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SmileJackの名前の由来

昔話でもしようか


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「なんでカメラマンになったの?」
よく聞かれるんだが、俺の人生が変わり始めたのは、実はカメラじゃなくて25歳でバイクの免許を取ったときからなんだ。

当時、平凡な日々に飽き飽きしていた俺は、思い付きで教習所へ。
そして先生に「なんのバイクに乗りたいん?」と聞かれ、バイクの知識なんて皆無だったくせに、適当に“ハーレー”と答えた。
すると何を血迷ったか、400万円もするハーレーをローンで購入してしまったわけだ。金もないのに、だ。

けれど、その選択が俺の人生を大きく変えた。
ハーレーに乗って、カメラを背負って、あちこちを一人旅。


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仲間とのツーリングでも常にカメラは手放せなかった。バイクを撮り、人を撮り、ミーティングイベントでは仲間たちの写真を撮るのが大好きだった。


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そのうちに気づいたんだ。ハーレーってバイクなのにカスタム費含めると500万円以上する高級車でもある。
つまり、俺みたいに無理して買った頭のおかしいヤツか、もしくは富裕層(経営者)が多いってこと。そういう人たちと知り合ううちに、俺の価値観はどんどん広がっていった。


「サラリーマンという安定したレールを走る人生」
それが普通だと思ってたけど、彼らとつるむうちに、このままじゃ終わりたくない。って本気で思うようになった。
結局、大手企業のサラリーマンを辞めることにした。

もちろん、そのときはまだ“カメラマンになろう”なんて思ってなかった。いろんな経営者に相談して、「飲食はどう?」とか「不動産は?」とか、まあ色んな職業を提案してもらった。
みんなは「辞めないほうがいいんじゃない?」って親身に心配してくれた。今思えば、自営業の大変さをよく知っているからこそ、そう言ってくれたんだとわかる。

でも俺は自分の直感を信じた。根拠はないが、「このすごい人たちに囲まれた俺だって、きっと偉大になれる!」という自信だけで突き進んだ。

『俺の尊敬するハーレーカメラマン』

そんな俺には、もう一つ運命を変えた出会いがあった。
ハーレーのミーティングイベントで見かけた、ジョニー古川という漢(おとこ)。
見た目からして半端じゃない。もじゃもじゃのヒゲ、筋肉ムキムキ、バンダナにサングラス、黒いビンテージの革ジャンのベストを羽織った50代のおっちゃん。まるで映画から飛び出してきたような姿

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実はこの人、バイク雑誌『VIBES』のカメラマンだったんだ。
当時のFacebookや雑誌で見るイベント写真の担当がジョニーと知り、いつか会ってみたいと思っていた。
その願いはすぐに叶った。
ミーティング会場で歩いていると、でかい5D Mark IVに縦グリ、6Dに白レンズを2台もぶら下げた大男を発見。
「絶対にあの人や…!」と、怖いもの知らずの俺は勢いで声をかけた。

するとジョニーは、ニコッと笑って、俺を泊まっていたロッジに招待してくれた。そこで一緒に鍋をつつきながら、酒を飲み交わしつつ語り合った。
実は俺は、それまで「単焦点レンズで背景をボケボケにする写真が上手い写真だ」と思っていた。
でもジョニーが教えてくれたのはまったく違う世界だった。

カメラマンにとっていちばん大事なのは、上手い写真じゃない。どうあるか、だ」

と。具体的に言うと、技術よりもコミュニケーション能力、そしてどこへでも飛び込んでいける機動力と体力。
ジョニーが言った。
もしお前が、お祭り騒ぎのミーティングで公式カメラマンだったとして、見ず知らずのイカツいギャングのテントにいきなり突撃できるか?と問われた。

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「そこに入った瞬間は眉間にシワ寄せられて睨まれるかもしれない。でも数分したら全員が笑顔になる。その瞬間が最高のシャッターチャンスだ」と。
そこにはカメラのテクニックなんて関係ないんだ、と。

「背景をボカす写真なんて誰にでも撮れる。笑ってる自然な横顔も盗撮すりゃいい。でも“真正面から相手に飛び込んで、一緒に笑って、本当にいい表情を引き出すこと”がプロの仕事だ

この言葉が、今の俺の根底にある。
それが『SmileJACK』の名前の由来でもあるんだ。

人を笑顔にする、心を奪う、飛び込む勇気
この精神を胸に、俺はカメラマンへの道を進む決心をした。

ジョニー、元気にしてるかな。
あの夜、一緒に食った鍋の味は今でも忘れられない。いつかまた会いたいぜ。

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SmileJackの名前の由来|SmileJack