正欲/朝井リョウ
【ただ、感想】
あらすじになんて短くまとめられない。笑
最初に「怖い」と思ってしまった世界が、
読後一転した。
ここ数年、多様性を振りかざして
優しそうな言葉を振り巻く人にも、
分かったようなフリをして
まるで理解しようとしない人にも、
ずっと嫌気がさしていたけれど、
そんなモヤモヤの遥か上空を行く、
何が正解か分からない、
リアリティのありすぎるたくさんの人生が
交錯する世界に引き込まれて、
あっという間に読み終えてしまった。
法律って何なんだろう、
自分の今までの考えって何だったんだろう
と思い知らされるけれど、
でも自分が恐怖を抱く対象も憎悪も
本能的というか生理的な部分だし、
とても難しい…。
全員が息苦しくならない世界って
いったい、どんなだろうと思った。
でも不思議と読後は虚しくない。
ただこの本を、
いろんな人に読んでほしいと思った。
たくさんの人とこの本の話をしたくなった。
すべての人の固定概念をぶっ壊したくなった。
映画はどんな風になるのでしょうか。