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アラフィフからのアイドリッシュセブン【20】 「激情」~BEYOND THE SHiNEより

アイドリッシュセブンSecond Beat! サウンドトラック 「BEYOND THE SHiNE」を聴かせて頂いた。

ここでも大いに驚くことになってしまった。アイドリッシュセブンのコンテンツは底なしだ。アイドリッシュセブンチームの皆さんの熱意と愛情を感じる。

サントラ盤を非常に楽しみにしていた理由のひとつが、ゼロアリーナでのRe:valeの5周年記念ライブ前座としてTRIGGERとIDOLiSH7がサプライズで歌ったRe:valeメドレーの中の1曲「激情」が収録されていることだった。

いきものがかりの水野良樹氏作詞作曲、ハロプロなど多くのアイドルやJ-POPの名曲のアレンジを手がけてこられた鈴木Daichi秀行さんによる楽曲。

この曲がステージで歌われるのを聴きながら、千が百に向かって話す。

「あこがれのアーティストからの曲もRe:valeの歴史」だと。

あこがれのアーティストの中に、水野氏と鈴木氏も入っているのだろうと思わせる演出だった。

歌割りの妙

発売日朝からこの「激情」に関するツイートを読んでいた。

歌割りが神。そんな言葉が飛び交った。

(こけら落とし公演を見た方は既にその辺を理解した人が多いかもしれないが、皆で歌っているなという認識に過ぎなかった自分は、また公式に殴られた。)

TRIGGERとIDOLiSH7合わせて10名で歌われたということはもちろん10の声がある訳だが、2人を組にして歌っている箇所が何箇所かある。

1番は七瀬陸と九条天。二階堂大和と八乙女楽。和泉一織と十龍之介。四葉環と逢坂壮五。和泉三月と六弥ナギ。

2番から、各グループやユニットの組み合わせになる。MEZZO"の四葉環と逢坂壮五。TRIGGERの八乙女楽、九条天、十龍之介。Fly Away!や解決ミステリーの和泉一織、七瀬陸。ピタゴラス・ファイターやMy Friendの二階堂大和、和泉三月、六弥ナギ。

アニナナ2期で共に笑い、泣き、頼り、そしてわだかまりもした運命の組み合わせ。

陸と天は言うまでもなく、血を分けた間柄であり、永遠のライバル。 「終わりのない生命はない」と強く実感しているのはこの2人かもしれない。共に過ごした病院の白い壁から外に出たかったのは陸だけでなく天も同じだったと思う。一度心と関係が壊れかけた2人は、「僕らで」その先の奇跡を創り上げようと歌う。

大和と楽はこれから恐らく競い合う同士になっていくだろう。声の相性がいいことが知れたのは嬉しい。「変われず、いるのか」あなたは容赦もなく、の部分をこれからまさに変化しようとする大和が歌い、弱い心に問いかけるのさ「お前そこで終わるのか」と大和を叱咤するように楽が歌う。これからの彼らを暗示しているかのようだ。

環と壮五は少しずつ歩み寄って、傷も願いも晒し始めた。元々正反対の2人、まだ言葉足らずでお互いを分かり合えないし家庭の事情も抱えている。それでも何かを掴もうと走り続けている。2人の願いはなんだろう。そしてどこに辿りつこうとしているのか。

一織と龍之介は接点はあまりないように見えるが、龍之介は一織のことを非常に気にかけている。一織の静かなプライドの裏側に気づいている一人が龍之介だ。もしかすると一織のこれからに関わってくるのは彼かもしれない。

プロとしてあるべき姿を模索し、悩み、泣いた三月と、そっと寄り添ったナギ。これから立場が逆になることがあっても、絆は切れることはないだろう。2人のパートは短めだが、お互いを見つめ合いながら奮い立たせるように歌っているところが目に浮かぶ。

2番の各ユニットへの繋がりも良く練られている。

歌詞を自分たちに落とし込んでいると証明する、見事な歌割りに心を動かされた。

ゼロアリーナでのこけら落とし公演、TRIGGERのミュージカル、IDOLiSH7のライブ、Re:valeの5周年公演の中で「激情」は、Re:valeにとってもTRIGGERにとってもIDOLiSH7にとっても、これからを歩む決意の歌になったのだと思う。

子守唄

激情の次のトラックがDis one.のシンフォニックバージョンなのだが、これはアニナナ2期15話で使われた。 原曲とは全く違う、まるで子守唄のような静かな調べ。

Dis one.はRe:valeによって新たな命を吹き込まれ、また、TRIGGER、IDOLiSH7が千と百の想いを受け止め、皆の心に刻まれる一曲となったのだが、

ゼロのマネージャーであった九条鷹匡氏にとっても思い出の曲のはずなのだ。

Re:valeのDis one.歌唱の際に現れた偽のゼロは何を言おうとしたのか。
天と子守唄に護られた九条鷹匡はこれからどうしていくのか。


サントラ盤には、激情の他にも、TRIGGERが路上でアカペラで披露した「Last Dimension」のシンフォニックバージョンや、Re:valeの千が歌う「ミライノーツを奏でて」の別バージョン(これにも憎い演出があるので要注意)、ゼロの歌ったDis one.のオリジナルバージョン(これも90年代を知る人間には堪らない1曲)、アニナナを盛り立ててくれた素敵な多くの楽曲を聴くことが出来る。

各音楽配信サイトではこの中の一曲から購入出来るので、この際にぜひ耳にして欲しい。

これから

第三部のアニメ化が発表された。

こけら落とし公演に向けて、2組を3つのユニットに分け、各々で新しい曲に挑んだ。努力は実を結び、彼らはまた自分たちのテリトリーに戻る。

敵意をむき出しにし、強力なライバルになっていくであろう人物の姿はこけら落とし後に顔を出して来た。大和が抱えている事情と千が向ける眼差しの向こうにあるものもまだ語られていない。一気に人気を博したIDOLiSH7に向けられる視線はまた変わってくるだろう。無事に5周年を迎えたRe:valeは、これからRe:valeを越えようとするTRIGGERはどうなっていくのか。

そして九条鷹匡氏の願いは。

マネージャーとしては胃の痛くなる展開が続くだろう。でも、彼らなら、きっと虹の輝きを超えて奇跡を創りながら進んでくれる。

そんな希望を感じられた。

希望の先を見届けるためには、どうしても生き抜かなくてはいけない。


また名盤を作り出してしまった。

恐るべきアイナナ。







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