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認識のズレを埋めるには「絵」と「マーク」と「つまり」でまとめる

スマートキャンプデザインブログ、haguriです。

だれかといっしょにプロジェクトを進めていると、「私は○○○だと思っていた」と認識のズレを感じる瞬間がときおりあります。

人が増えたり、やるべきタスクが増えたりすると、密に会話する時間も少なくなるので、そのズレはどんどん広がっていきます。


認識のズレは基本的に、人ごとに思い描いていることが違うために起こります。経験や知識、思考のプロセスも人ごとに違いますよね。なので、考えが違うことは受け入れなければなりません。

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とはいえ、認識に相違があると、議論が無意味なものになったり、建設的な議論ができなくなったり、不都合が生じます。

今回は、認識のズレを限りなくゼロに近づけるためにやるべき3つのこととしてまとめました。

今回はわかりやすく説明するために、設定を用意しました。

プロジェクト:
有名人の名言から自分の好きなものを見つけるためのマッチングアプリを開発する
状況:
複数人で、制作物について会議する

という設定で、認識のズレを減らすポイントを3つ紹介します。

1. 「絵」でまとめる

例えば、新しい機能として「スワイプして好みを判断する機能をつけよう!」となった場合に、人によって考えることはバラバラです。
例えば「スワイプする」という言葉ひとつとっても、

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というような認識のズレが起こってしまいます。
これが起きないように、できるだけ同じ想像ができるような絵を描きます。

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みんなで共通の絵を見てコミュニケーションすることで、「○○○だと思っていた」を少しでも減らすことができます。ひとつの機能でもインタラクションはさまざまなので、目視で確認をとりましょう。

実際のUIを、デザイナーも非デザイナーも、言葉で伝えるだけでなく、実際の図を描いてみてください。手書きのメモやホワイトボードでも十分です。

2. 「マーク」でまとめる

議論が白熱して、意見がたくさんでてきました。途中で意見を整理することになった場面を想像してください。これまでの意見は箇条書きで羅列されています。

今回の論点は、「スワイプした後、次はどんな言葉をだすのか」です。

スワイプ後に出す言葉のアイディア
・同じ人物の言葉を出す
・似ている人物の言葉を出す
・全く違う人物の言葉を出す
・xxxxxxxxの言葉を出す

この羅列の仕方では認識のズレをうんでしまう可能性があります。
考えられる選択肢が2択しかないという限定的な場合を除けば、「下から2番目の○○○○と、一番上の○○○は 〜〜〜」と選択肢を指示する言葉が増えてしまいます。

混乱してしまい結果的に認識のズレに繋がる場合があります。

多くの選択肢から選ぶ場合は、並列に扱うのではなく、以下のように数字かアルファベットなど、なにかマーク(符号)をつけると良いです。

1. 同じ人物の言葉を出す
2. 似ている人物の言葉を出す
3. 全く違う人物の言葉を出す
4. xxxxxxxの言葉を出す

無駄な思考が減り、発話もコンパクトになるので、議論が進みやすくなります。

3. 「つまり」でまとめる

会議が進み、仕様がほとんど決まってきて、リーダー的人物が「よし、それでいこう」と最終決定する場面を想像してください。

議論が白熱すると脱線した話も多く出てきます。そのため、全員が同じ結論を認識しているかはわかりません。

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「それで行こう」という言葉の後には、文脈を理解したり、空気を読んだりして、それぞれの人たちが認識をあらためますが、最初に言ったように「人ごとに考え方が違う」ので、確認をとる必要があります。

解決策としては、

つまり『XXXしてYYYすることで、ZZZになる』ということですね?

と結論を整理してまとめます。

結論が参加者全員の認識と合っていればめでたく会議終了です。
逆に認識にズレがあれば再度議論をしたり、結論を修正したりして、そのズレをなくしていきましょう。

まとめ

長年一緒にいるチームメンバーだったり、少数だったらここまでの工夫は省略できる場合があります。

ただ、「チームメンバーが入れ替わった」「新しいのチームに所属した」というような方はまず、今回紹介した3つのポイントを試してみてください。

些細なポイントなので、当たり前にできているチームもあるかと思いますが、共通認識を細かくとることを意識しながら積み重ねることで、最終的に大きな共通認識を作ることができます。

大きな共通認識ができてしまえば、その後のプロジェクト進行が有意義に進められたり、スピードもあがったりするので、面倒くさがらずやることが大事だと思います。

今回紹介したことは「つまり、認識のズレを埋めるためには『絵でまとめて、マークでまとめて、つまりでまとめる』ことが大切」です。

一言で言うなら、「頭の中だけで考えずに、可視化する」ということです。

WRITER : 葉栗 雄貴 / haguri ( SMARTCAMP Designer & Engineer )
EDITOR : モリシゲ ( SMARTCAMP Designer & PR ) @MorishigeYuta


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