この世界の素晴らしさについて

気になって録画予約しておいたNHK「この世界の素晴らしさについて」という番組を昨晩観た。

MCが内田有紀とNHKアナウンサー。ゲストが秋元康。

秋元康さんのお話された事でとても感銘を受けた事があった。

ニューヨークに居て、ロサンゼルスに行く時、いつもならスタッフが飛行機のチケットなど全てを段取りしてくれるのだが、その時は「全て自分で手配して行こう!」と思ったそうだ。

ニューヨークから飛行機でロサンゼルス空港に無事に着き、タクシーに乗る。

自分で予約しておいたホテルの前に、そのタクシーが止まる。

無事に着いて、タクシーから降りようと、左足を地面に踏み下ろした時、そこに「程良い柔らかさの犬のウンチ」があって、もろに踏みつけてしまったのだ。靴はウンチまみれ。

普通の人なら、「なんて不運なんだろう!」と自分自身を呪うに違いないだろうが、秋元さんは違った。

「自分自身が滅多に予約しない飛行機」に乗り、何も気にせずタクシーを拾い、ホテルの前で、「左足から」タクシーを降りた。

なおかつ、犬の散歩がもっと早ければ、「ウンチは固まって」おり、「程良くグシャ」となるはずは無かった。

たくさんの偶然が重なり合い、「秋元康さんの左足」は幸運にも「ウンチを踏んだ」のである。

その時、秋元さんは「面白い!」と思ったと言う。

「面白がる」

それが「この世」で、「素晴らしさ」を感じる瞬間であると。

アメリカ・ロサンゼルス、ラスベガス間では、まるでバスの様に飛行機が飛んでいる。便数が異常に多いのだ。

ある時、秋元康さんはロサンゼルス空港でラスベガス行きの飛行機に乗った。

席は、バスと一緒で、早い者勝ちである。

すると、満席になっても、その便の「搭乗券」を持った乗客が10人位、飛行機に乗れないでいる。

CAさんがアナウンス。

「お急ぎでない方は飛行機から降りて頂けますか?」

数人の、座席に座っていた乗客が降り、数人が乗り込む。

まだ、乗れない乗客がいる。

CAさん達は話し合い、再びアナウンス。

「200ドルのクーポンを差し上げますから、次の便に変更される方はおられませんか?」

また、飛行機から数人が降り、数人が乗る。

それでも、乗り切れない。

CAさん達はもう一度話し合い、アナウンスする。

「250ドルのクーポンを差し上げますから、降りて頂ける方はおられますか?」

再び、数人が降り、数人が乗り、乗れないで飛行機の外で待っている乗客は一人。

CAさん達の権限で出せる「クーポンの金額」はそこまでだったらしく、少し困った様子。

すると、機内の後ろの方から大きな声が上がった。

「300ドル出してくれるなら、俺降りるよ!」

機内の乗客全員が拍手をし、その乗客は何ももらわず降りて行き、残りの一人の乗客も無事乗れて、飛行機はテイクオフしたのだった。

秋元康さんは「英語が完璧には分からない」けど憶えていて、その出来事を「面白い」と思った。

秋元康さんと同乗していたスタッフは、そんな出来事に気付かないし、憶えてもいない。

やっぱり、「面白がる」事が「この世界を素晴らしいものにするコツ」なのだろう。

多くの人は、「自分の今の置かれている状況を『幸せ』だと思わない」。

何故なら、「今、自分が持っている幸せをキープ」して、さらに「新たな幸せ」をそれに付加しようと欲張るからだと、秋元康さんは言う。

「今」こそ、いちばん幸せなんだ!周りを見回して、気付けば、そこにはいっぱい「幸せ」があるのだから。
と、秋元さんは静かに言った。

昔、童話「青い鳥」読んだ時、考えさせられた。

物語の最後、主人公は「自分の周りに、『既に』幸せがあった」という事にラストで気付くのだから。

こんな閉塞感満載の「日本社会」だが、「秋元康さん流の考え方」で生きてみると、確かに、本当に、楽しいし、幸せな気分になれるのかも知れない。

この番組、元・フジテレビで「SMAP×SMAP」「ダウンタウンののごっつええ感じ」をやっていた小松純也が関わっている。

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