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僕はデザイナーとしてどう在りたいか

本当は「好きなUIスクショ集」か「アジアアプリのUI」について書くつもりでした。
ただこの令和元年のクリスマス前最後の週末に一人でNetflixの"ドラッグ最速ネット販売マニュアル"というものを見たためにモノづくりへの気持ちが高まってしまいました。なので、急遽予定を変更しデザイナーとしてモノづくりに対して考えていることを述べてみます。

> ドラッグ最速ネット販売マニュアル
全6話です。テンポもよくて見やすかったです。ソーシャルネットワークが好きな人はきっとハマるので、ぜひ。

この記事は Atrae Advent Calendar 2019 の22日目です。

「良いプロダクト」を創り続ける人でありたい

僕はデザイナーとしてどうありたいか。
基本的には、「良いプロダクト」を創り続けたい。

良い、とは。
それは、誰かにとって無くてはならないもの。
顔の思い浮かぶ誰かが心から喜んでくれるもの。

その上で、その誰かの喜びを可能な限り大きく広く多くしたい。
プロダクトはデジタルでもアナログでも構わないけれど、「喜びの拡大」を考えると、その近道はデジタルを掛け合わせることだと考えていて、必然だと思っている。

ぼくにとっての「良い」を導くキーワードは3つ。
Empowerment, Sustainability, Attract。
前者2つは学生時代に参加したEnactusという大会で学んだ。
Enactusとは、SGDsで掲げる17の目標に対して、起業家的アプローチでアクションをした世界中の学生による成果発表の大会である。ここでの評価基準が"Empowerment"と"Sutanability"だった。とてもよくできたクライテリアだと思っていて、僕は事業を考えるときにはこの2つを意識している。
最後の"Attract"は10月から僕が入社した(株)アトラエが大切にしている考え方の一つある。僕はアトラエという組織が好きなので、このアイデンティティも大事にしたい。

「デザイナー」であることにこだわりはない

そんな僕が、デザイナーである理由とは。
答えは特にない。
職能にこだわりはない。
必要ならば開発もするし、ビジネスサイドはむしろやりたい。

ただ、特に自分が楽しいと感じる働き方はある。
僕は、ユーザーさんからフィードバックをもらえることに何より楽しさを感じるし、そんなユーザーさんと一番近い距離で働きたいと思っている。
なので、その役割を一番担えそうな"デザイナー"を名乗っている。

良いプロダクトを創り続ける人。になりたいだけ。
それを目指すチームの中で、自分が得意かつやりたいことでしかもチームに欠けているところを見つけてバリューを出していきたい。

新しいサービスを調べるのが好きなこと、ツールのハックが好きなこと、東南アジアが好きなこと。(嗜好)
教育分野で仲間と会社を興して事業を作っていたこと。ベトナムで現地のユーザー向けのプロダクトデザインをしていたこと。いくつかのWebメディアを運営していて、SEOの知識があること。一応(ほぼ忘れたけれど)開発の経験もあること。(事実)

ここらが僕の現状だ。

デザインはチームでするものなので

近年のデザインに関して思うこと。

デザインはチームでするもの。
ColorやPaddingなどの細かいところには僕が責任を持つけれど、サービス全体の体験や大まかなコンポーネント配置などは、チームのみんなでするものだと思っている。

ぼくの作るデザインはもちろん僕の全力ではあるけれど、「正解」ではなくただの「提案」。
デザインは、どれだけ気をつけても製作者の意図が入ってしまうのは避けられない。しかもデザイナーとして人一倍いろんなアプリをリサーチしている僕が使いやすいと思うものは、普通の観点だとそうではないということも少なくないのだ。
だからこそ、僕が作るものは「提案」であって、みんなで良いものを作っていきたい。

みんなとは、チームメンバーのみならず、ユーザーさんやその他のステークホルダーも含む。
そのコミュニケーションをもデザインしていくのが、僕の思うデザイナーの姿。
そのためのツールとして、ペルソナやカスタマージャーニーというものがある。チームのUXDをする。ユーザーさんとのコミュニケーションをとる。

しかも、ことUIに関してはもはや発明する必要は99%ないと思っている。
GoogleやApple、Airbnbといった会社たちが莫大なデザイン投資をして一時的な「答え」を作ってくれている。
彼らのようでないデザイナーは、彼らの発明から学び、適切に盗み、ユーザーにとってベストな「体験」を届けることに集中するのが最適だと思っている。もちろんその集中した結果、新たなUIは発明されるかもしれない。それはそれで良いこと。

NoCodeの波がより「プロダクトの価値」を際立たせる

最後に、NoCodeという波の話を。
NoCodeツールとは、「早くローンチする」ということにおいて現時点で最高の手段を提供してくれるツール群のことだ(と僕は解釈している)。
デザイナーやエンジニアの仕事を代替するものではなく、ぼくらの仕事を効率化してくれるもの。

それらのツールを触っていると、本当に驚くほど簡単にサービスを作ることができる。
もちろんフルスクラッチと比べるとページの速度が遅かったり、柔軟なデザインができないなど不満を見つけることは容易である。

ただユーザーや市場に「早く」その価値を提案することを考えると、その仕様を検討することはなんら不思議ではない。
フルスクラッチで提供できる体験の心地よさはもちろん変わるけれど、それはスピードとのトレードオフだ。
それらツールを理解し、正しく使えるようになりたい。

そして、それらツールを使うと「UIデザイン」の制限はかなりのものである。
ただ、それで良いと思っている。
『チームにデザインのフィードバックをもらう初期段階では、細かいUIを作り込むよりもワイヤーフレームで見せた方が良い』のと同じ理屈だ。

そしてもう一つNoCodeツールたちが教えてくれるのは、サービスを作ること自体が簡単になることによる、「やりきり力」や「コンテンツ集め」「市場性やビジネスモデル」などデザイン以外の領域の重要性の高まりだ。
いくらでもサービスは量産できるようになることで、それの価値を決めるのはサービスの本質的な魅力とビジネススキルになってくるだろう。(そしてここが勝負の分かれ目になってくると、今度はまた技術力や体験、デザインに振り子が戻るはず)

だから「サービスデザイナー」

だから僕は、UIを作ったりUXを構築するにとどまらず、本当に価値のある「サービス」を作れる人になりたい。
「良いサービス/良いプロダクト」を作るために必要なものをいろいろする人、というニュアンスでService Designerという肩書きが海外ではあるそうなので、ぼくはそう名乗っている。

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