総合型選抜入試にも「外部の目」は必要【公平性の観点からも制度設計の向上を】
山形大で一般入試のミスがあったようです。
今回、ミスが発覚したのは、外部の指摘によるもののようです。
もちろんミスはあってはならないことではありますが、改めて、制度としての一般入試の堅牢性が示されたとも言えるのかなと思います。
一般入試の場合、「外部の目」によるチェックがはたらくことは、意味のあることだと痛感します。
(改めて合格となった受験生の方は、救済されて本当に良かった)
私は、常々総合型選抜入試の「制度設計」について、まだまだ精度を高める必要があると思っています。
世間で言われているような「バラ色」ではないとも思っていることもあり、制度の不備は気になります。
今回、一般入試では機能する「外部の目」が総合型選抜入試で、どの程度機能するのかはまだまだ発展途上だなと感じます。
外部の目が機能する第一歩は過去問の公開でしょう。
東北大は、過去問を公開する方針のようで、誰でもダウンロードできるようになっています。
https://www.tnc.tohoku.ac.jp/kakomon.php
総合型選抜入試であっても、学力が不問であるということは、あってはならないことであることは、大前提であり、どこかの塾が「総合型選抜入試を知らないなんてもったいない」などというコピーが学力の面で、通用してはいけないはずです。
総合型選抜入試が今後、拡大することが見込まれる以上、精度の向上、とりわけ公平性の確保は絶対に必要であり、そのためにも「外部の目」によるチェックは必要となるでしょう。
しかし、まだまだ発展途上の過渡期の制度なので、今後の課題でしょうが、少なくとも過去問の公開は今すぐにできることではと思います。
総合型選抜入試が、主観の要素が入りやすくい制度であることもあり、これが恣意的な入試の温床になる可能性は十分にあります。それが公平性を脅かすこともあり得ます。
制度の信頼性を確保するためにも、「外部の目」に晒される環境を大学の関係者は恐れて欲しくないなと思っています。
また、高校の先生方を招いてどのような基準で選抜を行っているのか、高校の現場でどのような形で生徒を育てて欲しいのかの意見交換することも大事ではないかと思います。
総合型選抜入試は、高大の連携によって育てていくべき制度だと私は感じています。
総合型選抜入試で「問う内容」への議論は当然なされるべきであり、仕組みとして、総合型選抜入試を評価する機関が育つことも制度の健全性につながることだと思います。
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