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スマートラウンドがFounders Fundのスカウト・ファンドなどから資金調達したわけ


みなさん、こんにちは。スマートラウンド代表の砂川(@SunagawaSunny)です。発信が苦手な僕はこれが初noteです。正直に言うと、弊社の優秀なCOOに指示されて書いてます。なんか、すみません。

先日、弊社スマートラウンドが米国Founders Fundのスカウト・ファンドであるFF APAC Scout(以下「FF」)などから資金調達をしたことをプレスリリースさせていただきました。

ご存知の方も多いと思いますが、今回出資いただいたFFの運営元は、「ベストセラー『ゼロ・トゥ・ワン』の著者としても知られるPeter Thiel(ピーター・ティール)氏が率いるベンチャーキャピタルのFounders Fund」でして、米国でも超有力なVCのひとつです。

ありがたいことに、自社のプレスリリースでは(大人の事情で)カバーしきれなかったファンドや登場人物の詳細は、BRIDGEさんに(英語と日本語両方で)報じていただきましたので、そちらもぜひご参照ください。

プレスリリースした結果、なぜFFなのか、どうやって資金調達したのか、といったご質問を多くいただいたので、今回は前者の「なぜFFから資金調達したのか」について、その背景や当社の考え方をお話ししたいと思います。

ちなみに後者の「どうやってFFから資金調達したのか」は、次回、実務詳細や困ったポイントを交えて詳しくお話しさせていただきます。


投資家とスタートアップの情報の非対称性


はじめに、弊社スマートラウンドのご紹介をさせてください。スマートラウンドは、僕が自身のキャリアとして投資家とスタートアップを行ったり来たりする中で感じた「投資家とスタートアップの情報の非対称性」を解消するため、2018年5月に創業した(弊社自体も)スタートアップです。

スマートラウンドは「スタートアップ・ファースト」を理念に掲げ、スタートアップが事務作業に取られる時間を極力削減できるように、必要となるマニュアル・テンプレート・ツールを開発・提供しています。

もっと具体的には、資本政策smartround、経営管理smartround、会社紹介smartround、ライブラリsmartround、資金調達マニュアルを提供しています。ご興味ある方は、ぜひ以下リンクからご登録ください。無料です!

自社もスタートアップであるスマートラウンドが、他のスタートアップのためのサービスを提供できるの?と不思議に思われたかもしれません。でも、実はそこがこの記事のポイントでもあるのです。順をおって説明しますね。


これまでの資金調達


スマートラウンドでは、昨年3月に最初の外部調達であるシード・ラウンドを実施し、島田亨さん、孫泰蔵さん、有安伸宏さん、中川綾太郎さんなど各世代の著名なエンジェル投資家20名強に当社の株主になっていただきました。

この時調達した資金で、弊社はサービス開発をすすめ同年7月にサービスを正式ローンチし、2020年2月には累計ユーザーが1000社を超えました(プレスリリースし忘れました😭)。

こうした事業の進捗をみながら、弊社では次のマイルストーン到達に向けて、昨年末からプレシリーズAの資金調達に向けて動き出しました。

その後、紆余曲折あったのですが(その詳細はまた次回)、3月31日と4月30日にJ-KISSをFFなどに割り当て、プレシリーズAラウンドをクローズすることができました。

なお、今回の資金調達はもともと3回に分けてJ-KISSを発行する計画で、その3回目を5月末にクローズする予定なので、最終的にはもう少し調達する予定です。ご興味ある方はご連絡ください😁。

戦略的な意味


スタートアップにとっての資金調達は、単に資金を調達すればいいというものではありません。誰からどのタイミングで出資してもらえれば、お金以上のメリットが得られるかを考えながら、調達額や持分のバランスを吟味する必要があります。詳しくはsmartroundの「資金調達マニュアル」をご覧ください。

投資家が潜在的ユーザーになる弊社スマートラウンドは、なおさらです。

まず1回目のシードラウンド。砂川は自分自身がエンジェル投資家なのに、なぜわざわざ他のエンジェル投資家に出資してもらったのか、と思われるかもしれません。

答えは簡単です。smartroundの初期ユーザーとしてサービスを活用してもらうべく、エンジェル投資家の皆さまに弊社の身内になっていただいたのです

ちなみに、弊社株主の方々(およびパートナー各社)とsmartround上でつながったスタートアップは、smartroundのスタンダードプランを無料でご利用いただけます。ぜひお試しください。

そして2回目のプレシリーズAです。なぜFFなのか。

海外展開の道筋をつけるためです。

僕は以前、アメリカでGlobespan Capital Partners というベンチャー・キャピタルで働いていたことがあります。その経験から学んだことは、インサイダーにならないと相手にしてもらえないこと、ベンチャー・キャピタルには明確な序列があること、です。

今回、成功した起業家たちの資金を運用するVCであるFF、Zyngaの共同創業者であるJustin Waldron、ヒスパニック系起業家の世界トップ10のうちの1人に選ばれたMatias de Tezanosに投資してもらったのは、アメリカでもトップティアのインサイダーである彼らに認められることで、初めてアメリカのスタートアップ・エコシステムにも入ることができるからです。

投資はボーダレスです。日本の投資家は、すでに海外のスタートアップに積極的に投資していますし、これからは日本のスタートアップも海外投資家から資金調達することが普通になるでしょう。

smartroundは、FFなどのネットワークを足がかりに、こうしたボーダレスな投資活動をサポートし、世界のスタートアップと投資家の業務を効率化するサービスを目指していきます

今回の資金調達は、その未来を実現するために戦略的に必要なピースだったのです。


実験的な意味

スマートラウンドによる資金調達には、もう一つ重要な目的があります。それは自社が実験台となり、その経験を広く他のスタートアップに還元する役割を担うというものです。

僕はこれまで、起業家、エンジェル投資家、ベンチャー・キャピタリスト、LP投資家、といった立場からファイナンスに関わってきました。なので、ある程度の知識はあります。とはいえ、ファイナンスの考え方や手法は、時代とともに進化していき、これまでの常識はすぐに陳腐化してしまいます。

したがってファイナンスの実務にかかる知識は常にアップデートしていかなくてはなりません

投資家は投資を生業にしているため、経験も多く、豊富な知見をもっています。ですが、誤解を恐れずにいえば、それはあくまで投資家としての知見であり、投資家はスタートアップの視点で経験を語ることはできません

だからこそスマートラウンドは、自らがスタートアップのひとつとして、

・数多くのエンジェル投資家から出資してもらったらどうなるのか
・日本政策金融公庫から資本性ローンを借りたらどうなるのか
・J-KISSを繰り返し発行したらどうなるのか
・アメリカの投資家にJ-KISSを割り当てようとしたらどうなるのか

など実際に自社でやってみて、得られた知見をまとめ、それを他のスタートアップに共有していこうと考えているのです。

スタートアップはファウンダー・マーケット・フィットが重要といいます。

それは創業者が、現場の課題を肌身をもって感じている必要があるからです。僕はそういう意味では、間違いなくこれまでもマーケットのど真ん中にいました。

それでも過去の経験や知識で満足することなく、これからもみなさんと同じ、一介のスタートアップ経営者としての学びを、全力でサービスに反映していきたいと考えているのです。

次回の予告

次回は、「アメリカの投資家にJ-KISSを割り当てようとしたらどうなるのか」についてお話しします。

もともとJ-KISSは、当時の500 Startups Japan(現Coral Capital)の方々や増島雅和先生が中心となって、アメリカの500 Startupsが提供しているコンバーティブル ・エクイティ「KISS」を参考に、日本の会社法にフィットする形で開発されました。

コンバーティブル・エクイティ自体はアメリカの方がはるかに普及しているので、J-KISSはすぐに理解してもらえたのですが、それとは関係ないところで時間を浪費してしまいました😭。詳しくは次回!


僕の紹介(最後でいいって言われました)

僕の経歴やスマートラウンド創業のお話しは他のメディアでお話ししているので、もしご興味があればそちらをご参照ください。

 INITIAL / KeyPlayers / Startup Times / Voicy

人材募集しています!

弊社スマートラウンドのチームにジョインしたい方、ちょっと話しを聞いてみたい方は、こちらをご参照ください!


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