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デザイナー目線で見る決算説明資料 #5 2020年6月22日〜6月26日

より良い投資家コミュニケーションの設計を目指す「IRデザイナー」が、ビジュアル・ワーディング・内容、3つの観点で気になった決算説明資料を毎週紹介していきます!
今回は、2020年6月22日〜6月26日に開示された決算説明資料を紹介します!

株式会社幸楽苑ホールディングス (証券コード:7554)

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ラーメンでおなじみ、幸楽苑ホールディングスの資料です。

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決算の結果については上記画像のように表を使っての表現のみでした。
数字の羅列を見るのがニガテな私のような人向けに、グラフィカルに理解できるグラフもあるとより嬉しかったです。

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売上高の減少要因として、台風19号の水害と新型コロナウイルスの記載がありました。最近のコロナウイルスの話題ですっかり記憶から遠のいてしまっていましたが、台風の被害も甚大だったことを思い出しました

資料全体を通して、見出しと本文の文字の大きさとウェイト(太さ)がほぼ一緒のため、見出しに目が行きにくくなっていました。
見出しと本文の文字の大きさとウェイトを変えてメリハリを出すと、より読みやすいデザインになります
このような見出しと本文の文字の比率を「ジャンプ率」といいます。ジャンプ率の調整、読みやすい資料にするためには必須です

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200622449041.pdf


株式会社エイチ・アイ・エス (証券コード:9603)

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旅行でおなじみ、エイチ・アイ・エスの決算説明資料です。

全体のフォントにUDデジタル教科書体を利用されていました。
UDデジタル教科書体は、弱視の高校生や成人、教員等に実験や調査を実施したところ、他社の教科書体より読みやすいというアンケート結果の出たフォントのようです。

しかし、ビジネス資料ではあまり見かけないフォントであること、やや毛筆風で特徴の出るフォントであることから、私としてはやや読みづらさを感じました
UDデジタル教科書体の持つやさしい印象が、エイチ・アイ・エスのロゴの与えるソリッドな印象と異なるのも理由に挙げられそうです。

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決算の結果ですが、旅行業事業がやはり深刻なダメージを受けているようです。2017年から右肩上がりで成長してきた売上高と営業損益のグラフを見ると、今期は売上高が昨年比88%、営業損益がマイナス16億円に大きく落ち込んでいることがよく分かります。

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今後はコスト構造も見直していくようで、コスト構造の新旧をグラフで示していました。各コストをどれだけカットしていくかがビジュアルですぐ理解できました

一方、「その他が75%に圧縮されているけど、その他って何が入るんだろう?」「人件費はどうやって削減していくのだろう?」等気になったので、各コストについてどのような手法で削減していくのかの具体例の記載もあわせて見れると親切なのかな、と思いました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200624450845.pdf


今週の紹介は以上です!
全体的に厳しい決算の紹介となりました。大変な時期だと思いますが、外食に行きたい人、旅行に行きたい人たちの思いは高まっているはず。自由に食事や旅に行ける時が早く戻ってくることを祈っています!🙏


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