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SmartHRのCFOを交代しました

こんにちは、玉木(@tamaki-ryo)です。本日9/28に役員人事に関するお知らせが発表されました。

今回の役員人事により、CFO(最高財務責任者)が私から森雄志さんへ変わり、私は共同創業者の内藤研介さんから監査等委員を引き継ぐことになりました。

2018年1月にCFOに就任してから約6年の間、SmartHRが組織も事業も大きな成長を遂げる中で、私自身がサクセッション(後継者育成・選任のこと)についてどう考えてきたかを自分の振り返りも兼ねて今回は書いてみます。

2018年:実は当初から頭の片隅にはあった

実は就任当初からサクセッションについては頭の片隅にありました。と言うと「最初から長く続ける気がなかったの?」と思われるかもしれませんが、そういうことではありません。

CFOに限らず、いわゆるCxOと言われる役職はその会社のとある幅広い分野における最高責任者です。つまり、会社のその分野がどれだけ優れているかはそのCxOを務める人次第でしょうし、逆に会社のボトルネックになってしまう可能性もあります。成長と変化が常に求められるスタートアップならなおさらです。

また、永続的に成長する偉大な会社を目指そうとするなら組織の世代を超えた持続可能性は必須でしょうし、当然ながら1人の人間が責任者を務められる時間には限りがあります。

そういったことをぼんやりと考えながら、自分が「これから何をやっていくか」ということだけでなく、「どうなったら次の人に引き継ぐべきか」を頭の片隅に置いて考えていこうと思ったのを今でも覚えています。

2020年:意識しはじめたのはシリーズC後

入社以降、コーポレートの体制づくりや資金調達などを行う中で、会社のフェーズが明らかに変わったなと感じる出来事がありました。2019年のシリーズCの資金調達です。

シリーズCでは当時は珍しかった海外の投資家も参加し、グローバルに活動している彼らからも高い評価と関心を得ることができました。新たな資金を得てさらなる成長へと向かう一方で、それだけの高い期待と責任を受けることにもなりました。

コーポレートサイドでは、シリーズC以前は「比較的コンパクトで柔軟性と小回りの効くコーポレート組織」を志向していたのですが、そんな変化を受けて、シリーズC以降の2020年には「様々なコーポレートアクションを仕掛けられる専門性の幅と深さのある組織」を目指す方へと舵を切るようになりました。具体的には経営企画やIR、カンパニーセクレタリーといった職種の採用やチームづくりを進めていったのがこの時期です。

それまでは個人の兼任と力技でなんとかやりくりしていた業務も、専門性の高いチームができることで、やれることの幅も業務一つ一つのクオリティも格段に上がり、権限委譲も進みました。

こういった組織の変化を肌で感じ、CFOの役割も「自分がやれるところまでやる」という受動的サクセッションではなく、「より良い適任者を探して、その人に引き継いでいく」という能動的サクセッションを考えるようになりました。

2022年〜:CEOの交代を経て

2022年にSmartHRでは代表取締役CEOの交代という大きな出来事がありました。

この交代に背中を押されたのもあり、また、自分以外の適任者に確信を持ちはじめたこともあり、その当人とCFOのサクセッションについて話しました。今から1年半前のことでした。

その当人がシリーズDの大型調達の立役者でもあり、今回CFOに就任された森さんです。とはいえ当然ながらCFOの選任は私の一存で決めていいことではなく、社内の周囲の方々はもちろんのこと、取締役会や指名委員会、株主など多様なステークホルダーから納得感を得る必要があります。

そのためにも、森さんにはこれまでの主要業務だった財務企画とIRに加えて組織マネジメントの役割をより厚めに担ってもらうことで、経験と実績をさらに積み上げていってもらいました。2021年のシリーズDの頃から既にリーダーとしての片鱗を見せていた森さんですが、この1、2年でさらにリーダーシップに磨きがかかったと思います。

そんな折に、監査等委員を務めている内藤さんより「これからの組織規模や事業成長を考えて、より適任者に役割を渡したい」という申し出があり、「その適任者は玉木なのでは」という話が持ち上がりました。客観的に自分のこれまでの経験や特性を踏まえると、自分が適任者だろうなというしっくりくる感じもありました。

また、正直なところ自分のCFOのサクセッションの準備を進めながらも交代のタイミングをどう作ったらよいのか決めあぐねていたこともあり、直感的に「今がそのタイミングなんだな」と思い、今に至ります。

これまでの感謝と今後に向けて

上にも述べた通り、これから先のSmartHRにとって森さんが最もCFOという役割に適している人物です。財務戦略や資本市場との向き合い方だけでなく、本質を突き詰める姿勢や意思決定力、周囲を巻き込むリーダーシップなど、私自身、森さんのことを「信頼している」と言うよりも「尊敬している」部分のほうが多いように思います。

また、これから先のSmartHRのコーポレートを担うのは森さんだけでなく、チーム全体がそうです。今回サクセッションがスムーズに進められたのは業務執行力の高い優れた組織があったからです。これまで一緒に働いてきてくれた皆さんにこの場を借りて心より感謝を申し上げます。

今回、私はCFOという役割を森さんにお渡しするのと同時に、自身も内藤さんから監査等委員という役割を受け取る側になります。

あまり表に出ることが少ないため知られてない事が多い監査等委員ですが、SmartHRが監査等委員会設置会社に移行して以後、取締役の業務執行の監督というガバナンスの中核を担っている重要な役割です。言うなれば、会社がアクセルとブレーキの最適なバランスを取るための最後の制御装置のような存在です。

SmartHRの組織が拡大し、今まで以上に持続可能な成長を目指していく上で、監査等委員に求められる役割はより重要になっていきます。内藤さんがこれまで積み上げてきたものをしっかり受け継ぎ、さらに自分のCFOとしての経験を加えることで成長を後押しするガバナンスの強化に貢献していきます。

おわりに

「SmartHRの強みは?」と聞かれたら「プロダクト」と答える人もいれば、「カルチャー」と答える人もいるかもしれません。他の答えもたくさんあるでしょう。ですが私は「状況に合わせて変化し続けられる組織」を挙げます。

私が入社してからわずか6年の間に事業と組織の急拡大、コロナウイルスの大流行、資本市場の冷え込みなど、内部環境・外部環境ともに大きな変化がたくさんありました。そんな中でも会社が安定して成長しているのは組織が変化し適応し続けているためだと思います。

あくまでサクセッションはその変化のための手段の一つに過ぎないのですが、与える影響は良くも悪くも大きく、踏み出すにはかなり勇気のいるものです。

SmartHRでは創業者の宮田さん・内藤さんだけでなく、これまで数名の執行役員・VPといった人たちがその役割を退き、次へとバトンを渡してきました。そういったことの繰り返しが組織に文化として根付き、会社を強くしていくのだと思います。

事業の成長を支える強い組織をつくるために、これからも変化を厭わず常に自分や組織をアップデートしていきたいと思います。

最後に、会社での役割はこれまでとは変わりますが、これからも変わらぬお付き合いをよろしくお願いいたします!

最後に3つだけお知らせです

1. 動画:CxOが勢揃いして、SmartHRのこれからを語る会 〜事業と組織と戦略と〜

今回の役員人事を経てSmartHRはどこに向かっていくのか?新任のCFO森さん、CPO安達さんに加え、CEO芹澤さん、COO倉橋さんのCxO陣4名で組織やプロダクトなどSmartHRのこれからを語っている動画を公開しています。

この4人で話している画は社内でも初出です!ぜひご覧ください。

2. イベント:SmartHR社、CFOサクセッションの舞台裏

10/11(水)18:30より、「SmartHR社、CFOサクセッションの舞台裏」と題したイベントをNstock社主催で開催します。主にスタートアップのCEO、CFOを対象とした内容になる予定です。
登壇者は私と新CFO森さん、モデレーターはNstock代表でSmartHR創業者でもある宮田さんです。

抽選制ですが、ご興味をお持ちいただいた方は以下の申込みフォームよりご応募ください。

【申込フォーム】10月11日(水) SmartHR CFOサクセッションの舞台裏 by Nstock

3. イベント:SmartHR公開雑談!プロダクトチームの責任者が語る”ここがまだまだ!SmartHR”

10/17(火)19:00 10/31(火)19:00より、SmartHRの開発サイドの課題を紐解くオンラインイベントを開催します。(※事情により日程変更となりました)
PM組織、エンジニア組織、プロダクトデザイン・プログレッシブデザイン組織をそれぞれを管掌する安達さん、森住さん、宮原さんの3人が、まだまだ未完成なSmartHRのプロダクトや組織について語り合うイベントです。

こちらは抽選はありません。以下のイベントページよりご応募お待ちしております。

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なお、SmartHRは全方位で絶賛採用強化中です!
今もこれからも変化を続けるSmartHR、興味のある方はぜひカジュアル面談にご応募ください。