見出し画像

捨てたい、けど捨てられない―機能不全家族で育って

第23回

中学に進学すると、ますます自分の幼さを痛感させられました。同級生の女子が恋愛話や流行りの歌、ドラマやテレビ番組の話などで盛り上がる中、女子トークというもの自体苦手だった私は話を聞くだけで精いっぱい。家では私が見たいテレビ番組は見せてもらえなかったこともあり、話について行くことさえできませんでした。相手に合わせる努力もしませんでしたが…。
部活動をやりたい気持ちはありましたが、ユニフォームや道具などを買ってもらうことができないので諦めました。学校が終わって帰るとすぐに母が夕飯の買い物に出かけるため、幼い弟の面倒を見ながら写真屋兼クリーニング取次の店番を毎日やっていました。夕方6時頃に部活動を終えた中学生たちがうちの店の前を通るのを、複雑な気持ちで眺めながら。
そして店を閉めて家へ帰ると間もなく父が仕事を終えて帰ってきて、毎日のように酒を飲みながら仕事の愚痴を聞かされました。父の機嫌が悪い時には、八つ当たりされることもしょっちゅうでした。
(2023.3)

サポートいただけると励みになります!いただいたサポートは、会員の皆さんの活動につながるよう、使わせていただきます!