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ウチの子 発達障害!?vol.121~122

vol.121「高校卒業」

 3月3日に息子は高校の卒業式を終えた。入学当初は周りの子たちと上手くやっていけるのか心配だったが、周囲からは「面白い子」と思ってもらえて3年間を楽しく過ごすことができたようだ。先生方も子どもたちの気持ちをよくわかってくれる方ばかり、頭ごなしに否定するような方はいらっしゃらなかったので私も安心できた。息子の口から「楽しい思い出がいっぱい」、「この学校に通えてよかった」等の言葉を聞くことができたことがなによりうれしかった。

 この1年は、休校になったり夏休みが短縮されたり、修学旅行が中止になったり文化祭も1日だけの開催になったり…。想定外のことばかりだったが、いつも当たり前にできていたことができなくなるという経験ができて、ある意味よかったとも思う。

 4月から息子は社会人としての一歩を踏み出す。親としては心配事の尽きない子だったが、よくここまで成長してくれたと思う。今後は今までのように何かある度に母が出て行く訳にはいかないが、これから先もいつでも相談に乗れる関係でいたいと思う。自分で考え、自分で解決して、しっかり踏ん張ってくれることを祈っている。(2021.3)

vol.122「そしてこれから」(最終回)

 高校生活最後の春休みが終わり、いよいよ4月1日は入社式。発達が凸凹で通級指導教室へ9年間通った息子が一般企業の一般枠で社会人として働くことになり、母としては「やっとここまで来た」という気持ちで胸がいっぱいだ。

 息子の小さい頃のイヤな思い出は、高校生活の楽しさによって打ち消されたように思う。卒業式で友達と撮ってきた数々の写真はどれも笑顔で心底楽しそうだった。工業高校の生徒たちは今も昔も変わらず面白い。

 そしてお世話になる会社では、同じ高校出身の仲良しの先輩が息子の入社を心待ちにしてくれている。普段から連絡を取っているにもかかわらず、3月初旬に開催された2回目の懇親会では、仕事について丁寧に教えてくれたそうだ。その上、息子が入社する前から「絶対に会社辞めるなよ。お前が辞めたら俺も辞める。俺が辞めたらお前も辞める。」と言ってくれている。(息子は、先輩が辞めても俺は辞めんけどな、と言っているが。)この面倒見の良い先輩のおかげでとりあえずは安心だ。

 最後に、10年9か月にわたり書き続けてきたエッセイ「ウチの子 発達障害!?」は、今回をもって終わりにしたいと思う。長い間読んでくださってありがとうございました。今後はまた新たなテーマで、エッセイを連載していきたい。(2021.4)

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