見出し画像

デザイナー目線で見る決算説明資料 #2 (ディ・アイ・システム/クオールホールディングス/山田コンサルティンググループ/イデアインターナショナル)

より良い投資家コミュニケーションの設計を目指す「IRデザイナー」が、ビジュアル・ワーディング・内容、3つの観点で気になった決算説明資料を毎週紹介していきます!
今回は、2020年6月1日〜6月5日に開示された決算説明資料を紹介します!

株式会社ディ・アイ・システム (証券コード:4421)

画像1

コーポレートカラーの黄色とグレー系のみの配色で、全体的にまとまり感のある資料です。いいなと思った点がたくさんあるのでページごとに紹介します。

画像2

味気ない表になりがちなPL概況は、通期予想に対する進捗率が非常に良い部分に黄色で下線を引いており、どこに注目すべきかがグラフィカルに理解できました(営業利益と経常利益が2Qで70%超えはすごい!)。文字の色を変える表現や、セルを囲う表現はよく見るのですが、文字がたくさんあり繰り返しの表現が多い表の中では、繰り返しの表現に変化を持たせる下線のほうが目につくかもしれないと感じました。

画像5

滝チャートを利用した表現も多く、増加/減少した理由が非常に理解しやすかったです。

画像3

代表取締役の紹介ページには会長と社長の趣味が書かれていました。いわゆる経歴をつらつら書くのももちろん大事だとは思うのですが、こういった一行があると親しみが感じられてより応援したくなるように思います。お写真も会社とお二人のの雰囲気の伝わる良い写真を選ばれているなと思いました。よくある証明写真のような写真より全然いいですね!

画像4

沿革は売上高、従業員数の推移とともに表現されていました。情報量は多くなりますが、会社の軌跡と成長が一度で理解できる工夫された沿革だなと感じました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200602433150.pdf


クオールホールディングス株式会社 (証券コード:3034)

画像6

画像7

ロゴのカラー配色を利用せずにさまざまな色を使っていたりと、ごちゃっとした印象を受ける資料ではあるのですが、その中でも連結決算概況が非常に目を引きました。「増収増益を達成」と、これでもかというくらいバーンと大きく記載。非常に端的で「伝わる」資料だなと思いました。メッセージが伝わればそれはデザインとして成功しているということ。デザインはアートではなく設計であることを理解できる資料だと思いました。

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200604435776.pdf


山田コンサルティンググループ株式会社 (証券コード:4792)

画像8

画像9

画像10

文字サイズのバランス、カラー配色などにまとまりがあり非常に見やすい資料でした。その中でも、事業ごとの説明にその事業が全体の売上高のどれだけを占めるかを示したドーナツグラフを表示しているのが印象的でした。いくつか事業がある場合、構成比をビジュアルで理解してから数字を見ていけるのでいいですね。
その他のページにもこのようなドーナツグラフを利用されており、さまざまな構成比がパッと見で伝わりました。このドーナツが細めなのもポイントで、スタイリッシュに見えます。構成比を伝えるなら、細めのドーナツグラフで決まりですね!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200605437607.pdf


株式会社イデアインターナショナル (証券コード:3140)

画像11

画像12

インテリア商品ブランド「BRUNO」等を販売するイデアインターナショナルの資料です。コロナウイルスの影響で直営店が不審だったにもかかわらず、自社ECサイトが好調で3Qは過去最高の売上高だったようです。すご〜い!おうちで使える料理家電などが巣ごもり需要に合致したのかもしれませんね。
資料のビジュアルについては、取り扱っているおしゃれな商品の雰囲気とは異なる印象を感じました。まだまだIR領域にデザインの重要性が浸透していない結果なのかなと思います。この発信を通して、IR資料にさらに力を入れる企業がもっと増えるといいなと思います!

https://www.release.tdnet.info/inbs/140120200605437426.pdf


今週の紹介は以上です!
2週目クリア!これで一応シリーズものになったと言い張れるので一安心です😙

最後まで読んでくれてありがとうございます😆 みなさまからのサポートは、さらに頑張るための自身への燃料としてラーメンに変えさせていただきます!🍜 今後も楽しく読んでもらえたら嬉しいです😆