【読書】山本文緒『自転しながら公転する』
2023-12-07
読みました。文庫版(新潮文庫)です。
いやぁ、プロローグにやられました。読み終わってすぐ、再読…。
都はあれだけ変われない境遇を嘆き、自分本位な自身に失望していたのに、エピローグから察するに、たぶん変わることはできなかったのだろうなと。
「喉元過ぎれば~」ではないけれど、
何かを決断することの積み重ねでいまの場所を掴み取ったはずなのに、
人はそれを簡単に忘れて、
それが当たり前だと思い込んでしまう。
そんな人間の弱さ、図々しさが生々しい。
そういえば、自分自身、都と同じ32歳。
ここからの2年間で、この小説みたいに色々なことが起きるかも…起きてほしい…なんて思ってしまうほど、平坦な日常。外は寒いし、部屋は寂しい。
でも、何かに遭遇するためには、まず夢中になれる人や作品に出会わないといけない。
そのために、仕事終わりにちょっと外を出歩いてみるとか、本屋に入って気になる本を買うとか、行動をしないといけないなと。
都も思っていたように「何事も決めないままの状態でずるずる付き合い続けることは、もうできない」(p.497)わけで、惰性を断ち切って、刺激を求めていこうと思ったのでした。
(という勢いで、気象予報士試験の勉強を再開しました。朝にテキスト読むと1日いい気分なので、頑張って続ける、予定)
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?