記録

また更新を怠っていた。それでも毎日思ったことはメモに残しているので記録と思って残しておく。

４月３０日

４人でポスティングにゆく。ポストの形が立てられた年代や集落によって統一感があって、面白かった。性格ってこういう時出るよな。私は変わってしまってように思う。

北町で大音量で童謡と鐘をならす田仲さんに遭遇する。駅の近くの我々と、こうして移動販売でしか田仲さんを見ることのない北の人々の間では、とうふ屋さんの受け取られ方はもしかすると違っているのではないかと思った。

５月１日

久しぶりに早起きする。早く起きるとなんかどうしたらいいかわからなくなる。時間を持て余してしまう。

お昼に、せいぞうさんが見逃したからといって、朝ドラのエールを観る。いちおしの森七菜ちゃんが出ていて、森さん演じる梅が、海に向かって、絶対、かならず、作家になります！と叫ぶシーンがあった。私はあの状況になった時、私の夢を、叫ぶことができるだろうか？きっと叫べないけれど、叫べる私でありたいし、叫べる私でいなければいけない。ぐすぐすとした気持ちで家を出てビスケットを買いに行く。イヤホンからきこえるエンドレス・サマーに、涙が出る。私も、行動しなければ。

後日わかった話だけれど、このシーンが森さんのクランクインのシーンだったようである。

家賃を払いにいくと、アリさんに順調ですか？ときかれる。えなにがですか、人生、あぁ笑いやぁぇ順調じゃないかもあはは、とこたえる。順調にみえてなかったですか、とか、順調ですよ、とか、なんて言えばよかったんやろうか、彼と喋っているといつも試されているようで。そしてなんでこんなタイミングできかはるのだろうか、あの人やっぱりすごいんだよな、ほんとに。

５月２日

持て余してしまっている。若さも、時間も、

５月３日

いつだったかのテレビで、大河ドラマの指導をしている古典芸能をしている人(お名前も芸能の種類も全部忘れてしまったけど)の特集をみて、その人がドラマは古典よりも劣っているとは思いませんか？みたいな質問をされていた。その人は、とんでもない、同じです、同じ。窓の向こうで必死に葉を揺らしている人がいる。それによって何かが変わる、空気が伝わると信じてやっている。魂こめて木に風を吹かせている。同じですよ。うろ覚えだが、そういうようなニュアンスのことを答えていて、もちろんはいそう思いますなんて答えられる訳がないとは思うけれど、ドラマの中で窓の外の木々に注目したことがなかった私は、ひどく驚いたし、なんだかその言葉をきいて涙が出た。そういうこだわりというか、細部というか、魂のこもっているところに気がつける人になりたいし、自分もくまなく気を晴れるような人になりたいし、そうやって気を揺らすようなことをしていたい。

庭の手伝いをしていると、裏の家が建て替えられる？というような話をぽろっと耳にしました。私みたいなガキが首を突っ込む話でもどうのこうのいう話でもないから誰にも言えなかったんやけど、なくなっていくものと、たとえ形を変えてもずっとそこにあるものと、世界が二分されるなら、私は後者の側にいたいと思った。

スーパーを出る。向かいのガソリンスタンドのガソリンが115/Lだった。

緊急事態宣言が延長になると正式に発表になる。わかっていたけれど。今月の7日と8日も、あえないのか、

テレビの中の安室奈美恵が　夢は叶います　と、言っていた。涙が、出る。

５月４日

いろんな文章で触れてきたことでもあったし、自分がそう感じてきたことでもあるのだけれど、非日常を味わいたいという気持ちの高まりが、これまで確実にあったと思うのだが、今こうして起こってしまうと、やはり災害などない方が良いのだということを実感する。漫画やドラマの世界の中にいるような、そんな気持ちは、いつか味わってみたいと思っていたけれど、やっぱりなんでもない日常が幸せだったのだと気が付く。そんないい機会だったのかもしれない。