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デザイナー目線で見る決算説明資料 #10 2020年7月27日〜7月31日

より良い投資家コミュニケーションの設計を目指す「IRデザイナー」が、ビジュアル・ワーディング・内容、3つの観点で気になった決算説明資料を毎週紹介していきます!
今回は、2020年7月27日〜7月31日に開示された決算説明資料を紹介します!

株式会社インソース(証券コード:6200)

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人材育成や社員研修を行うインソースの決算説明資料です。

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コロナの影響等をふむふむと読み進めていたところ、「4Q以降の業績向上に向けて」パートの表紙に、ダーウィンの言葉が記載されていました。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるのでもない 唯一生き残ることが出来るのは、変化できる者である」。これは今の状況だからこそ、特に染み渡る言葉ですね。この企業のこれからの考え方がよく伝わる印象的な表現だなと思いました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200727467002.pdf


株式会社ぐるなび(証券コード:2440)

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飲食店の情報を集めたウェブサイトでおなじみ、ぐるなびの決算説明資料です。

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決算の概要としては「新型コロナウイルス感染拡大を受け実施した休会対応の影響により大幅な減収」だったそうで、結果はとても厳しそうです。
やっぱ飲食関係は大変だね〜、で終わりそうな話ではあるのですが、この「休会対応」というものに目を向けてみていただきたいのです。
休会対応は、飲食店からの掲載料を状況に応じていただかなかったり減額したりという対応のことであって、つまりは大きく打撃を受けた飲食店から料金をいただかなかったということだと思います。見方によっては飲食店の被害をぐるなびが被ってあげた、とも見れるなと思いました。本当の意味での飲食店の味方であることが感じられて、かっこいいなと思いました。
だから、休会措置についてはもっと大々的にアピールしてもいいのに〜!🥺なんて思ってしまいました。

ぐるなびさん、応援しています!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200729468756.pdf


さくらインターネット株式会社(証券コード:3778)

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ホスティング大手のさくらインターネットの決算説明資料です。

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損益計算書のページでは、営業利益の変動要因を滝チャートで表していたのですが、増加分のグラフに上矢印、減少分のグラフに下矢印をつけており、一瞬で増減どちらかが分かって良いなと思いました。これは #6 で紹介したバイク王&カンパニーも取り入れている手法でしたが、さくらインターネットはちょこっと控えめな矢印で表現しており、グラフ全体の装飾をジャマせずなのがニクいな〜と思いました!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200728468225.pdf


株式会社よみうりランド(証券コード:9671)

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みなさんご存知、よみうりランドの決算説明資料です。
黄緑が超明るい印象です!

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最後のページに、2020年秋にリニューアルオープンする予定の日帰り温泉施設の紹介がありました!👀
場所は東京都町田市。男女それぞれ5種類の屋内風呂、2種類のサウナ、露天風呂があるそうで、けっこう充実していそう!
これはオープンしたら絶対行きたいです!♨

こういう情報も拾えて、決算説明資料って本当に面白いですね!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200729468551.pdf


SMN株式会社(証券コード:6185)

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インターネット広告会社、SMNの決算説明資料です。
・・・あれ?この右下にいるクマ・・・見覚えがあるような・・・?👀

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表紙に移ると、さっきのクマがよりはっきりと写っています。
やっぱり!これはポスペのモモちゃんでは!?👀

調べてみると、やっぱりこのクマはポスペ(PostPet)のキャラクター、モモちゃんでした!どうやら2017年にSMNのコーポレートキャラクターに就任されたようです。そして社名の「SMN」は、昨年「ソネット・メディア・ネットワークス」より商号変更されたのだそうです。SMNと見ただけだとポスペとの関連性が全く見いだせなかったのですが、ソネットであればポスペの販売元ですもんね。だからモモちゃんと関連があったのか〜!なるほど〜!となりました。

ポスペ、Windows98の時代に育てて?ました。懐かしいな〜!おっと、インターネット老人なのがバレますね・・・。

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中表紙にはモモがいろいろなポーズであしらわれていて、とってもかわいい!キャラクターがある会社っていいなあ、癒やされるなあ・・・。

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SMNの資料はかわいいだけでなく、見せ方も非常に参考になりました。
特にこの決算ハイライトのページは、右側3分の1程度にに背景色を変更したエリアを設け、前年同期比を大きな数字で表現しているのが印象的でした。とても大胆なレイアウトで、ハイライト情報が端的に伝わるなと思いました!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200730469859.pdf


株式会社ZOZO(証券コード:3092)

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ZOZOの決算説明資料です。
あれ?なんか前回と随分雰囲気変わった気がする・・・と思って過去の決算説明資料を見てみたら、ZOZOは期ごとに決算説明資料のビジュアルを大きく変えているようです。2021年3月期からはこの水彩風のイラストを多用したビジュアルで行くのでしょうか。

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表紙以降は、全ページに表紙と同じテイストのイラストが散りばめられていました。パッと見は文脈無視、「ここにイラストいります?」というところに配置されていました。もしかしたら私には気づくことのできない深い意味があるのかも知れませんが・・・。

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う〜ん、デザイン(設計)ではなく、アート(芸術)と捉えているのでしょうか。数字や成長性を正しく伝えるという意味でのデザイン観点だと、私には気が散ってしまう効果しか見いだせませんでしたw

真似したい部分としては、右上にある、現在のページ数と全体のうちどれくらいスライドが進んだのかを表す円形のステータス表示があげられます。これは、今スライドのどのあたりを表示しているのかがスマートに分かって、とてもいい表現だなと思いました!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200729469175.pdf


株式会社メンバーズ(証券コード:2130)

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デジタルマーケティング支援会社、メンバーズの決算説明資料です。

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資料の冒頭に、2スライドにわたり社長からのメッセージが掲載されており、構成としてなかなか見ない珍しいパターンだなと思いました。
決算説明資料はついつい数字や施策に目が行きがちですが(というかそのための資料なのだと思いますが)、その数字や施策を生み出すのはその企業の人々。と思うと、このように社長からの生の声を毎回載せるのもいいのかも、と思いました。もし載せる場合は、読み飛ばされがちなコンテンツにもなりがちだと思うので、読んでもらえるように何らかの工夫ができるといいのかも、と思いました!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200730470452.pdf


株式会社ベガコーポレーション(証券コード:3542)

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家具・インテリアのオンラインショップ「LOWYA」でおなじみの、ベガコーポレーションの決算説明資料です。

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決算ハイライトには、営業利益の前年同期比として「10,226.6%」という数字が。私は意味がわからず「カンマの位置間違えたのかな?」と5度見くらいしたのですが、これ、間違いではなくいちまんにひゃくパーセントなんですね。すごくないですか?あまりの数値に笑ってしまいましたw

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資料全体を通して色使い、配置等とても見やすい資料だったのですが、特にSTAY HOME企画の紹介ページのイラストがとても素敵だなと思いました。
あまり書き込まず、少ない線・色で仕上げているのに、表現したい雰囲気が十分伝わってきます。手書き感のある線で温かみもあり、でも色が少なくソリッドな線によってスマートな印象もあります。利用している色が少ないことで、さまざまな資料に馴染みそうなのもいいですね。今度どこかに挿絵を入れるときは、こんな挿絵がいいな、なんて思いました!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200731471839.pdf


今週の紹介は以上です!
今週は紹介したい資料が多すぎて大変でした!しかし、まさかここでモモちゃんと約20年ぶりの再会を果たすとは・・・。決算説明資料、見ててよかった!🐻 笑


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