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共通テスト数学に備えるべきこと(2)【サンクコストを意識せよ】

大混乱から1年。共通テスト数学をどのように乗り切るべきか。これについて考察しています。

今回はその2回目です。前回はこちら。

今年の現役受験生、当初から共通テスト数学への意識が高く、大きな話題となったこともあってか、1年前に既に解いている生徒が大半です。そこで、昨年の数学ⅠAの問題の中で、カギを握ると私が考えている問題を解いてもらっています。

それがこちらです。

なぜこの問題を選んだかというと、大学入試センターが、問題作成についての自己評価を公開しているのですが、

めちゃめちゃざっくり、私的に翻訳すると

全般的には、我ながら惚れ惚れする、いい問題ばっかだっかだったけど、時間は足りなかったかもだし、計算量は多かったかもね(・ω<) てへぺろ

と総括していたと感じたからです。

なるほど。あれは、基本的にいい問題ばっかりだったと思っているのか。受験生を敵に回したな・・・と思うものの、計算・時間のファクターを除けば、ここに出題側の意図があるのでしょう。もっとも、悪問だと思うなら出題はされていないでしょうから、それなりに納得もできるところです。

そのような背景があり、この問題を選んでいます。
本問は、計算は煩雑ではありませんし、悪名高い(?)長いリード文もありません。センター試験テイストあふれる形式です。

繰り返しますが、今年の現役生は、1年前にこの問題を解いている生徒がかなりいます。

・・・が正答率が芳しくありません。

「1年前、やった・・・。どうするんやったっけ?」
「あの時も、迷ったんよね~」
という声が続出。結局、想定した時間(10分以内)で通過できている生徒は少なく、予想通りというか、やっぱりかという印象でした。

彼らの名誉のために言いますが、九州大学の標準問題レベルであれば、楽々クリアする生徒で、これです。

私が予想通りだと思ったのは、↓の記事で書いたように論理の飛躍が大きいからです。

今年の受験生に向けてお伝えしたいメッセージとしては、大学入試センターの総括から考えると、この手の問題は出てくることが十分予想されるということです。

つまり、一見解けそうだけど、実は解きにくい問題が出題されるかもしれないということは意識しておいてほしいところです。

ここで覚えておいてほしいのは、行動経済学の用語である、サンクコストという考え方です。

時間をつぎ込んだから、どうしても正解しないと・・・というプレッシャーから泥沼化する可能性を考慮しておいてほしいのです。

普段から一問あたりの時間配分は意識しているとは思いますが、解けそうで解けない問題は、このサンクコストの罠に陥りがちであり、ペースを乱す要因になる可能性があります。この問題のようにあとから総括すると結構解きにくかったということはあり得ます。

これからも学校などで時間を測って演習をする機会はあると思いますが、このサンクコストを理解したうえで、マイムマネジメントの技術を磨いてくださいね。


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