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【不正を防ぐ】オンライン試験「スマート入試」の開発の裏側をインタビュー

「これまで存在してなかった市場に対して、存在してないサービスを提供しようとするのでわからないことだらけでしたね。」

そう話してくれたのは、運用開始から約2年になるスマート入試事業責任者の瀧澤です。今回は、スマート入試の広報を担当している株式会社サーティファイの増田スマ子が、スマート入試の開発秘話やきっかけなど、当時のお話を聞いていきます。

<こんな方に見てもらえると嬉しいです!>
・大学や大学院、専門学校の入試担当の方
・企業の人事担当の方
・新規事業の立ち上げをする予定のある方/立ち上げ中の方
・入試や採用試験のオンライン化に興味のある方

logo_スマ入

①2名から始まったスマート入試プロジェクト

-スマート入試を立ち上げたタイミングはいつですか?

瀧澤:スマート入試の運用開始は2021年の6月からです。ただ、プロジェクト自体の開始はその1年前の2020年6月くらいから始まっていました。

今から約2年前にスタートしたということはほぼ新型コロナウイルスが広がった時期と同じ…!新型コロナウイルスは働き方やライフスタイルだけでなく試験の実施方法も変えたということですね!
そしてその後、1年間の構想を経て運用が始まったというこということに!

ー立ち上げ当初のプロジェクトメンバーは何人体制でされていたんですか?

瀧澤:2名ですね。責任者として私と、戦略やマーケティグを行う担当の2名でスタートしたプロジェクトになります。

2人で始まったというところに歴史を感じます。そして現在のチームは5人体制です!それにしても、2人で事業を始めるって何から始めるのでしょうか。気になります・・・。だだ、今回は全体について聞きたいので一旦おいて次の質問に行きましょう。

ーところで、スマート入試を立ち上げたきっかけはなんだったのですか?

瀧澤:当初は検定試験を地域・場所にとらわれず受験していただきたい…という想いからスタートしました。そして、新型コロナウイルスで検定試験の実施が難しくなったことによって、検定試験を受験いただいている団体(教育機関、会社等)の担当者様からも「何とかならないか」と声が寄せられたため、開発のスピードを加速させました。
また、検定試験のオンライン化の仕組みができれば、当社の検定試験だけではなく、他の試験(入試、入社試験等)でも使えるのでは…と思い、スマート入試の立ち上げにつながりました。

やはり新型コロナウイルスの影響があったのですね。そして、そもそもが、検定試験から始まったところがサーティファイっぽいですね!(サーティファイはさまざまな検定試験を実施している企業なんです!)

プレゼン用資料(抜粋)

【事業の企画段階当時のプレゼン用資料】
この資料で社長と株主に対してプレゼンしたとのこと。

②『不正を見逃さない』がキーワード!『不正防止』を軸に開発がスタート

ー立ち上げの初期段階ではどんなことから始めたんですか?

瀧澤:試験をオンライン化しても、公平・公正で、かつ厳格性を担保するには何が必要か?を考えました。最初に考えたのは「試験中の受験生をどのように監督するか(不正に対する監視をどのように行うか)」でしたね。そのために「不正とは何か?」ということを原点に立って考えました。いわゆる不正の定義付けです。

たしかに、入試での不正はたびたび問題に上がっていますよね。受験生の人生を左右する入試だからこそ、「公平・公正」が最も大切です!ただ、オンラインで不正を見抜くのはすごく難しそう・・・・。

ー実際にどのような不正の定義付けを行なったのですか?

瀧澤:監督官のいる会場試験とは180度違うため、普段と違う角度から定義をイチから見直し、整理を行いました。第三者の存在、替え玉受験等などの不正行為は比較的わかりやすい定義となりますが、オンラインでは疑わしいモノ・行為は「禁止事項」としました。
オンラインであるがゆえ、当社が「不正である」と証明できないモノ・行為は、受験生にとっても「不正はしていない」と証明できないことにもなります。お互いに不幸を招かないためにも、疑わしいとされるモノ・行為は「禁止事項」として設定しました。

例えば、何度も俯いて手を動かしていたり、パソコンの向こう側に声をかけたりすることは不正が疑われますよね。しっかりと禁止事項を決めることは受験生を守ることにもつながります!

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【当初プレスリリースなどで使用していた不正に関するイラスト】
不正に関する情報をたくさん集めました!

ーシステムや仕組みの面ではどのような不正対策を行なったのですか?

瀧澤:まず、2つのカメラで監視する仕組みを考えました。
そして、オンライン試験時に、試験監督の役割をする「AI」の調査・選定に入りました。結果、2つのカメラと3種類のAI(現在は4種類のAI)を使って監視する仕組みを構築し、特許も申請中(特開2021-068432)です!
もちろん、元々「オンライン試験」という市場は存在してない上に、世の中にはなかったサービスを投入しようとするわけですから、企画書作りにも汗を流しました。

システムフロー概要

【システム連携フローや仕様を説明するために作った資料】
開発会社に説明するために、瀧澤が一人で作成した資料。
前例のないシステムなので説明資料を作るのにも苦労したとのこと。

ー実際の開発にあたり、苦労したことはどんなことですか?

瀧澤:そうですね。これまで存在してなかった市場に対して、存在してないサービスを提供しようとするのでわからないことだらけでしたね。手探りというか…仮説に次ぐ仮説…みたいな…(笑)
それでも、新たな市場に対して、新たなサービス(スマート入試)を一刻も早く投入したい想いでしたので大変だった…という感じはしませんでした。
むしろ、本当にこれでいいのか?この仮説は正しいのか?一緒に立ち上げたプロジェクトメンバーと毎日のように「壁打ち」していたことが印象に残っています。とにかくいろいろと勉強になりましたね。

毎日のように壁打ち!壁打ちをしてブラッシュアップをしていくことでどんどん良いものにしていったのですね。
実はこの雰囲気は今にも通じています。瀧澤は今も、私の隣の机で時には大きな声を出しながら(笑)、スマート入試メンバーとよく壁打ちをしています!

③これから新規事業を立ち上げる方へ

最後になりますが、同じような環境の中で新規事業を立ち上げる予定の方々もいらっしゃると思います。

ーそんな方々に何かお伝えしたいことはありますか?

瀧澤:いろいろな考え方があると思いますが…とにかくChallenge(挑戦)してみること、Chance(機会)を逃さず、Change(変化)を恐れず…しかもスピード感をもって…。
コンセプト、戦略・戦術も当然重要ではありますが、変化の激しい時代なのでスピード感も重要なファクターになると考えています。
そしてPDCAを高速で回して磨き上げていく…こうしたアクションが重要だと思います。 
話は逸れますが、私自身、何度となく失敗を繰り返していますが(笑)、こうした失敗の積み重ね(経験)こそが最大の武器になると信じています。
「成功」or「失敗」だけで括るのではなく、「武器を得た失敗」が多ければ多いほどより強い「成功」を導けると思っています。
そして「熱意」も大切ですね。「熱意」がなければ何も始まりません。
そして一人だけではなかなか進みません。プロジェクトメンバーと「熱意」を共有することも大切な要素かもしれないですね。

ー本日はありがとうございました!

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【愛用しているRollbahnの無地ノートとペンケース】
仕様、連携図、表、スキーム図を思いつくまま書くので、
紙とペンの方が早くて便利とのこと。
ペンケースがとにかくかわいいです(笑)

立ち上げ・開発の裏側を聞いてみて

最後の言葉にあったように「Challenge(挑戦)」「Chance(機会)」「Change(変化)」「スピード感」、そして「熱意」が重要なのですね。
普段の瀧澤を見ているとスマート入試を我が子のように大切にしているという「愛情」も、とても伝わってきます。

それにしても今までなかったサービスを開発して、社会に広めていくということで、今回のインタビューの中ではまだまだ見えていない苦労もたくさんありそうです・・・・。

ということで、今回の記事はスマート入試の開発の一番最初の部分についてお聞きしました。きっかけや新規事業を始める上での苦労などを知ることができ、勉強になりました!

また、今回インタビューをして、新規事業の立ち上げについて、2人で事業で始めたということで、どんなことから始めたのかなど、新たな疑問も出てきました。なので、次回はそういったところを中心に聞いていきたいと思います!

読者の皆様もこのようなことを聞きたいといったご質問があればぜひコメントをお待ちしています!

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