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アラフィフからのアイドリッシュセブン36 Re:vale先輩「夫婦になるにはまだ早い」

Re:valeのおふたりには、あえて先輩をつけさせて頂いた。

2022年10月18、19日に開催された、Re:vale単独ライブ「Re:flect U」での、百役・保志総一朗氏のMC。
ギターの弾き語りをこなしたばかりの相方(千・CV立花慎之介氏)に対しての言葉
「こんな人が百ちゃんのダーリンなんだよ、羨ましいでしょう!」

実はずっとRe:valeの2人の関係性を掴めずにいる

Re:valeに関してはメインストーリーに加え、白泉社刊の小説/コミックス「Re:member」(好評発売中)にて実に丁寧な筆致で書かれているので繰り返し熟読させて頂いている。

しかし、5月に行われたアイナナEXPOでの雰囲気が結婚成立だったし、劇場版アイドリッシュセブンを経てこの7月になっても結婚うちわが話題になっていてその度に、自分のこの誰も読まないような文章であるにも関わらず筆が止まってしまっていた。

あるFFさんによると、「公式が最大手」なのだそうだ。
最大手というのは二次制作の頒布会などで特に人気のあるサークルを指していて、有り体に言えば大繁盛をしているので最大手と言われる。
二次創作なので、ここでこの解釈を持ってきたか!とファンは唸るのだ。

ところが、妄想を重ねた人気サークルよりも、公式が一枚も二枚も上手だ、というわけなんである。

「t(w)o…」という、鐘の音が印象的でなおかつ永遠の愛を違う内容の歌詞の楽曲があり、ライブグッズでイメージカラーのピンクとグリーンの夫婦箸を販売したし、ライブ内では結婚と書かれたファンのうちわを、百役・保志総一朗氏も、千役・立花慎之介氏も普通に受け止めていらした。

歓迎する向きとそれを認めたくない向きがあり、私はどちらかというと後者なのかなと思うのだが、
そう思う理由は、まだ夫婦という関係には早すぎると思うからだ。

ここではけして自分の毛嫌いや性癖からものは書かない押しつけもするつもりはない。
ただ、これなら逆に自分が思うような理想を掲げて応援したっていいのではないかと思い、書いている。

もう一度言う。
2人は夫婦になるには早すぎる。

今は余り伝わらない話かもしれないが昔は、野球のピッチャーとキャッチャーを夫婦と言って特にキャッチャーは女房と言われていた。
(保志氏や立花氏の年代にはなんとなく分かるのではないか?くらいには古い言い回し)
今もコンビとか切っても切れない関係とか相方とか相棒というところを2人だからという理由で夫婦と言いたがる節があり、今でもそれは(割と若い人に)受け継がれているのかもしれない。

実際、喧嘩も相当するし、くっつきに行きたくない時もあるし、でもやっぱりこいつしか居らんかー、と気遣い、互いの存在を認めていく…
という心境の変化も「夫婦」には存在すると思うのだが、
Re:valeの2人はさすがにアラサーとはいえ若き男性2人だし、出会いからも5年しか経っていない。

だけども、上で書いた「羨ましいでしょう」がどういうことか、それで何かを察することが出来る気はする。

倦怠感

2022年8月に発売されたRe:vale2ndアルバム「Re:flect In」に収められている’’Storyteller’’。
興味深い歌詞だ。
楽曲のメロディアレンジも秀逸で、ライブでのパフォーマンスもとてもエモーショナルだった。

この歌詞の出だしが
「最初に起こった倦怠感 いつまで残ったまま」
なのだが、
倦怠感て感じたことあるのか?
2人の関係に胡座をかくどころか、まだまだ脆いところがあるのではないか?

アプリのメインストーリー5部では、テレビ番組の企画で無人島に送られて楽曲制作をすることになったのだが(なんつー企画)
百は自身の拙さ(作詞能力や人間性の問題など)を千と比べては、解散まで考えるほど自身を追い詰めていく。
ちょっと待ってくれよ、そういうのはもう通り過ぎたDis one.じゃないのかよ。 
まだ進行形だったのかと。

先述のRe:memberでは、千というアイドルに惚れ込み、万理の怪我・失踪からの解散の危機において、自らアイドルとなって千の傍らに立つことでRe:valeを存続させようとする百の姿が描かれた。
5年でいいから一緒にやらせてくれという言葉が自分を縛る呪いになるとはその時は考えもしなかっただろうが、上下関係でものを考えがちな人間の習性がここに影響してしまった(百がサッカー選手経験者で体育会系というのもあるかもしれない)

Re:valeを救う者として現れたにも関わらず、万理と千というアイドル(憧れの象徴)の前で自分を小さく感じてしまうのだ。

作中で印象的だったのは千に献身的である一方で、そんな自分に疲弊を感じたという部分。
心が強ければ心理的立場は千より上で居られるし、心が弱ければ、千に下からの目線を注ぎながら自分の献身を訴えられるのにと考える百の姿だった。
千を崇めているのも、進んで自らを捧げるのも、自分の意思だったはずなのに。

どちらにもなれない

実は自分が個人的に人間関係で悩んでいた時期だったのでこの下りは思い切り突き刺さった。
これまでの自分を振り返ると、人に対して自分を犠牲にし、立場的に下に居ることで相手に尊敬の念や憧れを持ち、人のためと言いながら身を尽くせるのだと信じて疑わなかった節がある。

お陰で人からの攻撃もさほど受けずに身を守る事は出来ていたように思うのだが、やはりモヤモヤは拭い切れなかった。
だって周りの人はワガママ言い放題じゃないか、という気持ちは常にあったからだ。

どちらにもなれないからこそ、どっちつかずを利用して上手く世間を渡れると(強く)思い込んでいたのだということに、Re:memberを読むまで気がついていなかった。
そこまで自分を制御出来る「強さ」があったらしい。
今から思うと当時の自分は、特に心が強くなかったという訳ではなかったのだろう。むしろ強いから下手にも出られたということか。

百がサッカー部でレギュラーになれないことに悔し涙を流しつつも外にはその顔を見せなかったり、ストライカーでありながら自身も司令塔となってチームの状態を見守っていく。
誰にでも出来ることではないと思う。

でもそれを彼が過小評価していたとしたら。
悲劇を招いたとしたら、その過小評価ゆえだと思うのだ。

(余談だが、怪我をしてしまったからサッカーの道は断念したけれどたらればで言えば日本代表にも選ばれる実力だっただろう。
一方で、
「永遠性理論」で大学のサッカー大会のテーマソングを出したこともあり、去年のW杯ではサッカー番組引っ張りだこだったはずなんだ。それもこれも怪我をしたからなんですがね…🥲)

言葉がなくても分かってくれると

千が色気と知性とポーカーフェイスで隠す感情を読み取り、分析して最適解を導けるのは百の気質や経験から来る巧みな分析力あればこそなのだが、
憧れの人間の横に居て、グループ内としては第2期メンバーとなったがゆえの数知れない反発や中傷を、外からは分からないように隠しながら生きていた時期には、その分析は自分を傷つける材料にしかならなかった。
つまりは2人とも隠し事があったが故に「分かってくれない」状態を長く保っていたことになる。
「Silver Sky」はまさにそんな曲。

それでいて二階堂大和が窮地に立った時には、助けに入る。「趣味だから気にしないで」と。
2人の身から出た錆が回り回って仲間への攻撃に転じた時、保身よりも助けを優先するのは優しい2人だからこそなのだろうが、
同時に錆のついた原因と錆の落とし方を考えなければいけないややこしさ。
ここに非常にリアルを感じるのだが、大和が助けられたからと言って何もかもは解決されないし、むしろ後々に命の危険まで招いている。
しかしその間、2人はというと、一生懸命、互いの関係を何とかしたいと必死だったのだ。

結局は隠し事を表に晒し、対等であると意識するところまでたどり着かないといけなかった。

Re:valeと大和とのやり取りについてはまた書こうと思うが、
2人の大和への言葉
千は秘密を秘密にしてないで言っちゃえばいいのにと言い、百は言えないこともあるよね、と庇う。
元々アーティスト気質で自分の世界を外に持ち出さしたいのに、それでも傷はつけられたくない千。
でも大和のことは上から引っ張ろうとする。
傷を負うのは構わないが傷を負っているとは悟られたくない百は大和が落ちているところにまで降りて行く。
心理カウンセラーは両方の役割を持つのが理想なのだと思うのだが、2人で分担したかのように役目を果たしている。それも無意識に。
お互いに助け助けられたという経験を持つからなせる技なのだろうか。
(それでも先輩であることをいい事に?上から目線を繰り出す千と辟易する大和という構図は面白い)

銀紙をくっ付けるために

2人は芸能界での振る舞いと違い傷だらけで銀紙をくっ付けて星のフリしてるという屈指の名台詞があるが、傷を見せるほどの強さも弱さもなく、いい塩梅を探してさ迷ったからこそ得られた部分と失った部分があり、その上に銀紙を付けているように見える。

アイドルという職業をやるなら素の自分に一盛りも二盛りもしないといけないのだろうと素人は想像するのだが、
芸能とは全く別の畑にいた百はもちろん、アーティストの活動をすれどアイドルをやる気がなかった千にしても己に貼り付けた銀紙は一から一生懸命拾い集めたものだから、最初から用意されていた初期TRIGGERやŹOOĻとはその時点で違うのだなと思ってしまう。
事務所の力云々ではなく、自ら銀紙を拾いたい人達なのかもしれない。

話を元に戻すが、
夫婦漫才は、出来上がった関係をああだこうだ言うタチのものだから、常に下から持ち上げる百とカッコいいのに素でボケてる千というスタンスを一生懸命に作り上げて今があるんだろうと思う。
これをやってるのが25歳と26歳。なのに常に鉄板、ドッカンドッカンウケるって相当ですよ
心ではまだまだ迷いもあるのだから、作り上げて来たパブリックイメージとはギャップが出来て当たり前。
3部では、百を抱き込みたい月雲了、取り返しがつかないほど酷い事態になる前に収めたい百、その行動そのものから百を引き剥がしたい千という構造が出来ていたが、夫婦という位置づけでもって安心してRe:valeになるためには乗り越えないといけないものが沢山あり過ぎた。

そして倦怠感へ

それでも、「Storyteller」で歌う「倦怠感」を持つ2人になりそうな予感はあるのだ。
困ったもんだねと言いながらまだまだこれからも互いが互いの刺激物であろうし、相手の一言に揺さぶられる毎日だろうが、ああやっぱりこいつしかいないと安心出来るようになっていくのだろう。
結婚に夢を持つ時期などとっくに過ぎた自分ではあるけれど、結婚で得られる関係性は決して悪いものではないからこそ、その域にまで辿り着くのは悪くないかもなと思ったりする。

ただ、やっぱりそれは今じゃない。

アイナナのすごいところは、全ての事象はけして偶然に湧いていくものではないと書いているところだ。
突然のことに右往左往するにしても、それまでに何か心当たりあるよね?という文脈をちゃんと作り上げているところだ。
5年かけても時間が解決するわけではないし、その間に積み上がったもののせいで本来見えていたものが見えなくなるし、人の一言で自体が一気に動き出すなんてこともない。

Re:memberの最後の場面で千が万理を殺したいと思ったことは何回もあると言いながら、それすらをしれっと本人に伝えてしまうところで百が、
「こういう人だったー!」となるのがとても愛おしい。
人は変わらないということを言いたいのではなくて、人の根本的な部分は変わらないし変えられないしむしろ変えではいけないところなわけで。
崇め奉る相手のポンコツな部分を見て我に帰りつつもやっぱり立場は変わらないし愛もある
というのを書いてくれていることに安心してしまう。
安心は傍らにあるけれどなお刺激を生む関係なんて最高じゃなかろうか。
若い子たちが結婚という言葉にそういう期待をしているならば、結構、未来は明るいかもしれない。

最後に

Re:vale記念日2023での新曲「Now & Then」
作詞は「FIELD OF VIEW」の浅岡雅也氏
ビーイング系世代としては小躍りするしかないのだが、そんな方がRe:valeの関係性をこの4分くらいの楽曲に詰め込んで下さったことに感動を覚えている。

「さあ時間になったんだ」
この出だしだけで、2人が苦難を超えて顔を上げる様が見えてくるようだ。
タイミング的にアニナナ3期終盤のFriends Dayや太陽のエスペランサで見せたかっこいいRe:valeを思い起こさせるし、BLACK OR WHITE LIVE SHOW DOWNアイドル部門での敗北のその後を見据えた2人をも想像させる。
3期で互いにビンタを食らわせていく2人の様子にはここまでを経たからこそ出る感情を嫌でも感じたし、のちに立花氏があのシーンの収録後に声が出なくなったと言われるくらいの白熱の演技に心を揺さぶられないはずがなく
浅岡氏もここに感銘を受けての作詞だったのかもと思う。
この楽曲はアイナナの曲では珍しくセリフが入っているのだが、
2番
「ああだこうだ言ったって始まったら気分はheaven」
「最高だ」
「一瞬で」
百「消えないで」
千「何言ってんの」

ここのくだりを聴いて、感激してしまった。
俗な言い方をすれば、「解釈一致!」である。
これがRe:valeの裏の顔。
消えることへの恐怖を互いに抱いているのに、消えないでと言ってしまうのが百で、何言ってんのと鼻で笑ってしまうのが千
これはメロディを載せては伝わらない。
セリフでないと伝わらない。
この危うさ。相変わらずさ。
シレッとものを言ってしまう千
慌てふためきながら、それでも救われる百
それをこんな形で表に出して下さった。
2人の関係性を盛り込んで下さった浅岡氏には感謝しかない。

FIELD OF VIEWには「DANDAN心魅かれてく」という、ドラゴンボール主題歌の中でも屈指の人気を誇る楽曲がある。作詞はZARDの坂井泉水氏。
単体でも聴け、かつ作品のテーマも盛り込み主題歌として成り立つように作られたように思う。
この塩梅は浅岡氏も大切にされている部分なのだろうと思わされる。

2番を特に聴いて頂きたいので、ぜひどうぞ。

YouTubeではMVも見られるのでこちらも。

はあかっこいい。
蹴りを繰り出すなんて、千さん相当練習したんだろうな☺️

裏のことなんて微塵も見せないステージングに魅了される。
やはり王者なんだと思わされる。
最高に綺麗な銀紙をまとった王者。

歌う場こそ2人のheavenだと私達にも思えるから、
夫婦漫才とのギャップが堪らない。
そしてそれがあるからRe:valeなのだ思う。
ただ、それだけでいい。

Re:valeがBLACK OR WHITE LIVE SHOW DOWNで敗北したことにより、4グループ全てが、(作中にて)負けを経験したことになる。
敗北して新たに高まる感情に気がついたRe:valeの、更なる変化を軸にして事は進んで行くだろう。
まだ勝ちを見ていないŹOOĻの求心力はかなりのものがあり、実力的に何らかで頂点を授けられるのではないかと期待している。
優勝したIDOLiSH7、事務所に戻りまた新しい体制を引いたTRIGGERも次への1歩を踏み出した。
BEYOND THE PERIODは始まりの始まり。
負けも勝ちも過去のもの。
どんな新しい彼らが見られるか、大いに期待している。

追記
2023年9月30日に大阪・ヨドコウ桜スタジアムにて「Re:vale×セレッソ大阪&湘南ベルマーレ」コラボの対戦試合が行われる。
待ちに待ったRe:valeコラボが、Re:valeにしか出来ない形で実現した。
モモのサッカー経験、セレッソ大阪のチームカラー、ピンクとベルマーレ湘南のチームカラー、グリーンがそれぞれモモとユキのメンカラ
30日には全国ツアー中のGood 4 You大阪公演が開催でモモが担当回(大阪はモモと御堂虎於による担当公演)でもあり、この日でないと実現し得ない大型コラボだ。
サッカーに日頃馴染みのないRe:valeファンが多く詰めかけ、そして歓迎の元に迎えられるだろう。
ファンがダイナミックな試合を観戦し、モモが愛し、青春をかけたサッカーを身近に感じられたらと願う。

https://x.com/bellmare_staff/status/1706928939460079964?s=46&t=dv9Oq-cMWR5kUcJcKJMWWQ















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