デザイナー目線で見る決算説明資料 #12 （コカ･コーラ/楽天/サイバー・バズ 他）

より良い投資家コミュニケーションの設計を目指す「IRデザイナー」が、ビジュアル・ワーディング・内容、3つの観点で気になった決算説明資料を毎週紹介していきます！
今回は、2020年8月10日〜8月14日に開示された決算説明資料を紹介します！

ＰＣＩホールディングス株式会社（証券コード：3918）

PCIホールディングスの決算説明資料には、一番上に証券コードの語呂合わせが書かれていました。証券コードは企業が選べるものではないので運次第にはなると思うのですが、このように語呂合わせで覚えやすい証券コードだとラッキーだなと思いました。
語呂合わせのできる番号の企業の方は、覚えてもらえるようにこんな風に記載してみるのもいいのかなと思いました！

https://ssl4.eir-parts.net/doc/3918/ir_material_for_fiscal_ym9/84892/00.pdf

DIC株式会社（証券コード：4631）

DICの決算説明資料の滝チャートは、滝チャートの長方形自体が矢印型になっていて、増加なのか減少なのかがひと目で分かるようになっていました。
一方で、グラフ自体の一番下/一番上の値の視認性が少し下がる可能性もあるので、こちらの表現を応用してみるのも良さそう、と思いました！

https://pdf.irpocket.com/C4631/djAz/TMGV/x0Z8.pdf

コカ･コーラ ボトラーズジャパンホールディングス株式会社（証券コード： 2579）

コーラのパッケージを想起させるコカ・コーラ ボトラーズジャパンホールディングスの決算説明資料には、新型コロナウイルス感染症によるマクロ経済と業界への影響がまとめられていました。このように、自社のことだけでなく、取り巻く環境についてもわかりやすくまとめられていると、より決算への理解が深まると思いました！

https://www.ccbj-holdings.com/pdf/irinfo/98_1.pdf

楽天株式会社（証券コード：4755）

楽天の決算説明資料には、新型コロナウイルス感染症の影響として、国内ECが好調だったことが記載されていたのですが、その方法が目を引きました。
1ページに大きく前年同期比の数字をバーンと掲載。これは決算の結果が良かったときしかできない手法ではあると思いますが、非常に目を引く良い表現だなと思いました！

https://corp.rakuten.co.jp/investors/assets/doc/documents/20Q2PPT_J.pdf

株式会社サイバー・バズ（証券コード：7069）

サイバー・バズの決算説明資料は、ドーナツグラフの内訳表記方法（6ページ右側）が工夫されているなと思いました。
ドーナツグラフの内訳表記でよくあるのが、項目ごとに色を変えて、色ごとに内訳を書く手法ですが、その手法だと利用する色が多くなり、資料のまとまりをつけるのが難しくなります。
その点、上記のように、内訳の説明に小さなドーナツグラフを用意して位置で説明してあげる手法だと、多くの色を使わず、最低1色で表現することができます。
色が異なるほうがもちろん視認性は高いとは思うので、うまくバランスを取って利用したい手法だなと思いました！

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7069/tdnet/1874224/00.pdf

株式会社エードット（証券コード：7063）

鮮やかな赤が目を引くエードットの資料です。
資料下部の赤ラインとロゴが赤でのまとまり感を出しています。小さなロゴがかわいい！左の方にちょっとだけある切れ目は何を表現しているのでしょうか。気になります！

グラフの上に吹き出しで、なぜこのような動きになったのかを記載しており、推移とその理由が一気に理解できるつくりになっていて良いなと思いました。理由はついついリード文としてページ上部などの少し離れた場所に記載しがちですが、このようにグラフを少し小さめにし、理由を近くに書いてあげるのはとても親切ですね！

https://ssl4.eir-parts.net/doc/7063/tdnet/1876125/00.pdf

今週の紹介は以上です！
なぜか今回は赤い資料が多めになりました！笑🍎