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「SmartHRのサービスサイト」の未来を考える。担当者2名が語る、仕事のリアル

SmartHRの玄関口とも言えるサービスサイトは、SmartHRをまだ利用していない方にサービスの魅力を伝える重要な役目をはたしています。同時に、改善や変更の依頼が社内のさまざまな部署から届くため、運用は一筋縄ではいかないといいます。

今回は、アートディレクター(以下、AD)のmasaさん、マーケターのota.kanaさんのお二人に、サービスサイト運用の現状と今後について話を聞きました。運用メンバーが一時期2人だったという状態から、これまでどのように体制を整えてきたのか。そして、現在動かしている施策と、サービスサイトのこれからについて、教えてください。


社内は2人から4人、そして7人へ。サービスサイトの運用体制

ーーはじめに、サービスサイトの現在の運用体制を教えてください。

masa:社内メンバー4名と外部パートナー10名ほど(※どちらも取材時点)で運用しています。企画や要件の詰め、意思決定を社内メンバーが、実際のサイトの制作部分を外部パートナーに進めていただいています。

社内の担当者は、マーケティング領域とコミュニケーションデザイン領域のメンバーで構成されています。具体的には、プロジェクトオーナーがota.kanaさん(ウェブサイトマネジメントユニット所属)、プロジェクトマネージャーがRさん(サービスディレクションユニット所属)、ディレクターがsawaさん(サービスディレクションユニット所属)、アートディレクターが私(サービスデザインユニット所属)です。

パソコンを置いた机に向かって、左を向いて座る女性の横顔。奥には大きなモニターが写っている。
【masaさん】株式会社SmartHR ブランディング統括本部 サービスデザイン部所属。
ウェブ制作会社にて、デザイナーとしてのキャリアをスタート。2021年12月よりSmartHRに入社し、デザイナー・アートディレクターとしてサービスサイトの運用に携わる。

ーー運用が現在の体制になったのはいつごろでしょうか?

masa:直近1年ほどだと思います。外部パートナーが複数社いたためコミュニケーションに時間がかかっていた時期もありましたが、ようやく体制の土台が整ってきましたね。

ota.kana:社内のメンバーが2人のときもあったんですよね。

【ota.kanaさん(太田 佳那さん)】株式会社SmartHR ブランディング統括本部 デジタルコミュニケーション部所属。
新卒で不動産IT企業に入社。Web広告、アプリ運用などデジタルマーケティングに従事。2021年12月にSmartHRに入社。入社からサービスサイト運用に携わる。

masa:そうなんです。効率的に進める方法を検討した際に、外部パートナーを1社に絞り、社内メンバーを増員した現在の形に落ち着きました。また、2024年中にサービスサイト担当として3名のご入社予定があり、今年は体制が大きくパワーアップしそうです。

ーー続いて、具体的な業務内容を教えてください。

ota.kana:マーケティング、カスタマーサクセス、セキュリティ、法務といった社内のいろいろな職種・部署からさまざまな依頼があります。内容や粒度、重要度もさまざまで、たとえば数字の修正、新規ページの構築、利用規約の更新などがあり、これらをサービスサイトに反映させていく部分を私たちが担当しています。

ーー依頼対応以外ではどのような業務がありますか?

masa:SmartHRのサービスをリリースしたのが2015年11月。それから9年弱の長いあいだ現在のサービスサイトを運用しているため、どうしても構造的な負債がたまってきてしまっていて。まずは、それらを解消するプロジェクトを進めています。ただ、正直なところ現在は平常的な運用業務にリソースを使ってしまっているため、本当は能動的な動きをもっと増やしていきたいと思っています。そのために、まだまだ積極採用中です。

ota.kana:「たくさん依頼してしまった……」など気にせず問い合わせてもらえるように、さらに依頼数が増えても対応できる、強固な運用体制をこれからつくっていきたいです。

変化が大きく裁量も与えられているので、難しくておもしろい

ーーサービスサイトを担当する難しさやおもしろさをどんなところに感じますか?

masa:SmartHRのサービス自体と組織の成長に伴い、プロダクトや施策数が増え、各部署からの相談数が増加しています。一つひとつの情報を収集し、依頼の交通整理をしながら、社内の要望とユーザーのメリットを踏まえた意思決定をするのはとても難しいですね。
同時に、その落としどころを探りつつ最終的なアウトプットに着地させるプロセスそのものが、やりがいがあっておもしろいと感じています。

また、変化や成長のスピードが速いので飽きることは無いですし、重要な判断をする場面も今後さらに増えていくと思います。しっかりと裁量が与えられているので、「サービスサイトのあるべき姿」「サービスサイトをこうしたい」という強い意思を持って推進できるおもしろさがありますね。大変でもありますが。

ota.kana:サービスサイトに限ったことではないかもしれませんが、バランスをとるのはたしかに難しいと思います。たとえば「事業貢献のために〇〇のLP(ランディングページ)がほしいです」という依頼をいただいた場合に、スピードや費用の制約の中でSmartHRとしてのブランドに求められる品質も満たさなければなりません。「必要最低限のもの」「最高の状態のもの」その間で、そのときの状況に応じてバランス感のある判断が必要な仕事だと感じています。これがとても難しいです。

また、各部署でみんなが頭を捻って施策や企画を考えている。それがサービスサイトへの依頼という形でたくさん届くのは、ありがたいことだと感じています。しかし、今後私たちが柔軟に変化し成長していかないと、より良いものを提案し一緒に作り上げていくどころか、依頼の対応だけでも追いつかなくなってしまうかもしれない。そういった変化の大きい環境に身を置いて活動できるところはSmartHRならではだと思いますし、楽しいです。もちろん辛いこともありますが、裁量が与えられた状態で成長できるのはおもしろいですね。

ーー「これはADならではだな」と思うおもしろみはどんなところでしょうか?

masa:依頼者と会話するなかで、課題とやりたいことを把握し、それをどういった形でアウトプットするかを一緒に考えていく点にやりがいを感じています。初期フェーズから施策に深く関われるのはおもしろいです。ただ、現在は人手が潤沢ではないこともあり、抜本的な動きはまだ多くないと思っていて。これからメンバーが増え、ADらしい動きが増えていきそうです。

ota.kana:「このルールのなかで、素材を使ってつくって」という仕事ではないですね。

masa:そうですね。「運用」と聞くと、ガチガチに決められたなかで進める印象があるかもしれませんが、常に「どうしたらもっと良くなるか」とか「こういう表現のほうが良さそう」を模索し育てていけるのがサービスサイトだと思っています。

ota.kana:裁量が与えられているからか、私はサービスサイトを「手触り感がある」と思っていて。本当はサービスサイトって、会社のものであり、ユーザーさまのためのものですし、決して誰か個人のものではないんですが、自分が携わってきたという実感を持てています。

masa:サービスサイトは変化の余地が大きいですからね。

ーーサービスサイトを「家」にたとえた場合に、依頼者は家の全容を把握しているわけではない。そのため「庭をつくりたい」というリクエストをしていても、本当はすでに裏手に庭があることに気付いていないだけ、という場面もありそうですね。

masa:そうですね。そして、今後プロダクトの成長に合わせてさらに大きな家になっていくと思います。全体を見てどこに何があったらいいのかの配置を検討し、バランスを見ながら新しく追加の決定をする仕事です。

ユーザーの体験を追求し、サービスサイトを最適な状態にしていきたい

ーー現在は「依頼対応に追われている」というお話でしたが、今後メンバーが増えた場合に挑戦してみたいことはありますか?

masa:ユーザーの体験として「本当によいコンテンツか」を検証し、ブラッシュアップしていきたい思っています。現在も定量的な結果を元に改善をしていますが、今後は定性的な結果も見ることで、精度を上げていきたい。
たとえば、ユーザーインタビューなどを通して、ユーザーの体験を見直し、最適な状態にしていきたいですね。

ota.kana:SmartHRのサービスサイトは、これまで社内の担当者も外部パートナーさんも代わってきた過去を経て、現在の形があります。そのため、1つのパーツがいろいろなところで使われていたり、まだルールの定まっていないところがあったり、運用するうえで判断に迷う場面が多くありました。
その課題に対して、パーツを整理しガイドラインを整備することで、現在は運用を整えている最中です。そのため、今後サービスサイトの運用に関わる方は、それらが一定定まって運用に迷わない状態になってからご入社いただく想定です。
masaさんに同意で、土台が整った段階での、ユーザーヒアリングや定性面でのブラッシュアップは私もぜひやりたいと思います。おもしろそうですし、楽しそうだなと。

masa:2024年1月の大きな体制変更のタイミングで、サービスサイトのオーナーをもつ「ウェブサイトマネジメントユニット」というチームが新しくできたんですよね。

ota.kana:それもあって、今後はブラッシュアップの方向に舵を切っていけると思っていて。
これまでは、職種に関わらずみんなで同じゴールに向かって、みんなで進めているようなところがありました。その進め方のよいところは引き継ぎつつ、さらにガイドラインが定まることで、メンバーがそれぞれの目的に注力しやすくなると思います。

きちんとした意思決定で、本質的に人の役に立つものを

ーー少し話題を変えて、キャリアについてお聞きしたいです。SmartHRに入社するまでの経歴を教えてください。

masa:
1社目は、制作会社でデザイナーをしていました。主にウェブを制作する会社で、いろいろな業界やお客さまと接するおもしろさを感じながら働いていましたね。しかし、クライアントワークのため「つくったら終わり」という側面があり、仮説を立ててリリースしたものを中長期的に育てるところまでやりたいと思って、2社目としてSmartHRに入社しました。

ota.kana:私もSmartHRが2社目で、前職では1人でマーケティングを担当していて、ウェブサイトの制作はファーストキャリアの一部でした。

ーーでは、今後のキャリアの展望を教えてください。

ota.kana:全社のものであるサービスサイトに対してきちんと意志決定できるようになりたいと思っています。マーケティング活動と制作の領域両方の経験があることは、プロジェクトオーナーという役割にマッチしていると思っています。前述のとおりバランスをとる仕事でもあるので、双方を単につなぐだけではなく、「バランスをとってくれてありがとう、それを待っていたんだよね」と思われる動きをしたいと思いながら仕事をしています。

masa:私は「コンテンツを育てたい」という思いでSmartHRに入社し、体制の土台が整うことで、やっとこれからそこに着手できそうだと思っていて。また、本質的に人の役に立つものをつくりたいという気持ちをずっと持っています。定性的な部分の解像度を上げながらデザインの改善をする。その引き出しを増やしたいし、そのプロセスを経てデザインに活かせるようになりたいと思っています。

ーー仕事に限らず、10年後、20年後を見据えて「今後こうしていきたい」と思うことはありますか?

ota.kana:突然哲学っぽい話をするんですが、「いつもいい人でいたい」と思っています。いいことしかしたくないし、いい人でありたい。それを前提として、企業のミッション・ビジョン・バリューに納得できているならば、自分の人生の計画ともズレないと思います。

masa:ota.kanaさんが思う「いい人像」が気になります。

ota.kana:「こういう行動をする人がいい人」というわけではなく、そのときどきに応じて「“いい”とは何か」をきちんと考え実行する人がいい人だと思っています。自分のできることのなかで、そのタイミングでの最善を尽くせたか。「最善」をよりよいものにできるよう、自身のキャパシティーを広げていきたいと思っています。

masa:私は、今後ライフステージが変わった際に、どうやって仕事と生活のバランスをとっていくかを考えることがあります。そのうえで、人の役に立ち、機能するものづくりを続けていきたいですね。
また、いろいろなスキルや性格の方と一緒に何かをつくることに喜びを感じるので、今後もチームで働いていきたいと思っています。

サービスサイトの未来を考え、変化していくアートディレクター

ーー絶賛採用中の「サービスデザイン領域のAD」ですが、どういう方と一緒に働きたいかを教えてください。

masa:サービスサイトの運用に段階があるとしたら、今は大きくステージが変わるタイミングだと思っています。まずは構造的に負債になってしまっている部分を解消することで、新しいチャレンジの土台を作る。そしてオーナーシップをもつユニットができて、メンバーも増える。今はそういう変化のフェーズかなと。

そのため、私たちと一緒にサービスサイトの未来を考えてくれる方と一緒に働きたいですね。よりよくするためのアプローチを検討し、アイデアを出してくださる方。「運用」と聞くと地味な印象を持たれると思うんですが、ものすごくポテンシャルのあるコンテンツだと思っているんです。たしかに地味な対応もたくさんありますが(笑)

ota.kana:(笑)

masa:あとは、サービスや組織の変化に合わせてコンテンツを育てていける方、サービスサイトの可能性を探っていける方、そして大前提として、ユーザーに興味を持ち深く知りたいと思うことも大切だと思います。

また、あらゆる部署から依頼が集まってくるので、社内の動きにアンテナを張れる方だとハマりやすいと思います。変化のスピードも速いので、俯瞰して全体を見て、常に少し先のことも考えられると良さそうです。

ota.kana:好奇心旺盛で、かつ自分のアイデアをアウトプットまで見届けたい人でしょうか。ある意味では、責任感の強い方がマッチすると思います。背負ってほしいという意味ではなく、一定の裁量があって、建設的な議論を通じた提案が受け入れられやすい環境なので、どんどん提案し、それを最後までやりきる力が求められているためです。

また、急拡大してきたものを、一定収束させていくフェーズに差し掛かっているとも思っていて。いろいろなメンバーがそれぞれの目標のためにさまざまな挑戦をしているタイミングなので、それらに寄り添い一緒に考えながら収束させることが好きな方だと、楽しめると思います。

masa:たしかにそうですよね。依頼者のさまざまな考えに寄り添える柔軟性と共に、施策に対してアイデアを出し実現させる力も必要。

ota.kana:サービスサイトの意志決定をする身としては、アートディレクターはプロフェッショナルで必要不可欠なポジションだと、今とても感謝しています。これからも背中を預け合える関係を築いていきたいと思いますし、一緒に頑張りたいです。私たちも楽しみながら進めているので、一緒に楽しめる方をお待ちしています。


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