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「泣きたいわたしは猫をかぶる」とADHD

2020年6月18日に「泣きたいわたしは猫をかぶる」はNetflixにて配信がスタートした。劇場公開予定の映画だったが、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染拡大の為Netflix限定公開という形で公開され、公開から1週間が経過した今もランキング上位に位置し人気を博している。

ちょっと変わっていて空気が読めず、周りに溶け込めない中学生の女の子のムゲが白い猫に変身し、好意を寄せているクラスメイトの日之出に近づいていく不器用な恋愛模様を描いた青春ファンタジー。映画のボリュームやテンポ感、甘酸っぱい恋愛模様が絶妙でとても面白い。ただ、この手のアニメ映画はやり尽くされているのに「なきねこ」はどこか新しさを感じる。


主人公がADHD

男女平等や女性が活躍できる時代の今、強く逞しい女性を描く映画が増えたように感じる。例えば昨年公開されたディズニー映画『アラジン』は1992年に公開された原作アニメーション映画と違い、ジャスミン女王が女性本来の強さと賢さを表しているシーンがとても多かった。約30年も時が経つとこんなに違う見え方をするのかと驚かされた。

「なきねこ」の主人公の女子中学生ムゲはどうか。ムゲも気が強いのだがジャスミン女王とは根本的に違う。明らかにムゲはADHDだ。


なぜ今ADHDなのか


昨今、注意力に問題が生じる・落ち着きがないなどの特徴がある「注意欠如・多動症(ADHD)」は、成人の3~4%が持っていると言われており、診断を受ける大人が増えている。一昔前まではADHDという言葉を聞くことは全くと言っていいほどなかった。昔もある一定数いたであろう大人の発達障害「ADHD」だが近年のSNSの流行により、個人の発信力や露出が多くなって言葉が一人歩きしてしまって広まった気はする。

クラスに数人いる名前のついてなかったちょっと変わってる子。そんな誰にでも共感できるありそうでなかった主人公がムゲなのだ。


こんな時代だからこそ


コロナウイルスの感染拡大防止による劇場公演中止に伴いNetflixでの限定配信、ADHD気味の中学生の不器用な恋愛模様。まさに令和の今、時代背景を投影していてとても面白い作品だと思う。少しでも興味を持っていただけたそこのあなた。一度鑑賞してみてはいかが?





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