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【音食同源】

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つまるところ、音楽を聴くことも食べることも豊かな人生を送る上で同等に必要なものではないのかと。「医食同源」と言いますが、「音食同源」(おんしょくどうげん)なんて言葉もあって良いの…
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2017年11月の記事一覧

【音食同源】  第10回:チーズバーガーとボブ・ウェルチ「Ebony Eyes」

【音食同源】  第10回:チーズバーガーとボブ・ウェルチ「Ebony Eyes」

ある日、とある街の駅ビルにあるハンバーガーショップに友人と2人で行ってみました。そのハンバーグショップはとても洒落ていて、店内の装飾は本場アメリカのレストランのような雰囲気で、まるで外国に来たかのようでした。

そのとき店はそこそこ混雑しており、店員さんも忙しそうだったのですが、僕たちがカウンターに座るとすぐにやってきた女性店員さんがいきなり「おきまりですか?」と聞いてきました。「いや、座ったばか

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【音食同源】  第9回:カツカレーとオリジナル・サウンドトラック『Mo' Money』

【音食同源】  第9回:カツカレーとオリジナル・サウンドトラック『Mo' Money』

毎度古い話になり恐縮ですが、僕は20年ほど前にレコード・CDショップ「レコファン」町田店でバイトしていたことがあります(といっても半年くらい)。JR町田駅を降りた街道沿い、無印良品が1Fにあるビルの4Fにお店があったときのことですので、そのときのお店をご存知の方はあまりいないかもしれません。

そのときはただ音楽が好き、というだけでさほど詳しくもなかったのですが、店に入り毎日のように働いていると否

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【音食同源】  第8回:高級ディナーとRATT「Round And Round」

【音食同源】  第8回:高級ディナーとRATT「Round And Round」

クリスマスが近づいてくると、都内で高級ディナーを食べられる店はどんどん予約で埋まっていくようです。

かくいう僕は某歌姫のディナーショーのチケットを購入したので、否応なく高級ディナーを食べることになると思うのですが、何しろ目的はディナーではなくアーティストですから、食事がどんなものであってもまったく気にしません。何しろ、普段は高級ディナーとは完全に縁のない生活をしています。こうして文章を書いている

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【音食同源】  第7回:天下一品のこってりラーメンとジョニー・ウィンター・アンド『Live』

【音食同源】  第7回:天下一品のこってりラーメンとジョニー・ウィンター・アンド『Live』

天下一品のこってりラーメンを食べると、お腹が満たされた瞬間に「もうしばらく食べなくてもよいかな~」と思います。

食べる前はあんなに、「今すぐ食べたい!なんなら大盛りでライスもつけて半熟たまごトッピングで!」と意気込んで店に行ったにも関わらず。もちろん、いつ食べても美味しいですし、食後の満足感はたまらないものがあるのですが、店を出るときにはしばらく天一とは距離を置こう、と思ってしまいます。

もし

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【音食同源】  第6回:ステーキとレッド・ツェッペリン「The Rover」

【音食同源】  第6回:ステーキとレッド・ツェッペリン「The Rover」

普段、ロックバンドへの取材をしていると、90年代~00年代に活躍したUKロックバンドやオルタナティヴバンドからの影響を語る人たちが多く、60年代、70年代に活躍したロックバンドの話題になることはめったにないのですが、先日、あるロックバンドへのインタビューで、レッド・ツェッペリンの話題が出ました。

そこで、取材を終えて帰宅してから「レッド・ツェッペリンのアルバムでどれが好きか?」と考えつつストリー

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【音食同源】  第5回:ハンバーグとALVVAYS「Archie, Marry Me」

【音食同源】  第5回:ハンバーグとALVVAYS「Archie, Marry Me」

ときどき、夢見るようにごはんを食べている時間ってありますよね。いや、夢とまではいかないまでも、「孤独のグルメ」の名セリフ「モノを食べる時はね、誰にも邪魔されず、自由でなんというか救われてなきゃあダメなんだ。独りで静かで豊かで……」のような時間というのは確実にあります。

以前、雑誌とWEBで立て続けに肉料理を取材したことありました。その際、色んな肉料理がある中で一番印象的だったのが、ハンバーグでし

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【音食同源】 第4回:酸辣湯麺とニーノ・ロータ「ゴッドファーザー愛のテーマ」

【音食同源】 第4回:酸辣湯麺とニーノ・ロータ「ゴッドファーザー愛のテーマ」

昔は苦手だったのに、何かのきっかけで意外と好きになってしまう、さらにその反動でドップリハマってしまうものって結構あります。

9月から10月にかけて、グルメ雑誌の企画で10数軒の中華料理、ラーメン店で麺料理の取材をしたのですが(11月25日発売の雑誌『だいごみ』)、特集が「担々麺と酸辣湯麵」ということで、何軒か酸辣湯麵を食することになりました。

正直、これまでの人生で1度か2度しか食べたことのな

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【音食同源】 第3回:ミックスナッツとミック・ジャガー「Let's Work」

【音食同源】 第3回:ミックスナッツとミック・ジャガー「Let's Work」

週の始まり月曜日、さあ仕事だ仕事、と言ってみたところでこの寒さじゃやる気になりません。とはいえ、僕はフリーランスで出社の必要もないので取材がない限りは部屋でぬくぬくとしながらこうしてパソコンに向かっているわけで、どなた様にというわけでもなくなんだか申し訳ない気分にもなりつつも、地道に仕事しております。

寒い日にこそ身体を動かさなければと思うのですが、せいぜい椅子に腰かけたまま両足を上げて曲げ伸ば

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【音食同源】 第2回:チキンカツとエリック・クラプトン「Wonderful Tonight」

【音食同源】 第2回:チキンカツとエリック・クラプトン「Wonderful Tonight」

どんな人でも、若い頃は何ごとにもガツガツとしているもの。今10代、20代の青春真っ盛りな方にも「あんとき若かったかんな~」と振り返り、懐かしく思えるときが来るでしょう。おっと、いきなりジジイの遺言みたいな書き出しをしてしまいました。

何が言いたいかと申しますと、長年活動しているミュージシャンからは、デビュー当時の若い頃から年齢を重ねベテランの風格を漂わせるようになるまでの変遷を見ることができるも

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【音食同源】 第1回:蕎麦とブルース~オーティス・ラッシュ「All Your Love(I Miss Loving)」

【音食同源】 第1回:蕎麦とブルース~オーティス・ラッシュ「All Your Love(I Miss Loving)」

下北沢に、いつも店内にブルース・ナンバーがかかっている蕎麦屋があります。

「蕎麦切り 正音」というお店なのですが、店構えといい蕎麦屋らしく粋でいなせな店内の様子といい、ブルースを喚起するようなイメージは皆無です。ここは無音、もしくは和風の旋律が流れているか流れていないかわからない程度にごくごくうす~くかかっている程度がデフォルトというもののような気がするのですが、あえてのブルース。とにかくブルー

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【音食同源】はじめました。

【音食同源】はじめました。

はじめまして。

フリーライターの岡本貴之と申します。

普段、音楽関係のインタビュー、ライヴレポート等の取材、レビュー等の記事を書くことが多いのですが2017年春からひょんなきっかけでマイナビニュースの食レポ記事を書くようになりました。(画像は代々木上原「ミ チョリパン」さんのチョリパン)

それからなぜか他からも雑誌などのグルメ取材の依頼を受けるようになりまして、なんだかんだで最近は毎週飲食店

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