくらができるまで#2へ続く

今回は授精をして孵化し、赤ちゃんが元気に泳ぐところまでのお話でした。
次回はそのあかちゃんが大きく育っていく様子についてのお話になります。
最後までお読みいただきありがとうございました!

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