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執筆初心者は学園ものから書くべき3つの理由

今回はこちらの動画のテキスト版です

こんにちは、執筆歴16年の染島です。

前回は初心者に難しいジャンルということで、異世界ファンタジーの話をしました。今回は逆に初心者にも扱いやすいジャンル、学園モノについて取り上げようと思います。

まず学園モノの定義ですが、原則としては学校を舞台にした作品を指します。初心者なら、まずはこの学園モノから書いてみるのがオススメですよ。それは何故か、というわけで今回のポイント3つです。

①世界設定が簡単かつ幅広い
②作者も読者もイメージしやすい
③短編でも書ける

以上の3つのポイントに分けて解説していきます。

①世界設定が簡単かつ幅広い

学園モノは学校を舞台にしているということで、どうしても世界の範囲は学校内に限られます。仮に学校外に出たとしても、周辺地域やよく行くお店などの程度に限られるので、異世界ファンタジーでは必須だった国家レベルでの世界設定は全て不要になります。

しかし、狭い舞台の割に書けるジャンルが多いのが学園モノの特長です。その理由の1つに「他のジャンルと合わせやすい」という利点があります。

例えば「学園ラブコメ」はライトノベルの王道ですし、他には「古典部シリーズ」のような「学園ミステリー」や「学校の怪談シリーズ」に代表させる「学園ホラー」など、学園モノと他ジャンルを合わせた有名作品が多数あります。

また、学園モノには他のジャンルでは使えない「部活」というチート設定があります。これを使えば、野球の話から演劇の話まで同じ学校を舞台にして描けてしまうという超便利設定なわけです。さらに、学園モノと馴染みの薄いジャンルでも「部活」とすることで無理矢理学園モノにねじ込むことが可能です。

例えば最近実写化で話題になった「ゆるキャン△」は「高校生×キャンプ」という珍しく、かつ合わせにくい組み合わせでしたが、それも「野外活動サークル」という部活を話の中心に据えることで、違和感のないストーリーラインを作ることに成功しています。

このように、部活という設定を有効活用すれば、学校という枠の中で何でもできてしまうのです。部活設定万能すぎますね。

②作者も読者もイメージしやすい

突然ですが、質問です。

「中学校、あるいは高校の教室を想像してください」

こう聞かれたら、どんなイメージが浮かびますか?

おそらくこんな情景ではないでしょうか?

・同じ方向、等間隔に並ぶ机と椅子
・正面に大きな黒板と教壇
・校庭が見える窓 など

ここで挙げたのは一例ですが、大多数の人が同じような想像ができたと思います。

では、なぜ同じ想像ができるのか。それは、大多数の人が同じ環境を経験しているからです。つまりその環境というのは、一から事細かに伝えようとしなくても共有できる部分です。そういった場面の描写は、小説では難易度がぐっと下がりますし、読者も作者も描写を少なくできる分省エネできます。誰も見たことがない異世界を描くのとはちょうど正反対の現象なわけです。

つまり、学園モノはシンプルに読者と作者の両方にとって優しい(=わかりやすい)と言えます。それは読者を物語の中に引き込みやすい、と言い換えることもできます。そうすると結末まで読んでくれる人の割合は増えるし、比例して感想やレビューを書いてくれる人も増える。それを見た人がまた新しい読者になり……という好循環を生み出しやすいということになります。

さらに言うと、現在進行形で学生をやっている人は学園モノを書く上ではこの上ないチャンスです。というのも、自分の今の生活をそのまま参考にして小説を書けるわけですから。

当然、卒業してしまったら同じ学生生活を体験することはできません。だから学園モノを書く場合、学生という肩書だけで1つのアドバンテージになります。その利点をぜひ活かしましょう。

③短編でも書ける

やはり、初心者がいきなり長編を書くのはなかなかハードルが高いと思います。そうすると必然的にじゃあ短編から始めてみましょう、という話になるわけですが、短編が描きやすいのも学園モノの特長です。

なぜなら、2番目のポイントで話した通り作者と読者の間で世界観を共有できる部分が多いため、世界観の説明を大幅にカットできるからです。いきなり物語の本筋に入ることも可能なので、少ない文章量でストーリーを組み立てられます。

また、短編となると大きな事件を起こして物語を展開することが難しくなるので、必然的に物語は日常の小さな事件にフォーカスされるようになります。いわゆる日常系と呼ばれるジャンルです。

そして、学園モノは他のジャンルと合わせやすいという話をしましたが、特にこの日常系とは相性がいいです。加えて日常系自体が初心者でも描きやすいジャンルなので、最初は「学園モノ×日常系」の短編を作れば執筆を手軽に楽しめると思います。

そこからさらに、学園モノで他のジャンルとの掛け合わせに挑戦していけば、初心者のレベルアップにぴったりです。着実に経験値を積み上げていきましょう。

まとめ

以上、初心者に学園モノがオススメな理由3つでした。

前回の異世界ファンタジーについては「軽い気持ちで書いたら挫折する」という話をしましたが、学園モノについては逆で、「試しに小説書いてみようかな」という人にむしろちょうどいいジャンルと言えます。

学園モノからなら気軽に始められるので、小説執筆に興味があっても何から挑戦すればいいか悩んでいた方は、是非学園モノからチャレンジしてみてください。

書きたいジャンルがある人も、学園モノとの組み合わせで、自分の好きなジャンルを取り入れてみるのがやりやすいと思います。

学園モノ、是非お試しください!

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