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私とわたしのあいだには、光


向き合えない。

向き合ったら最後、私は死にたくなってしまうことがわかっている。

向き合いたくないとか、怖いとかじゃなくて、向き合えない。

向き合ったら私は、誰かの手をちぎることになる。

できない。




楽観的になろう

怖いことを考えると本当になってしまう

怖くないことを考えよう

きっと大丈夫って言えるように

向き合ってもダメじゃないって、自分を認められるように




自分の存在を認められないときってどうしたら良いのだろう

何をしても、そもそもが間違えたあとの道で

でも、これも間違ってはいなくて

私、ちゃんと歩けてる?わからない

生きたいって思ってしまった、生きようと決めた、なのに死にたいと思ってしまう

どっちも抱えていることが許されるのかわからない

二律背反の私を、分けるしかなかった?

全部言い訳みたいに聞こえて、自分の切れ味が落ちていることはわかっていて

どうしたら前を向けるのだろう

許可を出せるのだろう

私たちはお互いを、いちばんしあわせにしたい人をしあわせにできなかった

そのことは罪で、一生苛むしかなくて

それは、ときどき無性につらくて

耐えられなくなってしまいそうで

どうしたら良いのかわからない

わからないことはダメなことじゃない、わかってるから

だけど、自信が無いの

あなたの全くいない方向を見て歩けることが怖くなった

どこを向いていても、心のなかに、最深層にあなたと二人きりの場所があるけれど

私が歩くことは、飛ぶことは、誰かを置いていくことなのじゃない?

誰のことも置いていかないと決めたのに、私は

自分の腕に抱えきれないだけの人に、触れてしまったのじゃない?

やる、と言ったらやるしかないのだ

できない、は無くて

許されなくて 生きていくには私それしかなくて




ずっと泥沼のなかを歩いているような心地になるときがある

違う、見た目は泥沼ではないの

明るくて、綿毛で雲みたいで

でも、足元がおぼつかなくて

いつかすっと抜けて落ちてしまいそう

足に絡まって重たいときもあって

走れない 私の問題だってわかってる

環境のせいじゃない

どんな場所でも、私は私なのだから

輝いていて良いのだから

17歳の私、助けて

あなたはどうしてそんなに強いの

好きな人がいたから?

叶わない恋をしていたからですか

誰のものでもなかったからですか

あなたはあなただけのもので

今も本当は変わっていないって知っている

私だけの場所がどこにもないの

忘れたいの、一瞬でも、すべてを

良いことも、悪いことも、

見えなくして夢中になりたいの

生きていくのが苦し過ぎる

息苦しい

私は私を叩いて強くしたい、強固な鋼になりたい

誰のことも傷つけないけれど、

美しい細工の施された、小刀になりたい

いろんな人の手を渡って世界を見たい

私は原石のまま腐る

磨いて小さくなることが怖いのですか

私が私を抱き締めてあげるしかないんだよね

わかってる わかってるけれど

他の人が私を抱き締めてくれるなら、

自分で抱き締めるのは、過多だわ

そう思ってしまう

他の人が、あんまり私を大事にしてくれるから

私は私自身を大事にするのがもったいなく思えてしまった

そして何が大事なのかわからなくなってしまった

全部どうでも良いなんて嘘だけれど

わからないが口癖になってしまった、って話してた

君も怖かっただろうと思っています

みんな、わからないなかで生きているのだから

わからないことは怖いけれど、

わかることも、あるはずだから

私は、確かな私はまだ残っているのかな

遺書を書いているみたい

に、思えてきてしまった

いつか、またデータが飛ぶみたいにして

私は何も感じずにただ、

河原で石を積むような日々を重ねて

それは鬼が来る前に風が吹いてすべて薙ぎ払われてしまうもので

将来への希望がわからないのです

どうして生きていかねばならないのかがわからないのです

理由が無いのです

私が生きねばならない理由が、私のなかに

自己実現ができません

だから主宰なんてなれない

なる資格が無い




生きていて良いのだと、誰か私に教えてください

生きるのがふさわしいのだとか、

そんなようなこと抜かして見せてください

誰かのためには生きられなかったのです

私を抜きにしては

ひっくり返ってしまって

私はもともと、自分のために誰かが好きだっただけだから

そう、そうじゃんね

自己満足の片想い中毒者ですわ

開き直ってしまえ

何かに恋を、してしまえたら楽なのに

演劇はそれになってくれないものね

というか、もうあの娘以外に恋なんてできないってしたから

わからない、それは17歳の頃の話?

続きを生きて良いのかわからない

長過ぎるよーーー もう4年も経ってる

私は何も変わってない 変われてない

絶望した顔をしてはいけない のがつらい

希望が無いなんて言ってはいけない

でもそれが本当は一度口をついて出てみたいのだと

内側からどんどんと叩いているのがわかる

一度ひょっと出たら、軽くなるとわかっている


一人で絶望に酔いたいだけです

酒など飲まない代わりに

夜に酔いたいだけです

一人で踊ったりなんかして

絶望と夜を酌み交わす それだけで良いのです




結局私は、人から言われたことを鵜呑みにして生きているだけです

それは、間違ったことではない

必要なことだった

あのとき、死を選ばなかったことは、英断と言える

胸を張りなさい

けれど、今、もう一度、

同じことを自分の頭で理解する必要があるのです

他人から言われるのではなくて、

自分で辿り着かなくては真の意味が無い




焦がれていたかった 痛かったけど、それでも

「書くこと」なのでしょうか

もう人には恋すること無いですから

創作に身を焼かれながら生きるしかないのでしょうか

ないのでしょうね

というか、それならまだ希望があるような気がする

狂ったような物書きになって

真の狂人というのはね、

一見普通の人間のように見えるの

私はそれになってしまいたい

怖がらせたくはないけれど

魅せる怪物になりたい

何がいちばん大事なの?と問われて、悩むのは嫌だ

私は何のために生まれてきたの

人は偶然によって生まれ偶然に死ぬけれど

そこに何か意味を見出そうとするのが、愛しさでもあると思います

生きる人の美しさを、知らないわけで無しに

私も、許されることなら必死に生きてみたい

もう一度

傲慢になって、

人を巻き込んで、

自分と周りが納得して黙るくらいのことを為しなさい

もう一度、空を飛んで見せて

あなたには魔法が使えるのでしょう?




息を吹き返すときがもうすぐそこまで来ている

次の風を逃したら、

その次は永遠よりも遠い向こうに

さあ、今だ 風に乗れ 風になれ

お前はお前の人生を生きて良い

お前はお前しかいないのだ

誰とも融合したりしない、

領域を侵されたりしない

ただ、手を繋いでいるだけだ

それは恐ろしいものではなく

お前を助けるものだ

怯えることは無いのだ

大丈夫

大丈夫って言うよ

目を燃やせ

見たこともないほど美しいビー玉になって

それは惑星で 命が燃えているのが見えるから

お前は、生きていて良いのだ 輝いても良いのだ

それは誰かを置いていくことと同義などではないから

信じなければ

お前が思っているほど、周りは弱くないよ

歩け、ペースを上げろ、

駆けて、もっとペースを上げて、飛べ

そうしたら、他のみんなもつられて空を飛ぶよ

一人になんかならないよ、大丈夫

怖くないフリするのもやめなよ

わたしともっと話をしよう

最初は私とわたししかいなかった

私にはわたしがいるから怖くない、

そう思ったはずだ

それを捨てる必要は無いんだよ

誰のことも置いていかないと言いながら、

私、わたしのことを置いていったでしょう

ごめんね 怒ってないよ

それでも、ごめんね

わたしは今どこにいるの?

どこで置いてきちゃった?

迎えに行けないかな

来てくれるの?

うん、行かせてほしい

教えて、わたしはどこにいるのか

ここは、どこなんだろう いつなんだろう

私とわたしはいつまで一緒にいたんだろう?

いつから離れてしまったんだろう

わからない

でも、今は声が聞こえるよ うん

話ができる

これならきっと、また一緒にいられるよ

少しずつ、私はわたしと大丈夫になれると思うよ

…嘘、わかんない、自信は無いけど

でも、そうなれたら良いなって思うんだよ

それが本心だって、目を見ればわかるよ

大丈夫、私はずっと私のまま、変わってないよ

私とわたしのあいだに、

物語は生まれていたのかな

始まりは、ただのなんてことないおしゃべりで

それがだんだんと広がっていって

私の相棒は、

生まれたときからずっと私と共にあったのかな

そうなのかも


ねえ、ごめんなさい

わたしは私を裏切らないって言って、一緒にいたのに

私がわたしを先に裏切ってしまった

良いよ 今はこうして話ができる

きっとすべてが良くなるって、信じるよ

私が信じられなくても、わたしがずっと信じててあげる

ありがとう




あの頃(厳密にはいつかわからないけれど、ある一定のとき)

私は、わたしと手を切って、17歳の私を殺した

でも違ったんだ

死んだように見せただけだったんだ

生きていて、ちゃんと生きていて

お気に入りの服が制服のままでも、成長していて

見守っている

今の私より、ずっといろんなことがわかっている

それはきっと、たくさん考えていたからだ

無謀なところもあったけれど、

いつも必ず良いところに足を着けたね

安心しなよ、私ってそういうセンス良いんだから

実際どうかなんて関係なくてさ、

そもそも誰にもはかりようがないし

だけど、そう思えていた方が、

見える景色は美しいじゃない?

何も、綺麗なものだけが見たいんじゃなくてね

人は愚かだけど、愛して良いの

すべてを抱き締めて生きても、

全然ダメなんかじゃないよ

でもまず、自分のことを抱き締めてあげて

そうじゃなきゃどこにも行けないでしょ

私の心はまだ生きてるんだから

死んでなんか無いよ

もっといろんな世界を見に行こうよ

世界はバカみたいに広くて飽き足らないから

死ぬなら全部見てからにして

もっともっとって欲張りながら

まんざらでもない、って顔して、生きててよ




うん

生きるね




扉が開いて、光が漏れた気がした

重たいけれど、ぐっと力を込めて引いてみる

そこには、まだ見たことも無い素敵な世界が

どこまでも どこまでも

あたたかい風がわぁーっと舞い込んで

私の頬を優しく撫でた気がした




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