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美味しいを塩分濃度で考える

「紹介されてるレシピ通りに作っても自分の好みとはちょっと違う」

そして、参考にはしたものの、最終的には紹介されてるレシピとは違う味付けになっている。

このような経験は料理をする人なら結構してると思います。

なぜ、他人のレシピを参考にするのか?

その理由の一つとして「何をどれくらい入れたらいいか、自分では分からないから」というのはあると思います。

そこで、どうすれば味が決まるか?というのを科学的な観点から見ていきます。

これからお話しすることをきっちりやる必要は全くないと思いますが、知っているのと知らないのでは大きな違いが出てくるはずです。

○知っておくべき体の塩分濃度

生理食塩水の塩分濃度:0.9%

料理とは全く関係ないことのように思えますが料理を美味しくするのに大切な根拠になります。

私達の体はホメオスタシスによって一定の状態になるように保たれています。

体にとって自然なのが塩分濃度0.9%。

塩分(ナトリウム)を取りすぎたら排出します。(そこにはカリウムが関係してますがここではスルーします)

塩分だけでみれば塩味が薄いとナトリウムが足りなく感じられ、もっと濃い味付けがいいと感じます。

逆にしょっぱいものはナトリウムが高濃度過ぎるので、そんなに濃いのは要らないよ、という体からのサインです。

なので、基本的に塩分濃度0.9%を意識して料理するとうまくいくことが多くなります。

○調味料の塩分
塩分を含む調味料は食塩だけではありません。

醤油、味噌はもちろんですし、めんつゆ系や粉末系の出汁(無添加でなければ大抵は塩分入り)にも入っています。

詳しく知りたい方は自宅にある調味料の成分表示をご覧下さい。

例:塩分○○g(15gあたり)などと書いてあります。

もし、ナトリウム□□mgとしか書いていない場合には、以下の計算式で出せます。(なぜその計算式かはここでは省略)

ナトリウム□□mg × 2.54 ÷ 1000 = 塩分△△g

○料理への活用

実際の料理に役立てるとすれば、一番シンプルなのが肉を焼くときかと思います。

塩をふって焼くだけなのですが買ってきたお肉にはグラム数は書いてあるので、お肉の重さ(g )×0.009=必要量(g)の塩を両面にふって焼くと美味しく仕上がります。

細かいことを言うと、必要量を3分割して表、裏に1/3ずつ使い、残りの1/3は切ったお肉の断面にふるとさらに美味しくなると感じています。

さらに細かい話ですが、お肉を焼くときに水分や油は出て重量は減るので、そこを考慮して減らすと更にいいでしょう。

そうでないと、しょっぱく感じる可能性もあります。

具体的には300gのお肉があったとして、焼くことで20%重さが減るとします。

最終的な重量は240gなので、
240(g)×0.009≒2.2(g)

さらに細かいことを言うと、使っている塩次第で使う量も微妙に違ってきます。

料理をする人からすると量るのが面倒という人も少なくないと思います。

ただ、量って美味しくなるならそれも手だと思います。

自分の感覚で美味しくできてるならいいでしょう。

もし、そうでないのだとしたら感覚だけではうまくできないということの裏返しにもなります。

だとすれば、きちんと量るというのは合理的ではないでしょうか?

何回か量って、分かってきたら目分量でもいいと思います。

こんなことをお話ししていますが、加熱するときに出てくる水分量を正確には見れないことを考えると、こだわり過ぎる必要はないのかなと思います。

知識と目安として知っておくのは損にはなりません。
ただ、一回やる価値はあると思ってます。

0.1g単位で測れるはかりがないとダメなのがネックですが…

どこまでやるかは個人の自由です。

何回かやってこんなもんかと感覚がつかめたら目分量に戻してもいいですしね。

こんなことを言っておきながらですが、能書きを垂れて美味しく作る「自分が美味しいと思う料理」が正解だと思っています。

みなさんも塩分濃度0.9%の美味しさを体感してみてください。

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