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アラフォー、アラフィフに全力で推したい「アイドリッシュセブン」


#全力で推したいゲーム
#親子で楽しめるゲーム

アラフォー、アラフィフにこそ推したいと思い、自分の名前でもnoteで書かせて頂いているのが

「アイドリッシュセブン」

実によく出来たゲームだと思う。

このゲームを原作とするアニメ3期が2021年、2022年と分割2クールで放送されている。2クール目は2022年10月からの放送と告知された。1クール目は先行上映会にて1~3話まで公開、それから全編に渡ってファンの心を堕とす胸アツのしんどい演出が繰り広げられた。
2クール目も巻頭3話まで先行上映会が予定されている。またしても劇場で、家庭で、心躍るしんどいストーリーを目の当たりにすることになる。

メインユニットのIDOLiSH7は去年に続きリプトン紙パッケージ飲料のアンバサダーを務め、コンビニの棚は常に品薄状態。「リプトン」「七瀬陸(IDOLiSH7のセンター)の訴求力」という言葉がトレンド1位。昨年のロート製薬のプロテイン飲料とのコラボ商品はネット販売すぐにメンバー全員の撮り下ろし写真が載った特典付きのコンプリートセットが即完売。森永製菓の「DARS」は、アイドリッシュセブンの中の1グループ「TRIGGER」をアンバサダーとして起用してホワイトデーを盛り上げ、イオンなどの店頭では購入者プレゼントのクリアファイルがどんどん手に取られて行った。

有名VTuberによるYouTubeでのゲーム実況などでも好評を博し、一気にハマったという者も少なくない。

全てアイドリッシュセブンというコンテンツのなせる技。今推さないでいつ推すのかという気持ちで書いている。こんなハッシュタグを提供して下さったnoteの運営の皆さまありがとうございます。

アイドリッシュセブンとは

スマートフォン向けアプリゲームで、ジャンルはアイドル育成リズムゲーム。2022年8月20日で7周年を迎えた。

これはただの音ゲーでも育成ゲームでもない。ここに展開するストーリーは人生賛歌である。

ただ今アプリにて公開されている最新章の5部のPV。

アイドリッシュセブンはスポ根大映ドラマ

ヘッダーの人物の名は九条天(くじょう てん)。アイドルグループTRIGGER(トリガー)のセンター。ストーリーの中核を担う人物、七瀬陸(ななせ りく)とは色んな意味で対称的な存在。上にも書いたが「七瀬陸の訴求力」で話題になる人物だ。

アプリ内のメインストーリーは第5部まで進んでおり、2022年6月27日に最終章が公開された。
間際になって、次の配信が最終章と言う告知がされ、大いに広がった風呂敷をどう畳むのか固唾を飲んでいたマネージャー各氏。
最後がしりすぼみになることのなく、ストーリーの1つの結末を描ききった見事な展開に、TwitterのTLは涙しました、や、ありがとう、の声で埋め尽くされている。

そして2022年8月20日、アイナナ7周年イベントにて、第6部が2022年秋に公開と告知された。


大映ドラマ

80年代に人気を博した「大映ドラマ」を見て来なかった、あるいは聞いたこともないというアラフォーアラフィフは少ないという前提で書かせて頂くが、

まず、大映ドラマに出てくるようななかなかに重い登場人物な設定がある。病気、出生の秘密、生き別れのきょうだい、

親子、兄弟の血縁関係、仲間意識、上下関係から来るすれ違いや挫折。ライバル事務所の嫌がらせによる凋落からの復活。人気商売である故の嘆き、理想と現実。しかも拉致事件や殺人未遂という刑事事件まで出てくる。

もちろんシリアスだけでなく、コミカルなシーン、笑えるセリフ、わちゃわちゃと遊んでいる場面が交互に出てくることで、見る者を不安定な気持ちにさせる。

脱線だらけの会話を繰り広げるアイドル、ボケ倒すユニット、夫婦漫才のような掛け合いのデュオ、構ってちゃんだらけのグループまで、不穏なストーリーの中で登場人物たちは生き生きとしている。

付け加えると端々に出てくるネタがかなり古かったりする。脱線トリオとか連行される宇宙人とか、ある世代以上を狙っているとしか思えない。

そしてまた不穏と泣きの話に戻る。この振り幅で見る者はやられてしまう。


生い立ちの重さを言い訳にせずそれを乗り越えてアイドルとして成長していく若者たち。
学園ものではなく、アイドルものだから描ける幅広い年齢層(年少から年長までは10歳違い)の先輩後輩達による群像劇。それに事務所の大人や親たちが絡む。

(ちなみに円満な親夫婦の話はあまり出てこない。親が離婚したなど、子には問題と思われる状況の親が主に話に出てくる)

少年マンガやスポ根ドラマかという展開だ。

漫画家 種村有菜女史による可愛くてかっこいい、美麗なキャラクターデザインに騙された。いや、私は寧ろ騙されに行ったのだろう。

そして、メンバーたちは非常に爽やか。こんな息子なら安心、と思う品行の良さ。こんな子たちが困難に身を置くのは見ていられない時もあるけれど。

とにかく「しんどい」と評されるこのアイドリッシュセブン。若い方の語彙では「しんどい」は気持ちが高揚しすぎてこれ以上平静に保つのは無理、という意味だそうだが、こちらは物理的に辛いという意味で「しんどい」。胃が痛くなる。真剣に。

しかし、このようなしんどい話は、半世紀ほど生きていれば実際にも見聞きする。フィクションにもノンフィクションにも。多分、耐性は若者よりもあるだろう。

こんなストーリーを若者だけに独占させるのは勿体ない。

ゲームの魅力

「このゲームは最後まで無料で楽しむことが出来ます」とあるように、アプリをインストールすると、上に挙げたような展開のストーリーをすぐに読み始められてしまう。しかもフルヴォイスの破壊力。アプリ起動すぐのゲーム制作企業名から声付き。最後というのはどの辺を指すのか分からないけれども…

ストーリーに分岐はないが、1部ごとにドラマ2クール分のボリュームがある。しかも最新の第5部から読むことも可能だ。第1部から進める必要は必ずしもない。(もちろん、第1部で描かれるデビュー当時からのストーリーを読んでから先に進むのをおすすめする)

ストーリーを読み進めるには途中でリリースされる新曲をプレイして条件をクリアするリズムゲームをこなさないといけないが、慣れれば途中で挫折することはほぼないと思われる。また、ゲーム内のイベントのストーリーも面白いかつメンバーたちがとにかく可愛い。Twitterでも話題になったイベントストーリー「ダンスマカブル」など読むのに少々努力がいるものもあるが、ぜひイベント復刻の際は読んでいただきたい。周年ストーリーなども後でボイスを付ける形で無料で公開される。なんとも素晴らしい。

ゲームをプレイするのにはオーディションという名のガシャでアイドルを揃える必要がある。これは成果ごとに与えられる「ステラストーン」を貯める必要があるが、頻繁に無料で引ける機会が訪れるのでそれを待ちながら育成するのもいい。集まったアイドルを養成して、また高得点を狙う。報酬をもらって強化することで、ライヴを一層輝かせられる。

大映ドラマ的とかスポ根的という言い方をしたが、プレイしていくと、アイドル達をとにかく応援したくなる。アイドルとしての資質はもちろん、個々の個性がグループの魅力の一翼になり、そしてそれぞれのメンバーの活躍として還元される。

特性的にはダンスが得意な者、歌唱力に長けた者、演技力表現力に優れた者、自ら音楽を紡ぐ者…性格的には子どもっぽかったり、喧嘩ぱやかったり、冷ややかだったり熱血だったり、毒舌家だったりツンデレだったり。


そして絶対的なセンターが居る。


アイドルソングならではの懐の深さ

ゲームやストーリー中に流れる楽曲がとても秀逸だ。

昔からアイドルが日本、世界の名だたるアーティストや新進気鋭のミュージシャンによる数多の名曲を歌って来たのは既知の通り。

その懐の深さを最大限に利用して最新の音を取り入れている。ポップスからロック、打ち込みハウス系、ラテン系、コンテンポラリーダンス、バラード、ラップ、EDM等あらゆるジャンルをリズムゲームの楽曲として網羅している。

歌詞を読むと、一聴セクシーに寄るものもあるが、ひたすら強く、しなやかに、仲間たちと一緒に未来に向かうと歌っているのに気がつく。また、ストーリーを読むと、この歌詞はここの場面に繋がっていたのかと分かって驚く。
近頃はアイドルソング定番の淡い恋心を歌うことも増えてきた。聴く者の純粋さを引き出す、アイドルならではの曲作りも意識している。掘り下げれば掘り下げるほど熱を感じる楽曲揃いなのだ。

小室哲哉氏、いきものがかりの水野良樹氏、ヒャダイン氏、スガシカオ氏、ダンスボーカルユニットSPEEDの元プロデューサーとして有名な伊秩弘将氏、YOASOBIのAyase氏による書き下ろし曲を採用しているのもこのゲームの話題のひとつ。ど真ん中の世代として、リズムゲームで聴くに終わらせるのは勿体ないと思っている。

小室世代としてはこの楽曲を推さない訳にはいかない。小室氏の提供された楽曲で構成されたベストアルバムにも収録されている名曲。

巻頭に、メジャーシーンを追われたアイドルグループが再起をかける決意が描かれる。それを念頭に見て頂けると幸い。

歌手としてライヴやミュージカルで活躍して来た声優陣の歌唱は、アラフォーアラフィフにも充分鑑賞に値することを保証する。

ゲーム自体は画面奥から飛び出てくるボールを叩く形だが、まるでユーザー側が伴奏をしているように響く。とても気持ちいい。上手くハマってくると自分の成長も感じられる不思議。

しかし、いい曲揃いなのでゲームで高得点を出せないと、曲に罪悪感を感じてしまう…特にボールを多く空振りして異音が発生した時は…

どうにか腕を上げたい…やっぱり、失敗は嬉しくない。

親子というもの

ところで。

家庭を持つアラフォーアラフィフ世代のお子さんは登場人物に近い年齢だと思われる。17歳から27歳、平均年齢は22歳くらい。

私たちは受験戦争、あったかどうか実感出来なかったバブル期、就職氷河期という荒波を経て、いつの間にか子達に夢を持てと言う側になった。

今の子どもたちは早めに進路を決めなくてはならない。昔と違い、大学に通わせるのが普通になった。雇用形態も変わった。そして親世代は易々と金は出せなくなった。とりあえず進学、とりあえず就職という私たちが通った認識では、これから不安ではないかと言われてしまうようになった。

夢を見て、何になりたいか決め、そこに邁進せよと言われる時代。これまでこんな時代はあっただろうか。

親世代がこれまで持って来なかった「夢」というものを口にするのは容易くない。夢というのが何を指すのか分からない。

そして、夢は刃になりかねないことは知っている。

アイドリッシュセブンのストーリーには昔ながらの価値観を持ち続ける親、夢を潰す親、身勝手な親、子どもを縛る親が登場する。ゲームを楽しむ娘息子世代はそんな親を詰るだろう。

親は人の親であり、人の子でもある。今のアラフォーアラフィフは子どもには手がかかり、老親は健在。その狭間にいる。

確執とまではいかないが、お互いの気持ちを測れなくなったり、すれ違ったり会話をしなくなったり。ついしてしまった過干渉に激しく抵抗されたりする。

そして悩む。どう関わるか、悩む。あるいは手に負えないと手放してしまう。


作中では親の背中を乗り越えていく登場人物が描かれる。親を憎み、軽蔑し、距離をおいたが、それでもその親と同じ血が流れているのを認め、許し、いつしか、自分を肯定していく。

幸せを掴むことを恐れなくなっていく。

そしてそれを促すのは仲間の存在。


アイドリッシュセブンのストーリーを読んでいると、親子はこうなるのが理想なのかもしれない、と思わされる。

悩んでいる親に、幸せとは何かを気づかせてくれるのは子どもたちなのだ。

当人たちは自分を生きて、親と関わりを持とうとする。そして、自分の道を進んでいく。

そんな姿に、自分はこれでいいのかと思わされる。

まさかゲームをプレイしていてこんな気持ちになるとは思わなかった。

こんなゲームを娘たちはプレイして、しんどい思いをしていたのか。

でももしかしたら、娘たちが子どもを育てる時に、何かフラッシュバックしてくるかもしれない。思い出してくれるならこんなセリフがいい。

「今、幸せですね?」

最後に

同じストーリーをつい何度も読んではその度に涙している。今日は泣かないと決めていたのに。

自分を投影しやすくそしてしんどい展開ではあるが、救いがある未来を信じたくなる。だからアイドリッシュセブンの世界から抜け出せない。

ストーリーを読むだけでなく純粋にリズムゲームとして楽しめるし、懐かしの着せ替え的なコーナーもある。ただ楽曲を聴くだけでもいい。

ゲームが苦手な方にも、アニメでストーリーを体験して頂けるのもこの作品のいい所だ。3期1クール目の放映も好評を博し、2クール目の放送を怖い怖いと言いながら待つファンの多いこと。ぜひアニメ制作会社TROYCAによる、渾身の演出と美麗なビジュアルを堪能して頂きたい。

せっかくだから、思い切り泣こうじゃないか。

























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