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私が決算説明資料をAdobe Illustratorで作成している理由 #スペースマーケット

上場企業の決算説明資料を作っている皆さんは、いつもどのソフトを使って資料を作成していますか?👀
おそらく、「Microsoft PowerPointを使って作成している」という方が大多数なのではないかと思います。

私は、株式会社スペースマーケットの決算説明資料を作成していますが、実はPowerPointではなくAdobe Illustratorを使って作成しています。

今日は、おそらくかなり少数派であろうIllustratorを使って決算説明資料を作成している理由について、検討した経緯なども踏まえながら紹介してみたいと思います!📝

デザイナーである私=作成者が、一番パフォーマンスの出るツールを使う

私は、今はIR領域の仕事もしていますが、もともと「デザイナー」としての経歴が長いという、おそらく決算説明資料を作る人としては珍しい経歴を持っています。Photoshop、Illustrator、Sketch、最近だとXD、Figmaなどのデザイン向けソフトを使ってさまざまなデザインを作成してきました。

デザイナーは普段、上記のようなデザイン向けソフトを使ってさまざまな製作物を作っています。しかし、PowerPointのようなプレゼンテーション作成ソフトだと、デザイン向けソフトで簡単にできる表現に時間がかかってしまったり、細かい表現ができなかったりします。結果として、最終成果物は、デザイン向けソフトを使ったときよりクオリティが下がってしまいます。

上記の理由から、デザイナーが決算説明資料を作成するのであれば、プレゼンテーション作成ソフトにこだわる必要はないと考えました。

デザイナーの方であれば、プレゼンテーション作成ソフトで何かを作る際の、かゆいところに手が届かなくてイライラする気持ち、分かってもらえると思います!
それに、デザイン向けソフトを使ったほうが、気分も上がりますよね!😆


誰もが編集できないというデメリットもある

一方で、私が作成しやすいようにデザイン向けソフトを使ってしまうと、デザイン向けソフトを持っていないメンバーが編集できない…というシーンがどうしても出てきてしまいます。
その点については、私たちは、最終成果物のクオリティとスピードを重視するかわりのトレードオフと割り切って考えました。
皆が編集できるのはとても便利なことですが、誰かのちょっとした編集によって意図せぬところでクオリティが下がってしまう可能性もあります。それを防止できる、とも考えることにしました。

(でも、誰でも編集できるべきと考える企業もとても多いだろうし、組織としてはそうあるべきなのかもしれないですよね。その場合は、プレゼンテーション作成ソフト一択になるのかな、と思います。そう考えると、私はデザイン作成ソフトを使わせてもらってラッキーなのかもしれません!)


数多くあるデザイン向けソフトの中で、なぜIllustratorを選んだか

デザイナーの方は気になるであろう、「なぜ数多くあるデザイン向けソフトの中でIllustratorを選んだの?」というところについても触れたいと思います。
実はこれには深い理由があって、かな〜〜り試行錯誤した結果なのです!😇

私はUIデザイン等を一番得意としていたので、最初はプロトタイプ作成ツールのAdobe XDを利用して作成してみることにしました。XDはソフトの動きも軽く、リピートグリッドの機能などもあり、かなりサクサクと資料を作ることができて超超超最高でした。

しかし!最後の工程で予期せぬ問題が起こります。😵

決算説明資料は、最終的にPDFデータにして適時開示情報閲覧サービス(TDnet)にアップロードする必要があるのですが、そのPDFのデータサイズは10MB以下に収まるようにすること、と決められています(実は8月31日に規則の改定があって10MBになったのですが、それ以前は3MBと非常にシビアでした)。
XDにはPDFでデータを保存する機能があるのですが、まだ機能が強化されていないのか、PDFで保存するとかなり大きいファイルサイズになってしまいました。これはTDnetの規定を超えているだけでなく、メンバーにデータを共有するだけでも「なんかめっちゃ重いね・・・」と苦情が出るレベルのサイズでした。
なんとかしてファイルサイズを圧縮できないかとさまざまな圧縮ツールを使ってもみたのですが、どのツールを使っても圧縮されず…。
ファイルサイズの他にも、テキスト情報がうまく書き出せなかったりもして、PDFでの保存は全体的に得意ではないようでした。
こうなったらいっそ、1ページ1ページを1枚の画像として書き出して、画像をPDFにしてしまおう!とも考えましたが、文字をテキスト情報として書き出せなくなるのと、すべてのオブジェクトがラスターデータになるので画質が悪くなってしまうのがどうしても気になり、妥協できませんでした。
上記の流れから、泣く泣く、XDでの作成は諦めました。💦

XDがそうであったように、Figmaなど最近出てきたプロトタイプツールはサクサク使えて便利なのですが、PDF書き出しの観点においては、まだちょっと使うのは時期尚早という印象でした。
そこで、最終的に、一番PDFの書き出しに強いIllustratorを選ぶこととなったのです。

Illustratorは長年PDFでの保存機能を備えているだけあって、PDF書き出しメニューも非常に豊富で、圧縮してもある程度の画質を保持できるし、どんなにたくさん写真を使った資料を作ってもTDnetにアップロードできるサイズに収めることができました!
XDなどに比べると多機能すぎてちょっと動作が重いな〜と感じるときもありますが、それでもとても作りやすいです!Illustratorなら、どんな表現もできますしね!💪


ゴールはあくまでも、「企業の成長可能性が伝わる資料を作ること」

以上が、私が決算説明資料をAdobe Illustratorで作成している理由でした。
要点をまとめると、下記のとおりです!

💡 作成者が一番パフォーマンスの上がるソフトがおすすめ!
💡 誰もが編集できない等は上記のトレードオフと考える!
💡 PDFの書き出しに適したソフトは限られるので注意!

今回紹介したIllustratorでの作成については、現在の私たちの最適解であって、組織が変わったり、人が変わったりすれば、使用するソフトも変わってくると思います。
ゴールはあくまでも、「企業の成長可能性が伝わる資料を作ること」。ソフト選びはその手段にすぎません。「このソフトじゃないとダメ!」という概念にとらわれず、その都度、最適な作成方法を柔軟に模索できたらいいなと思っています。

また、今回の記事によって、「決算説明資料を作るのはPowerPoint一択じゃないんだよ!」という思想が広がり、世の中の決算説明資料にさらに多くの表現が増えていったら嬉しく思います!💪


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