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九州の公立高校の体育祭文化に一石を投じるか【長崎県立長崎北高校の「新しい体育祭のカタチ」】

長崎県立長崎北高校は、ラグビーの強豪校としても知られる長崎県有数の進学校です。

そんな長崎北高校が新しい試みを実施したとか。それが、「夕方から始まる体育祭」。この背景には、合理的な思考に基づく、校長先生の英断があったようです。

その理由について、猪俣英介校長は「8月も毎日猛暑が続いていたので、少しでも熱中症対策として生徒の体調面を考慮して実施をした」と説明した。

この日、長崎市の最高気温33.4℃を記録したのは午後1時53分。体育祭はこの暑さのピークを避けての開催となった。生徒たちからは「朝からの開催より日が照らずに涼しい」「気温も涼しくてやりやすい」「来年もこんな感じがいい」と反応は上々だ。

生徒さんたちの反応も当然のことだろうと思います。

九州の公立高校は、概ねこの時期に体育祭を実施します。
そのための準備は真夏に行われます。かつては、学校の教室に寝泊まりして準備していたとか、全校生徒ほぼ強制参加だったとかは、徐々に減っていったところもありますが、

これまでとは違う酷暑の夏になっている「現実」に向き合わない点は改善されてこなかったと感じています。

そんな伝統校を中心とする体育祭しぐさについては、↓で記事にしています。

正直なところ、私が高校生でも長崎北高の体育祭がいいなあと思うでしょう。最後の花火とか最高じゃないですか。一生の思い出になった高校生もいっぱいいたでしょう。

伝統に固執するのは、大人のエゴである部分もあるのではないかと感じています。高校を卒業して何年もたつのに、母校可愛さという口実による「介入」は、自己愛しぐさと言われても仕方ない一面があると私は思います。正直なところもう少し客観的に母校をみてもらいたいところです。

伝統というのは、時に新しい考えや解釈を阻み、思考を硬直化もしくは停止させることもある。価値観の押し付けとなったり、パラダイムシフトに対応できなくなるという弊害もあると常々思っています。これは伝統を大切にすることと何ら矛盾しないとも思っています。

批判的な視点なく伝統に酔うことは、現に慎むべきで、大人がそのことから脱することができないのは、私は論外だと思います。

安全という観点からも今後、長崎北高校のような合理的な思考による新しい創造性を伴った体育祭の在り方を九州の公立高校には期待したいと思います。

まあ、そんな小難しいリクツよりも、涼しい時間帯から始まって花火のある体育祭の方がいいですよ。いろんな面で。

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