「まるなげ事業」の本音と建前

2019年12月、まるなげ(malnage)事業をはじめました。

画像1

”観光事業と関係ない事をはじめたのか”
”BPO?事業成長性はどこにあるのか”

そんなお声は何度も言われました。

経営者として情報発信が未熟だった。
まず前提として会社成長ですがこのように考えています。

画像2

それでは順番に説明いたします。

●いま考える最終ゴール

 弊社は京都母体の会社です。幾度となく創業100年を超す伝統企業が衰退し、廃業する姿を見てきました。新型コロナウイルスは伝統企業の経営にも直撃しています。人知れずメディアにも出ず衰退、休業、廃業していく企業はあります。私たちがやりたい観光産業は歴史こそ魅力です、そして歴史はブランドに直結します、日本が観光立国になるには歴史は維持、継承することが大切です。

 その一方でビジネスを休業、廃業するのは経営側の原因もあります。”お客様は敏感です”。お客様のためになる商品は売れ、ならない商品は確実に見抜かれます。つまり、伝統やブランドだけで生き残れる時代ではなく変化をし続けなければ企業は衰退していきます。

 インデンGROUPで飲食事業にも着手してます。個人客向けにビジネスをする知見と知恵を軸としたものを、私たちは対外国人向けに事業転換をして実現をしたいと考えてます。

インデンGROUPで飲食店??という方は
ぜひ、こちらの記事をご覧くださいませ!

●商品を提供してきた

 弊社では「訪日観光産業を、未来のこども達に誇れる産業にしよう」をビジョンに掲げています。具体的にいうと””2030年15兆円の訪日観光産業を創る”こと、この産業創造を創る渦の中に会社も居たい、そう思ってメンバーが一眼となっています。

 2012年に第一弾として「スマイルコール(通訳サービス)」をはじめました。導入施設は全国津々浦々で増えました。外国人観光客が年々増加する一方で、日本人は語学力に課題があります、そんな日本国内において通訳サービスは生活インフラになると信じてきました。

僕たちが目指したのは通訳業界のAEDサービスになりたい!
そんなインフラ商品を目指してきました。

画像3

このように商品提供をしてきたのを第一フェーズと位置づけます。「スマイルコール」以外にも、外貨両替機やQR決済など観光地に必要とされるものを開発(時には仕入れ)して続々とサービス化してきました。


●生産性向上は日本中の課題である

 新型コロナウイルスは日本中の働き方を変えました。具体的には「雇用リスクの顕在化」「ジョブ型への移行」が言われてます。いままでと同じ働き方では企業は生き残れない。



その中でなぜ「まるなげ事業」なのか?をお話します。

今まではサービス提供を中心に行ってきた弊社ですが、現場ではより急務且つ需要の高い経営課題があると言われていました。それは、

”とにかく経営人材が足りない”

言葉を選ばずにいうと優秀な人材は地方観光現場に目を向けていないし、そもそも観光客数増加につれて求人増加に伴って働き手も不足してました。

私たちの会社も”名もないベンチャー企業”で採用・教育・定着には苦戦してます。教科書どおりの手法では生き残れない。アルバイト、業務委託、時短勤務、抜擢、ジョブ化など、あらゆる手法を駆使して組織を大きくしてきた歴史があります。

観光産業でも同じ問題に直面してる。

●弊社は多言語コールセンターを運営していて、全体で約150名の通訳スタッフ(※スマイルコールの通訳対応の為)を雇用しています。
●正規雇用での組織化を諦めて、コロナ以前から「非正規雇用」「非対面」の組織化に着手していました。

この2つの実績と経験はお客様に必ず必要とされる。そう考えて「まるなげ事業」を始めました。

まるなげ事業の最終目的は『観光業界の生産性向上』に貢献することです。

※余談ながら
新型コロナウイルスは日本企業の働き型を強制的に変えました。観光産業以外でも同様の問題は急務の課題として注目されています。


●まるなげは「究極のサービス業」


まるなげ事業は「究極のサービス業」を目指しています!
「究極のサービス業」とはなにか?


■街の電気屋さんが先生

「密着軸」による差別化とは、まさに「まちの家電屋さん」が得意とする領域。価格は多少高めかもしれないが、小回りが利いて、安心感のある、サービスを提供してくれる。お客様のかゆいところにしっかり手が届く、そういうサービスを展開することで、大手などに対抗していくのだ。

画像4

■BtoCのサービス力を取り入れる
ディズニーランド、星野リゾート、スターバックス。BtoCの会社にはサービス力を”ウリ”にした会社が沢山あります。ユーザーの視点も厳しいです、口コミに書かれ、リピートもされない。BtoC企業はこのように競争力を身につける中で創意工夫をしている中で、BtoB企業でサービス力を”ウリ”にする会社は少ない。BtoC企業の成功事例を取り入れ顧客満足度を高めるサービス会社にしていきたい。

■”あったらいいな”を提供する
弊社も常に人材不足です。それでも企業は成長を止めれません、常に新しいこと、挑戦をしなければ競争原理の中で敗れるためです。そのなかで弊社が活路を見出したのは働き方の柔軟性です。自分たちが活用してきたからこそ分かる、痒い所に手が届くサービス「まるなげ事業」はそこを目指します。


●まるなげが大切にしてること

1)ライバルは”何もしないこと”
「THE MODEL」の本で下記内容がありました(※本当にそのとおりだなぁと思ったので抜粋させてください)

スクリーンショット 2020-09-22 16.35.38

「ERPのようなソリューションは企業が業務を回す上で必要だから、必ずどこかの製品を導入する。でもCRMはなくても仕事は回る。Nice to Haveなんですよ。あればいいかもしれないけれど、Mustじゃないものは売るのが難しいですよ」と言われた。当時は、自社製品なのに冷めた言い方だなと思ったが、後になってその意味がよくわかった。
あれば便利だが、なくても業務が回るとなると、その必要性を認識してもらうところがスタート。最大の競合はライバル企業ではなく「何もしない」と言う選択肢となる。これは売る側にとって非常に高いハードルだ。


2)スタッフの”マルチタスク化”
これは星野リゾート社のホテル運営に取り入れられ有名になりました。弊社でも通訳スタッフは通訳業務だけ、セールスは顧客折衝だけ、というように単一オペレーションでした(その方がマネジメントは管理しやすい)

●日本の観光産業の最大の課題は、需要創出ではなく、生産性
●改革の1つがマルチタスク制。ホテルはフロント、ハウスキーピング、レストランサービスといった業務があるが、1人のスタッフがマルチタスクで一通りの業務をこなす。
●実際にマルチタスクをやろうと思うと大変で、今までどおりやっていれば楽だというトレードオフがあり、大変だからみんなやらないです。
●例えば、マルチタスクには調理も含まれる。調理場の中の業務を分解すると、高い技能がなければできない作業はごく一部で、大半は一定期間練習すれば習得できる業務だという。

※こちらも目から鱗、2014年に提唱
星野リゾートの23年の取り組みを簡潔にご説明します。
2014年11月19日 星野リゾート 代表 星野佳路
https://www.kantei.go.jp/jp/singi/seirousi/26_3rd/siryo2.pdf


●さいごに

これまでの流れと話は全く変わりますが、個人的にポーカー(テキサスホールデム)に嵌った時期がありました。当時の教本『フィル・ゴードンのポーカー攻略法入門編』から名言を紹介させてください。

画像5

画像6


『まるなげ』のビジネスモデルも一見すると何の変哲もないビジネスモデルです。それこそ1分で理解できる。

でも裏側では『一人一人の熱量と執念を元にサービスが成り立つ、そんな唯一無二の究極のサービス業』を目指したいものです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?