見出し画像

【唯川恵さん】たまたま目にした作品の、最後に勝手に腹を立てた話【雑誌掲載小説】

 むかーしむかし。むかし・・・。言い方がちょっとアレですが。

 自分がそこそこ若い頃。今より自由を謳歌(笑)していた頃。まだまだ未熟な私。その私の母親が他界して辛かった。本当に辛かったけど、仕事に必死で日々それで精一杯でした。いろんな事への後悔や後ろめたさ、そんなものが頭を過ぎってはまた現れ、消そうとしてもがいていました。

 買い物をして発散しようとしたり、ジムへ行ったり走ったり。飲みに行ったり。楽しもう、楽しいことを見つけようと一生懸命でした。

 そんな時、行きつけの美容院でたまたま手にした雑誌。よく読んでいた、ファッション誌というより、読み物の多めの雑誌でした。読者の投稿やオススメのもの。文章で情報を得るのも新鮮で引き込まれました。※思えば、ちょっと噂話、ゴシップ、秘密の話に興味があったのかも?

 そこに小説が連載されていたんです(※小説名、作家さんを記すといろいろわかっちゃうけど・・・いいか?)。その頃は、小説をほとんど読んでいなかったけど、その雑誌に掲載されていたのは短め(2、3ページ程度)だったので、興味本位でちょっと読んでみました。で、ハマりました・・・。

 ※話の流れ上作品名を出して内容に触れます。ネタバレもしてしまいますのでご注意ください。

 その数ページを毎月(だったかな?)読みたいがために、雑誌を購入し始めました。まぁ、他にも面白かったのでそれはそれで満足でした。いい雑誌だったと思います。

 ※記憶がうっす~いので、ちょっと調べながら書いてます。

 玻璃でもなく、瑠璃でもなく 唯川恵(MORE掲載)

 だったと思います(※一応調べました)

 これを、最初から読めたと思います。最初の方の描写もそこそこ覚えていました。

 ざっくり言うと(概要より)

・美月・・・26歳・未婚・OL・既婚者の会社の男性と不倫中
・英利子・・・34歳・既婚・以前は働いていたが専業主婦・子供なし
・英利子の夫・・・美月と不倫中
・男・・・何かで美月と出会ってイイカンジになるが・・・

 ※夫にも男にも名前がありましたが、まぁ思い出さなくてもいいか?と(笑)、途中調べるのをやめました。

 当時読んでいて、めちゃめちゃ美月にムカついた記憶があります(笑)。それは、まぁ世間で言う【人の道に外れたことをしているから】っていうのではなく。あ、多少そういう気持ちもありましたが。それは大きな理由ではない。※あくまでも【フィクション】だからって目では見ていた。

 なんでしょうか?【羨望】かな?小説で挿絵とかもなかったと思います。抽象的な絵というか、色を使ったような。登場人物の姿かたちを想像させるようなものはなかったと思います。※イラストレーターの方が誌面で【イメージイラスト】みたいなものがあったかな?

 美月は読んでいた頃の私と歳は同じくらいです。仕事も(多分)うまくいっていて、不倫ではあるが恋愛を謳歌している。そして、露骨にアピールせずとも英利子の夫をしっかり繋ぎ留め、更には出会った男をも惹きつけた。きっと一見は【フワフワとした華奢な感じの小柄な女性。だけど芯が強く(※イヤミで言ってますw)欲しいものは手に入れる。

 それって、ど真ん中に【自分に自信がある人】そのものに見えました。【私はかわいい】【私は愛されている】そう思える人は強いし凄い。

 一方英利子は、バリバリのキャリアウーマンからの専業主婦。仕事では自信に満ち溢れていたんだろうけど、そのフィールドでは戦えなくなってしまった。今ある世界で頼りになるのは夫。でもその夫は別の方向を見ている。夫の意向もあって(確か)キャリアを捨てて専業主婦になったのに、いつしか自分への興味をなくされてしまった。

 きっと、自信がもてることなんて何もなくなってしまったと思う。子供・・・それすら叶わない。夫は自分を見てくれない、そんなことを知らない夫の親は【まだか】とプレッシャー。これは、仕事ができても頭が良くても、そして美しくても一人ではどうにもできない。自信を失くすには十分な理由になったと思う。

 それでもなんとか保とうと必死に模索する英利子。ふとしたことから出会う男。実はこの男は美月とイイカンジになった男である。

 私はいつしか【英利子頑張って!幸せになって!】という気持ちで読んでいました・・・。共通するとこ一切ないのによ(笑)。

 思う英利子は、イメージするところ女優の天海祐希さん。そういった目で想像してしまってました。美月は、散々悪口言ってるので例えるのは控えます(笑)。

 で、その男と英利子。英利子はちょっと動くんですよね、気持ち。だいぶかな?男次第で進展したと思います。ですが残念ながら男はそういう気持ちにならなかったんですよね・・・。このエピがあって更に【美月ムカつく】って気持ちが大きくなりました(笑)。その男、美月には食いついて(笑)英利子には動かなかった。なんでも手に入れるのね、と。ってか、結局【年齢(=若さ)かよ、その男も夫も、と。

 モヤモヤした気持ち、ハラハラした気持ち。いろんな気持ちが入り混じりつつも発売日を楽しみにしていました。

 で、結局ですよ。
 英利子と夫は離婚します。男とも何もなく、独りになります。美月は英利子の夫とまさかの再婚。そして2人の子供を授かります(数年後、というお話で最終回となりました)。

 美月にも相当腹が立ちましたが、最悪なのって夫だなと。そして男にも腹が立ちました。まぁ男の場合は、そのキャラというよりも【美月のモテモテ描写のためにだけ出てきたんじゃないの?】って気持ちで腹が立った(笑)。

 雑誌掲載ではありましたが小説として1冊で発売されたようです。驚いたのがそのレビュー。もうほとんど肯定的なレビューなんです。私は作者の作品を読んだことがなく、もしかしたら手がけられたドラマは見たことあるかな?と調べました。題名は聞いたことあるけど見たことなかった・・・。すみません。

 この作品だけでってことでご了承頂きたいですが、レビューでよく見かけたのが【唯川恵さんらしい】【さすが唯川恵さん】的なコメントでした。

 らしいのか、そうか・・・。私の中で【良くないこと】だと思っているから、主人公的な位置づけと思っている美月と言えども【罰がくだるべき】という気持ちになるのかも。そして、それに対して英利子が【かわいそう】と。

 よくあるオチだとそりゃ面白くない。こういうカタチのラストでも・・・。それでもやっぱり、読み終えたあとの嫌な気持ちはよく覚えてて、ちょっとダメでした。

 雑誌で読んだからでしょうかね。これ、1冊で一気に(自分のペースで)読んだら少し気持ちは違ったかも。まぁ【美月ムカつく】は変わらんかったと思うけど(笑)。

 なんて言うか、ドラマのようっていうのかな?漫画でもそう。連載もの。すごくすごく引き込まれて、でも自分の望むオチではなかった時。それまでの時間(日数)を思っちゃう・・・あぁセコイ(笑)。 
 でも、よーく考えたら【ハマりました】と自分で書いてます。ですから、文句を言いつつも作者を評価してるんだとも気づきました。

 バッドエンドというのは違うでしょうけど、自分の納得できないのがそれならば、やはり私は【スッキリして終わって欲しい】と望んでいるんでしょう。

 あ、そのワードで閃いた(笑)。書きたいことが見つかっちゃいました・・・。それはまた別の機会で。


 

よろしければサポートいただけるとありがたいです。いただいたサポートにつきましては、保護→家族の一員となった猫ちゃんのために大切に使わせていただきます。