【18年12月第1週】東南アジアのスタートアップニュース
こんにちは、三上蒼太(@sota_mikami)です。
東南アジアのスタートアップ情報を日々チェックしています。
先週(2018年12月2日~12月8日)に報道された、注目すべきASEAN Tech Newsをピックアップします。
本記事では、8個のニュースをピックアップしました。
◯Grabがインド発のホテル予約サービスOYOにUS$100Mの出資予定
◯GrabとIdoohが提携。車内広告システム導入へ
◯GojekがインドのeスポーツスタートアップMobile Premier Leagueに投資準備中
◯太陽光発電のスタートアップ「SolarHome」がミャンマー進出
◯GrabPayがフィリピンの時価総額1位企業SMICと提携
◯FoodyのNowがバイタクサービス開始
◯Sansanが東南アジアへの拡大を目指しシリーズE調達
◯フィリピンのライブストリーミングサービスKumuがシードでUS$1.2M調達
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Grabがインド発のホテル予約サービスOYOにUS$100Mの出資予定
18年夏から、Grabは連続で大型調達を進めていました。
これは各国政府との調整や罰金などでの財政面での苦戦の表れかと思っていたのですが、他社へのダイナミックな投資を行おうとする現状を見るに、「苦しいからの調達」というよりも堅実に前を見て必要な調達をしているのかなという気がしてきました。
競合は次々と生まれていますが、Grabは自社の企業価値を上げるべく、いけいけどんどんやっています。
OYOはインド初のサービスで、「安宿界のUber」と呼ばれています。様々なホテルチェーンとの連携を獲得し、安価で品質の良いホテルブランドを形成しています。
OYOはソフトバンクの大型投資先としても有名で、これまでUS$1B以上を出資しています。ここに、(同じくソフトバンク出資先の)Grabが参画することになります。
OYOの展開先は2018年現在、世界8ヶ国(英国、ドバイ、中国、マレーシア、インドネシア、ネパール、フィリピン、日本)。(wantedlyより)
Grabの戦場ともかぶるのはマレーシア、インドネシア、フィリピン。
Grabは移動を提供するサービスですが、OYOとの連携で「移動先」を作ろうとしているのでしょうか。
GrabとIdoohが提携。車内広告システム導入へ
IdoohはシンガポールのOHHソリューションカンパニー。
OHHとは→Out of home(詳しい記事はこちら)
GrabがこのIdoohと提携し、10インチの車内モニター設置&広告配信を開始したとのこと。
これにより、Grab社とドライバーのための収益多角化を狙うそうです。
日本でもタクシー内広告がもはや当たり前になりつつありますが(東京では。沖縄はまだ)、それはGrabのような白タクにも適用されていくそうです。
日本のタクシーと違うところと言えば、Grabのシステムにより「誰が乗っているか」がわかる点。
そのため、Grabによる乗客識別とIdoohによる広告運用によって、パーソナライズした広告配信が可能になります。
もはや日本より先をいく可能性すら。
GojekがインドのeスポーツスタートアップMobile Premier Leagueに出資準備中
Mobile Premire League(MPL)は、eスポーツのライブトーナメントで遊ぶことができ、そこで勝利すれば実際の現金を賞金として獲得できるプラットフォームです。
Gojekとインドの関係は、2016年から始まりました。
2016年当時、Gojekは現地の開発会社, スタートアップの買収をはじめました。現時点で4社買収しており(C42 Engineering, CodeIgnition, Pianta, Leftshift Technologies)、インドに開発拠点, R&D拠点を設けています。
元々はインドへの進出も視野に入れていたとのことですが、インドではUberやインド版UberのOlaが強く、退いたもよう。
今回の出資はeスポーツへのライブトーナメントということでGojekとどういう親和性があるのかかなり疑問な案件です。
ただもしかすると、実情としてインドで抱える優秀なエンジニアを活躍させきれていない可能性もあり、その活躍の場を作ろうとしているのでは・・・と筆者は考えています。
太陽光発電のスタートアップ「SolarHome」がミャンマー進出
電力が使えない人のために、安価なソーラー発電システムを提供しているSolarHome。
これまでは本社のあるシンガポールの他に、インドネシア、フィリピン、カンボジアに進出していました。
それがこの度、ミャンマーへも。
ミャンマーでは、10万の家庭に電気を提供できるようにすることを目指しているそう。
GrabPayがフィリピンの時価総額1位企業SMICと提携
GrabPayは、フィリピンの時価総額1位の大企業との提携を発表しました。
SM Investments Corporation(SMIC)は、ショッピングモール、小売、不動産、金融、観光など、幅広い産業を提供している企業です。
今回の提携で、SMICが提供する様々な商品やサービスをGrabPayで払えるようになったとのことです。
SMICがもつショッピングセンターの数は70、店舗の数は2,200を超えるそう。
これにより、Grabは、シンガポール、マレーシア、インドネシア、タイ、ベトナム、フィリピンの6つの東南アジア諸国の銀行との提携関係が完了しており、
各国金融機関との連携で、東南アジアのキャッシュレス推進を目指していくそうです。
FoodyのNowがバイタクサービス開始
ベトナムでフードデリバリー(だけに止まらず、様々なサービス)を提供するNowが、配車サービスもスタートさせました。
(前からあった気がするんですが..勘違いですかね🤔 テストユーザーだったのかも)
現在、Nowの提供サービスは以下のラインナップになっています。
食品やお花、赤ちゃん用品、ペット用品などの「デリバリーサービス」、
飲食店やサロン、クリニックなどの「予約サービス」、
バイタク、宅配、レンタカーの「輸送サービス」です。
MeidとShipに"New"が付いていますね。どんどん展開を進めています。
Sansanが東南アジアへの拡大を目指しシリーズE調達
Sansanは2014年にすでにシンガポールにてローンチしており、英語圏を中心に、すでに東南アジア各所にはユーザーが存在しています。
名刺管理アプリのeightについては、2017年に国外ローンチをして以降、インドネシア、インド、マレーシア、フィリピン、シンガポールで10万人を超えるユーザを獲得したとのこと。
そんなSansanですが、この度シリーズEで30億円の調達によって、日本と東南アジアでの事業拡大を狙うとのことです。(あと3億調達していればSansanになったのに)
フィリピンのライブストリーミングサービスKumuがシードでUS$1.2M調達
フィリピン版の17やSHOWROOM的サービスがシードラウンドの調達。
記事によると、『この領域は米中に支配されているため、この投資は東南アジア地域における注目すべき投資』とのこと。
2017年9月創業で、GooglePlay Storeではすでに10万ダウンロードを超えています。
長い間資金調達をせずにやってきたのもすごいし、それでこれだけの数を叩き出しているのもすごい。
アプリのUIや機能については、17などと比べ独自路線を進んでいるようです。
また、Kumuはマネタイズについても、他のサービスと異なる点があります。
KumuにはKumunitiesというコミュニティ機能があり、「クリプト好き」や「Sell & Buy」「◯◯のアーティスト好き」などそのグループは様々。
チャットや電話に加え、このコミュニティ内でのライブ配信もできます。
そのため、このコミュニティ機能が広告としての効果を高める役割を果たすとのこと。
Kumuはキャッシュポイントとして、投げ銭の手数料以外に、TikTokのように広告主からの収入も構築しているそうです。
そんなKumuがUS$1.2Mの調達。
今後の成長が楽しみです。
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