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約90%のコスト削減!交通系ICカードnimocaとLINEのアカウントを連携させて実現したこと

『約90%のコスト削減』・・・
こう聞くと、数字の大きさに怪しさすら感じる人も多いでしょう。しかし、これは九州の交通系企業がLINEを活用し、交通ICカードのチャージキャンペーンを実施した際に、実際に算出されたコスト削減効果です。

そして、コスト削減だけでなく、全国的にも前例が少ない交通系ICカードの“ビッグデータ”を活用したデータマーケティングもスタートを切りました。
今回は、九州の交通系レガシー企業がデータを利用しマーケティングDXを進めるために、LINEを活用したお話になります。

アカウントと連携したチャージキャンペーンを開始

2022年7月、交通系ICカード”nimoca”のIDとLINEのアカウントを連携させたチャージキャンペーンを実施しました。
具体的には、nimoca LINE公式アカウントからnimocaカードを登録・エントリーした方で、期間累計20,000円以上チャージした方にもれなく500ポイントを進呈するというもの。

※nimocaとは・・・九州最大の私鉄を抱える西鉄グループが発行する交通系ICカード(発行元は株式会社ニモカ)
※プレスリリース:https://linefukuoka.co.jp/ja/pr/news/2022/062915

チャージキャンペーンそのものの目的は、ごく一般的な“チャージ額を増やすことでその後のカード利用を促進する”というもの。
その中で、敢えてLINEのアカウントを連携した狙いとしては下記の2点がありました。

1.今後のLINEを活用したデータマーケティング推進のためにID連携を開始する

今回、一緒にプロジェクトを進めた株式会社ニモカは『皆さまに喜ばれ、愛される九州一のICカード』を目指しており、そのためには「カードの利便性向上」は欠かせません。利便性が高まれば、カード利用額の増加につながり、ニモカ社にとっても嬉しい結果となります。
 
しかし・・・ニモカ社はユーザーとのコミュニケーションに課題を抱えていました。

そこでエントリーの際、フォーム(LIFF)内にnimocaのカード番号を登録してもらうことによって、ユーザーのLINEのアカウントと連携出来るようにしました。
エントリー自体もLINE(LIFF)を利用することで、ユーザーはメールアドレスの入力等、手間のかかる会員登録をする必要がなく、簡単にエントリーすることができます。
このことによって、今後ユーザーの属性情報やカードの利用状況などから、ユーザー一人ひとりに合わせたコミュニケーションをLINE公式アカウント上で出来るようになり、抱えていた課題を解決出来るようになります。

サービス遷移図

また、今回1ヶ月のキャンペーン期間だけで、有効友だち数の約15%に相当する数千人のユーザーのID連携が実現し、データマーケティングのスタートとしてよい結果を残すことが出来ました。

2.マーケティング投資の無駄を省き、最適化を図る

ニモカ社では今まで、ユーザーのnimocaのチャージや決済に応じたキャンペーンを数多く実施していました。
 
しかし・・・ニモカ社はマーケティング投資について課題を抱えていました。今までのキャンペーンはチャージ履歴などのデータ上の条件を満たした人全員にポイントなどのインセンティブ付与をしていた為、キャンペーンを意図していないユーザーにもポイントを付与するという無駄が発生していました。

こちらも、上記同様にLINEを活用したエントリーの導入によってこれらの課題を解決しました。

また、キャンペーンの結果として、コスト削減率89.1%(※)という驚くべき数字が出ました。

一定の無駄が生じているとは推測していたものの、キャンペーン投資のほとんどが 参加した意図のないユーザーに渡っていたことが今回分かったことで、マーケティングの効率化の大きな成果を得ることが出来ました。

※算出方法は、今回施策(エントリーかつ2万円以上チャージ)を、エントリーを条件としなかった場合に発生したであろう費用で割る
※チャージ実数は非公開

■これから
「LINEを活用したデータマーケティング」も「マーケティング投資の最適化」もスタートさせたばかりです。
「LINEを活用したデータマーケティング」については、IDの連携数を増やす施策を進めつつ、具体的にデータを活用したセグメント配信案なども近日中の実施に向けて検討が進んでいます。

「マーケティング投資の最適化」も近日中に実施するキャンペーンにおいて同様にエントリー制で行い、その結果を検証していきます。
以上、九州の交通系レガシー企業がデータを利用しマーケティングDXを進めるために、LINEを活用し、大きな一歩目を踏み出したお話でした。

では、また次の記事でお会いしましょう!


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