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香雪園の「園亭」(函館・見晴公園)

2024-03-24

函館の市街地からちょっと外れた場所にある見晴公園。
敷地の大部分は明治時代の富豪・岩船氏が造った庭園で、豊かな自然や歴史ある建物などは「香雪園」の名で庭園としては道内唯一の国指定文化財となっています。

見晴公園(2023年11月撮影)
道南では数少ない紅葉の名所として有名

さて、その中にぽつんと「園亭」と呼ばれる茅葺の建物があります。

園亭

実はこの園亭を借り切って使用できるということを知り、借りてみました。
13時~17時まで使って、750円。

ふだんは内部が公開され一般の見学者が入ってきますが、冬季は公開が中止されます。つまり、借り切って使用した場合、ほかの人が誰も入ってこないのです。
冬季以外も有料での借り出しはできますが、座敷を取り囲む廊下にはばんばん見学者が入ってきて、なんだか気まずいことになります。よって、借りるなら冬がおすすめです。


庭園と同時に建てられた園亭は築100年をゆうに超えますが、2004~2008年に復原修繕工事(間取りを当初のものに戻す工事)が行われたこともあり、とても綺麗です。
数寄屋造りと書院造が融合した造りらしいですが、詳しいことはわかりません。あまり興味がないもので、すみません。

座敷からは前庭が見渡せます。写真にはうつっていませんが、池があって、この日は真っ白に凍っていました。

畳は新しく、いいにおいがします。
なお、無料での見学で立ち入れるのは後述する廊下(縁側?)のみで、畳のスペースに足を踏み入れることはできません。ここは、お金を払った人の特権ですね。えっへん。

そして、この畳の下には床暖房が入っています。ぽかぽかの畳、めちゃくちゃ気持ちよかった……。
ごろりと横になってうたたねをするも自由です(公園管理の方がおっしゃっていました。公式発言です)

前庭に面した廊下がこちら。
南に面した窓から光が降り注いで、廊下に模様を作り出します。
このきらめきを見た瞬間に、元が取れたなと思いました。それくらい、自分好みの風景。

射し込む光が水面のようにゆらゆらしているのは、ガラスが均一ではないからです。
建築当時のガラスは技術力の関係でまっすぐに作れなかったのではないでしょうか。ガラスそのものを見てみると、ところどころに気泡が入り込んだあとも見えました。趣深い。

襖の一枚一枚にもガラスがはめ込まれています。
何気なく撮った当時は何とも思いませんでしたが、これ結構オシャレなのでは?

まぁとにかく光が綺麗で、いつまでも見ていたくなるような素敵な建物でした……と言いたいところですが、園亭のまわりは高い針葉樹の木立に囲まれていて、午後の早い時間には日陰に入ってしまいます。
上の写真たちも、借りてすぐの時間にあわてて撮ったもの。すぐに日陰になってしまいました。
この日当たりを求める人は、午前中に借りたほうが良さそうです。


そんな園亭ですが、施設の方の話によると、冬の間の貸切利用は「月に2件くらい」とのこと。
もったいないのでこれからもどしどし利用しようと思います。和装ポトレとかやりたいなあ。


Camera: LUMIX GH6
Lens: LEICA DG SUMMILUX 25mm F1.4 II ASPH. 
         SIGMA 16&56mm F1.4 DC DN Contemporary

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