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【Tableau】2023.3リリース!新機能紹介

こんにちは!noteをお読みいただきありがとうございます。
SMKT事業部の山口です。
 
今回は2023年10月24日にリリースされたTableau 2023.3の主な新機能についてご紹介いたします!
 
以下のような方に、特におすすめしたい記事となっています。
・Tableauユーザーで、Tableauの新機能について知りたい方
・これからTableauを導入・利用しようと考えている方
・ 他のBIツールを使用しており、Tableauとの機能比較を行いたい方

Tableau公式の新機能紹介ページではイマイチ内容が理解できなかったり、
具体的な手順がないため実際の活用イメージが湧かない人も多いのではないかと思います。
そのような方に対して、かゆい所に手が届く記事になれば幸いです!


1.2023.3の主な新機能:Tableau Desktop

1-1. 動的な軸範囲

パラメーターの値を使用して軸の範囲を設定することで、より動的な可視化を作成できるようになりました。

例えば下図のように、
1)左側の散布図で任意の項目を選択する
2)選択項目のうち利益の最大値(今回の例では2,230,920円)がパラメータに反映される
3)右側の棒グラフの、軸の最大値が動的に変更される
といった仕掛けを作ることができます。

なお、パラメータアクションの設定は下図のように、[ソースフィールド]を合計(利益)、[集計]を最大値にするのがポイントです!

軸の範囲はデフォルトの「自動」も十分優れた機能ですが、より自由に軸を動かしたいという方はぜひ試してみてください!
 
Tableau公式ヘルプ:Use Dynamic Axis Ranges
Tableau公式:動的な軸範囲


1-2. スタートページのアクセラレーター表示の改善

Desktopのスタート画面での表示が改善され、さまざまなアクセラレーターがローテーションで表示されるようになりました。

アクセラレーターとは
Tableauアクセラレーターとは、「ダッシュボードテンプレート」のことです。
ご自身の保有データと組み合わせてカスタマイズすることで、より簡単にダッシュボードの構築を行うことができます。

なお、左下の「さらに表示」をクリックすると、カテゴリ(業界)ごとのアクセラレーターを確認することができます。

Tableau公式:Tableauアクセラレーター


2.2023.3の主な新機能:Tableau Prep

2-1. 階層サンプリング

入力のサンプリング方法に「階層」が新たに追加されました。
これにより、サンプリング使用時にデータが欠落してしまう可能性のある「出現頻度の低いカテゴリー」からもレコードを取得できるようになります。

「製品Aのサンプル数(レコード数)が少なくてサンプリングが取れないから、どう処理すれば良いかわからない…。」といった悩みが解消される、非常に便利な機能です!
 
Tableau公式:Prep の階層サンプリング


2-2. 下を埋める機能と累積計算

複数行の計算機能に、「下を埋める」「計算の実行(累積計算)」が追加されました。
また、この機能追加によって、Prepで使用可能な関数に
・RUNNING_SUM()
・RUNNING_AVG()
・LAST_VALUE()
の3つが新たに追加されました。
 
例えば、下図のようなセル結合されたデータがあるとします。

このデータをそのままPrepに接続すると、[カテゴリ]のプロファイルペインでは下図のようにnullが発生してしまいます。

そこで、計算フィールドの作成>下を埋める を使用すると、下図のようにnullだった部分が正しいカテゴリ名に変更されます。

【注意点】「下を埋める」際、行番号に沿って計算をしているため、[Source Row Number]は削除せず保持しておく必要があります。
 
Tableauにデータを接続する際、基本的には第1正規形(1つのセルに1つの値しか含まれない)が望ましいです。
ただ、Excelでよく見られるようなセル結合されたデータに対しても、ある程度はPrepでクリーニングできるようになり、使い勝手が良くなりましたね!
 
Tableau公式:下を埋める機能と累積計算


2-3. csv/テキストファイルのヘッダーとデータ開始行の設定

CSV/テキストファイルのヘッダー(フィールド名)が1行目にない場合に、ファイルのスキーマを簡単に指定できるようになりました。
これにより、今までPrep接続前に手動で不要レコードを削除していた工程が不要になり、Prep側で処理を行えるようになります。
 
例えば下図のようなcsvの場合、1行目ではなく3行目をフィールド名にする必要があります。

この場合、Prep接続後の設定画面で「ヘッダーを設定」内のヘッダー行を3とすることで、3行目をヘッダー(フィールド名)にすることができます。

フィールド名が1行目にないことが多い官公庁のデータなども簡単にデータ処理を開始することができるようになりそうですね!
 
Tableau公式:CSV/テキストファイルのヘッダーとデータ開始行の設定
 

以上がPrepでの主な新機能となります。
なお余談ですが、Prepを起動した際、今までは青色のシンプルな画面が表示されていましたが、2023.3ではオシャレな画像(下図)に変わりました!

Desktopでは2023.2から変わっていましたが、今回のリリースでPrepの方もオシャレになりました!笑


3.2023.3の主な新機能:Tableau Cloud/Server

3-1. ログインフローの強化

ユーザーのCookieが残っている場合、ログイン画面にメールアドレスが自動的に表示されるようになりました。
これにより、以前よりも少ない手順でサイトのリストが表示されるようになります。

今まではメールアドレスを都度手入力してからでないとCloudのサイト名を選択できなかったので、自動的にメールアドレスが表示されるのはありがたいですね!
 
Tableau公式:ログインフローの強化
 

3-2. 自動保存機能の強化

ワークブックの自動保存機能が、既存のワークブックだけでなく、新しく作成された未保存の(=パブリッシュされていない)ワークブックについても適用されました。

これにより、一度もパブリッシュしていないワークブックを、保存する前にブラウザタブを消してしまった時も、下書き保存されているようになります。
 なお、未保存のワークブックについては、ホーム画面の左タブにある「パーソナルスペース」に一時保存されます。

数年前までは自動保存機能自体がなく、ブラウザのタブを誤って消してしまうと一から作り直しする羽目になっていたので(涙)、Cloudがどんどん進化・改良してきていますね!
 
Tableau公式ヘルプ:Automatically Suspend Extract Refreshes for Inactive Workbooks and Data Sources
Tableau公式:自動保存機能の強化
 

3-3. Web作成時の表のフォント

Cloud/Serverでのワークブック編集時に、ワークシートのツールヒント、合計、総計のフォントを設定できるようになりました。

今まで以上にCloud/Server上で書式設定機能を活用できるようになり、Desktop、すなわちCreatorライセンスユーザーへの依存度を下げることができるようになります!
 
Tableau公式:Web 作成時の表のフォント


まとめ

以上、Tableau2023.3の主な新機能について解説してきました。
既存の機能と組み合わせることで、より価値のあるダッシュボードを作成できそうですね!
 
個人的には、「Prepの階層サンプリング」の機能追加が一番嬉しかったです!
サンプリングによって出現頻度の低いカテゴリが全レコード落ちてしまい、
結合時や計算フィールドの作成時に困ることがあったので、今後はこの辺りのPrep処理が楽になりそうです。
 
Tableauはアップデート頻度がとても高い(年3回)ので、これからもまだまだ新たな機能が追加されていきます。
使う側の知識のアップデートも積極的に行い、Tableauに置いてぼりされないようにしましょう!
 
以上、ご参考になれば幸いです。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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